柿若葉

春が駆け足で過ぎてゆく、近年は春と秋の季節が短くなって冬と夏が長くなっている。四月初めに夏日が出現するのだから、五月はもう初夏なのだろう。とはいえ桜の花が終わる頃からは芽吹きの季節である。様々な落葉樹が芽吹きするが、新芽だ若葉だと言いつつも、どれも同じ芽吹き色ではない。若緑、浅緑、萌黄、なかには茜系まである。それらをひとつひとつ確かめてゆくのも早朝の楽しみである。

我が鄙里で心和まされる芽吹きは何と言っても柿若葉である。

次には楓であろう。風に揺れる楓の若葉の下にいて木洩れ陽を浴びていると、風薫るを感じて心安らぐ。

こちらはチシオ楓(千染、血汐)の新芽である。初夏を過ぎるまで葉の色は赤い。
そして、ナンキンハゼの芽吹き。

塀に絡まるツタも芽吹く。

もちろん鄙ザクラも葉桜の季節。

芽吹く若葉は落葉樹ばかりではない。常緑樹もまた芽吹き、そして年を越した古い葉を落葉させるのである。楠などは風が吹けばカサコソと音を立てて古葉を落とすのである。写真は枇杷の新芽である。花が終わり小さな実を神楽鈴のようにつけている。

年を越した古葉と入れ替わった楠若葉は淡い萌葱色。

金木犀も今は芽吹きの季節である。ミカンの下に広がる著莪(シャガ)の花

 

 

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