冊子・止揚第116号

知能に重い障害をもつ人たちの施設 止揚学園から冊子・止揚第116号が届きました。

楽しい記事や嬉しい案内のなかに、悲しい記事もありました。 在園者の人々が年齢を重ねるにつれて、病状が重くなったり、なかには失明する人もいて、お顔に見覚えがあり名前も記憶している方がお亡くなりになったという報せもありました。

冊子・止揚の巻頭言を引用転載させていただきます。

   「弱さに任せた時」
人間は(強くありたい)(賢くなりたい)と願い、その努力をして頑張ろうとする人が多い。そして、それが果たせなくて涙する人や、諦めを持ち、(自分は不幸だ)とその弱さを嘆く人もいる。

しかし、弱さを持つということは本当に不幸なことだろうか。
聖書に「わたしの恵みはあなたに対して十分である。わたしの力は弱いところに完全にあらわれる」という御言がある。神の愛や恵みは弱さの中に完全にあり、弱い人間だからこそ優しい心を、真の強さを持つことができると、この御言は語っている。

自分の弱さを知り、その弱さに自分を任せることができれば、生きる喜びや幸福が自然に自分をとりまいてくれる。弱さこそ生きる力を創り、育てる種なのである。
「弱いことって素敵やなあ」と明るい声で叫んでみよう。きっと優しい、美しい、見えないものに包まれ、笑顔が生まれてくる。 (福井達雨)

楽しい、手作りの案内も同封されていました。 止揚学園クリスマス会の案内です。世代を超えた多くのひとが集まる楽しい会です。 創立者が同志社大学神学部出身で、キリスト教がバックボーンにある止揚学園ですが、お坊さんも参加されるクリスマス会です。 日頃は講演活動などに忙しくて、学園をお訪ねしても三度に二度はお会いできない福井先生にもお会いでき、お話しも聞けます。 去年は伺えなかったから、今年こそはと考えています。 茫猿と一緒に訪ねてみたいとお考えの方がございましたら、フォローコメントなどでご連絡下さい。ご案内致します。

学園の寄付金趣意書も転載します。 社会福祉法人止揚学園は、税額控除対象法人でもございます。皆様のお力添えの輪が広がれば、とても有り難く 嬉しいことと思っています。

     「止揚学園寄付金趣意書」

五十一年間、止揚学園は入園している人たちと職員たちで心を合わせ、ゆっくり、一歩一歩と前に進んできました。その中で、楽しいこと、苦しいことが交差した五十一年間でした。しかし、どんな時も神さまの愛と、皆さまの心優しい励ましで、園内に明るい笑いが溢れ、幸福をシミジミと感じた五十一年間でした。いつも私たちを信頼して支え、共に歩んで下さった皆さまに感謝で一杯です。ありがとうございました。

さて、入園している人たちも歳をとり、その両親たちの高齢化が進み亡くなる人が増えてきました。今年も五人の親が止揚学園の納骨堂に入りました。このために、両親を亡くした人が十数人になりました。

今年の夏休み、入園している人たちは一週間、自分の家に帰りましたが、両親を亡くした人たちの多くは家に帰れず、止揚学園で時を過ごしました。家に帰れなかった三田さんに「寂しくあらへんの」と尋ねると「あらへん」と明るく答えました。不思議に思い、「なんで?」と聞くと、「家、二つ、止揚学園百、そやから寂しくあらへん」と言いました。

三田さんは (家に帰ると、両親の二つの優しい心があったけれど、止揚学園には沢山の人がいて、一杯温かい心がある。だから、寂しくない)と考えていたのです。それを聞き、私たちは (どんな時も優しい心を失くさず、神さまの御心に従いつつ、入園している人たちの笑顔を消さないで歩もう)と心を熱くしました。

昨年、東日本大震災があり、いろいろな思いを持たれている中で止揚学園を力づけて下さった皆さまに感謝しっつ、私たちは活き活きとした止揚学園を創り出していきます。お祈り下さいませ。
今年も大災害で苦しみ、悲しんでいる人たちや、いろいろな施設、そして、止揚学園を、物心ともにお支えいただければこんな喜びはありません。機会がありましたら、明るさに満ちている止揚学園をお訪ねください。心からお待ちしています。

皆さまに、神さまの愛とお恵み、笑顔がいつも包みますことを心からお祈りしっっ、お願いにかえさせていただきます。
2012年12月1日   止後学園後援会寄付金委員会代表 福井光子

趣旨にご賛同頂き、寄附をお願いできる方は、下記の郵便振替口座をご利用下さい。

・振替口座 01030-6-5429
・口座名義 止揚学園

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