越南紀行−9

さて、この旅も半ば以上を過ぎ、いよいよ旅のハイライト、ベトナムの海浜リゾート地・ニャチャンの海辺である。茫猿の海外旅行経験はそれ程多くない。しかも東南アジアと韓国・台湾に限られている。だから人に語れるほどのものは無い。それでも東南アジアの海辺については語ることが少しは出来ると思っている。

『ニャチャンの浜辺』
インド洋に面する海辺は夕陽が素晴らしいし、南シナ海に面する海辺は朝陽が素晴らしい。少ない経験からすれば、浜の砂質のせいかもしれないが、インド洋に面する浜辺に比較しても、今回のニャチャンの浜辺は美しかった。外洋に直面していて、10mも沖へ出れば背が立たなくなる深さのせいかもしれないが、長く続く浜辺と背後に続く緑地帯・公園は美しかった。1004hamabe2

ニャチャンに多い西洋人はロシア人である。ベトナムとロシアとの長い友好関係を反映するものであろうが、東ロシアとベトナムは日本と同じ程度に距離が近いせいかもしれない。日がな一日浜で日光浴している観光客の多くはロシア人と思われた。

中年以降のロシア婦人はご案内のとおり巨体であるが、若いロシア人女性は美形でスリムで凹凸がはっきりしている。家内は日焼けを嫌って部屋にいるか、買い物か、エステサロンに行っているから、茫猿独り浜で新書判”非線形科学”を枕にうたた寝をするのである。

近づき遠ざかるロシア美人を眺めるともなく眺めて、目の保養を十二分にさせていただいた。もちろんのこと、彼女たちは一人ではない。エスコートする男性が必ず傍らにいるのではあるが、眺めるだけなら特に問題はなかろう。さすがにカメラを向けるのはマナーとして憚られたし、撮影許可を求める露語力も無いのである。

彼女たちが投宿している浜通から裏のホテルへ戻る途中は、大胆にもビキニの水着姿のままである。すれ違う時に眼のやり場に困るのである。《中年以降のご婦人のなかにもビキニ姿の水着に薄す物をはおって歩く方もいる。この時は逆の意味で眼のやり場に困るのである。》

ニャチャンの浜辺はパブリックビーチである。共産主義国家であるから当然のことであろう。しかしながら、朝夕の時間帯を除くam8:00頃からpm4:00頃までは準プライベートビーチに変わるのである。浜辺に立地する各ホテルの前毎に旗で仕切られて、ビーチパラソルが立ち、デッキチェアが置かれるのである。泊まり客はホテル毎に部屋番号を告げて、デッキチェアの占拠が許され、ビールやジュースなどの飲み物がサインで受け取れる。この時間帯は一般人も他のホテル滞在客もエリアには進入してはこないのである。当然のことながら、海への出入りは自由である。

この浜辺の時間限定占有に関わる経緯は不詳であるが、海浜のホテルの新築経緯、すなわち海側のホテルが新しく、今や裏通りになっている陸側のホテルの方が古びていることから推察すれば、海浜通りの新設経緯や海浜通りと浜のあいだの公園建設経緯などが反映しているのではと思われる。海浜側には私たちが宿泊したHotel Novotelやシェラトン、インター・コンチネンタルなどの外資系ホテルが建ち並んでいる。1004hamabe1

早朝の時間帯には浜辺と道路との間の公園《緑地帯》では、市民の幾つかのグループが太極拳やエクササイズを行っていた。なかには揃いのユニフォーム着用グループもいた。そして、その多くはニャチャン婦人会グループとおぼしき中年婦人の団体なのである。1004exsasiz

ニャチャンは南シナ海に臨む町である。だから水平線から昇ってくる朝陽は素晴らしい。もう秋を思わせる雲に朝焼けを写しながら昇ってくる日の出は思わずかしわ手を打ちたくなる程である。滞在時の日の出時刻は 05:30 頃であった。一行のうち、茫猿以外はベッドのなかにおり誰も日の出は見ていない。《写真は日の出直前と日の出》1004yoakemae1004asahi

夜景もそれなりに美しいのである。暗い海、明るい車のライト、道路と海の間の椰子の林の風情、遠くに本土と島を結ぶロープウエイのライトアップされた支柱などなど、部屋のベランダからビール片手に眺め飽きないのである。1004hamabe4ke-buru

『ニャチャンの街歩き』
不動産鑑定士としての長い習慣がなさせることなのであろう。茫猿は国内でも異国であっても、旅先では独り街歩きを習慣づけている。独りで歩けば、同伴者に煩わされることなく、気の済むまで見たいものを見ていられるし、探していられる。それが、旅の楽しみにも今やなっているのである。《ニャチャン駅前で見かけた解放戦士像》1004senshi

海鮮料理屋の店先に置かれている水槽、今夜には誰かの胃袋に納まるのであろう。1004ikesu

路上の果物売り。種類と量が半端無く豊富である。201509024furut

路上のフォー販売屋台。20150924rojou

ニャチャンの街頭で見かけたレンタル・バイクである。観光客とおぼしきグループが借り受け交渉をしていたが、右側通行でバイクが溢れる道路で、借りて乗る勇気など茫猿はない。20150926rent bike

どうして、このような配線でトラブルが生じないのか不思議である。1004haisen

ニャチャンの旧市街で見かけた漁港。漁港直送であれば海産物が旨いのは当たり前であるが、養殖物のエビはともかく南の海の魚は今イチである。貝も同様である。贅沢言うなと叱られるかもしれないが、店先の水槽にアナゴが泳いでいたので、調理法を聞いたらブツギリで焼くと云う。当然、食するのは断念した。日本では冷凍物しか食せないバナメイエビであるが、当地では当然のことであるが生ものもしくは生簀ものが食せる。ひと味ふた味違うのである。1004gyokou

街歩きの途中に立ち寄った喫茶兼食堂。道路の向こうは海であるから、樹間を抜けてゆく風が気持ちよい。ここでも、オーダーはフォーとビールである。1004coffe

ニャチャンの浜辺に付いて書きたいことはまだまだあるが、本日はここまで。

 

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