根尾谷・淡墨桜

雨も上がった午後から根尾谷の薄墨桜を観にでかけた。鄙里から揖斐川及び支流の根尾川沿いに北上すること約50kmの距離である。谷沿いの一本道であることから昼間は渋滞が予想されるので、雨上がりの月曜日の夕刻に夜桜見物と考えたのである。

予想どおり見物客は少なかったが、それでもライトアップされた薄墨桜の周りにはカメラを構えた人たちが数十人はいただろうか。駐車場から桜公園に至る坂道沿いの小屋掛けの売店の殆どは閉じていた。

背後は杉林の漆黒の闇、空はかすかに蒼みを残す星空、そのなかに樹高16m、幹目通り周囲約10m、樹齢1500年と伝わる巨桜は、満開の白い花をまとって毅然と立っていた。20160404usuzumi-a

遊歩道を背後にまわれば巨木の幹がよく見える。昼間に見れば千年余の歴史を経た巨魁とも魁偉とも見えるごつごつした樹肌である。家人と二人言葉無くしばし見とれたことである。桜並木も悪くはないが、超然と立つ巨桜もなにものにも代え難いものである。20160404usuzumi-b

随分と長いあいだ収集してこなかった”蓋”である。旧根尾村の汚水マンホール蓋のデザインも薄墨桜である。”NEO”の文字の下はたぶん菊花石であろう。20160404neo-futa

過去の淡墨桜訪問記には千年を経た怪異な樹肌を記録する写真もあるが、この時同行したムラさんの「添え木で守られ、手厚い介護を受けて、それでも村の観光のために咲かされている櫻に哀れを誘われる。」という述懐がいまさらに甦ってくる。
薄墨櫻090403  )

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