越南紀行−10

書き綴ってきた越南紀行もぼちぼち閉じる時が近づいてきたと思う。まだまだ書き残したことも有るが、長過ぎればもともとまとまりの無い散文がさらに散々文になってしまうことであろう。 そこで日々メモ代わりに使っていたFaceBook投函をもとにして、旅のあいだの時々に思ったこと感じたことを記事にしてお仕舞いとしよう。

この拙い紀行文が、いつの日か孫娘の眼にとまることがあれば嬉しいなと思いながら、旅日記を閉じる《あなたの父方の祖父である》茫猿なのである。

『FaceBook投函を引用し補足して(日付時刻はFB投函時刻)』
《一部は前号までの記事と重複しますがご容赦下さい。いずれの投稿にも写真を貼付していましたが、本記事では一部を除き割愛します。ご覧になりたい方はFaceBookへお越し下さい。》

9月18日 18:17
成田ナウ。品川駅で合流した茫猿と孫娘たち一行は成田エキスプレスを経て、ベトナム航空VN303便に搭乗し日本を発つのである。

9月19日 03:23
ホーチミンナウ。深夜と云うか極々早朝と云うべきか、一行はホーチミン空港に到着し、タラップを降りてベトナムの地に立つのである。お彼岸とはいえ南国ベトナムの気温は高く、空気は湿気を帯びていて汗ばむ。IMG_0455

9月19日 19:00
ホーチミンに着いた翌朝飲んだベトナム 珈琲は、重くて胃に響く。テーブルで、個別にドリップするのである。3015cofe1

9月19日 19:03
中央郵便局前の露店、ざっと眺めただけだが買い気をそそるものはない。6015monouri

9月20日 1:36
ベトナム在住の日本人と話す機会があった。越(呉越同舟の越)の南と表記したエツナムが訛ってベトナムになったという説があるそうな。カレー文化のないベトナム。英語表記も漢字表記もないベトナム。 スコールの上がった後の夜景は情緒がある。英語表記や中国語表記が無いことは、観光立国を言っていても浸透していないということか、それともベトナム戦争や中越戦争の後遺症か?

9月20日 2:19 ·
街角で、隻脚の方を見かけた。戦後40年経ったというが、注意深く見れば傷跡は見られる。昼食場所は昔のアヘン工場の跡を利用したというレストラン。レストランもタクシーもエアコンが効き過ぎて体調を崩す。8015ahen

9月20日 2:36
脱皮直後の蟹を食した。美味いのは旨いが、衣が厚すぎてメリケン粉感が食味を邪魔する。それに、店頭で揚げている煙が、二階のテラス席に漂ってきて、これまた、食味を邪魔する。冷凍ではなく、ナマのバナメイエビを茹でたのはうまかった。ヤシ蟹は、時価ということで食せず。家人に確認したが、首を縦に振らず。

《この脱皮蟹をホテル・レストランでも食したが、衣がカラッと揚げてあり、こちらは旨かった。日本では貴重品である脱皮蟹(ワタリガニ)をポピュラーに食すことができるのは、養殖しているからであろうと思われる。また蟹も手のひらより一回り小さい大きさであり、日本ではお目にかかれない。》

9月20日 3:01
酔いが醒めた深夜、ドンを持っている家人は爆睡中。腹が減ったが、コンビニもフォーの屋台にもゆけず。ドンと円のレート差に少し慣れた。それにしてもインフレの怖さと、円安の辛さが身に沁みている。五十万ドンが2800円である。両替すると気分だけは、大金持ちである。

9月20日 6:34
朝四時半、トイレに起きた家人から20万ドン《約1200円》を頂き、コンビニへ。ホーチミンの街は、眠らない。喫茶店は客待ち顔だが、屋台の前は人だかり。英語表記の件だが、これはエレベーター内の表記。FB投稿直後に「イイネ」が入る。こんな時間にと思ったが、日本では朝八時だ。6015sitamati

9月20日 8:58
朝飯を仕入れてメコンデルタへ向かう。ベトナムサンドイッチ・バインミーの店先。価格表記が、この世のものとは思えない。簡単な換算は、「000」を切りとって、6を掛ける。8015don

9月20日 17:23
メコンデルタにて、河港からチャーター船でデルタの支流へ向かう、その後、手漕ぎの小舟に乗換えてクリーク探検である。茫猿は疲れて舟のなかで横になっている家人に付き添う《点数稼ぎ》。 今夜はデルタの川中島で民宿泊り。

9月20日 22:21
メコンナイトクルーズ&ディナー。 メインは名前も知らぬメコンの魚の唐揚げ、身を自分たちでほぐして、地元の香り野菜と合わせてライスペーパーでまいて、食べる。美味い。
孫はインデカ米にほぐし身を合わせて食べている。孫のおかげで、両家の親睦がまた深まる。祖父同しの会話が多いのも、とても良い。《魚の名前はエレファント・イヤー・フィッシュ:象の耳である。》7015dinar

9月21日 3:27
夕食で呑んだベトナム焼酎が美味くて酔い、宿に帰ってからは直ちに爆睡。目覚めた今は夜更けの午前2時。遠くの雷の音以外は静かである。
昨日の昼時、クリークの探訪に出かける皆と別れ、疲れた家人に付き添い舟で休んでいた。行き交う船のエンジン音以外は静かで、川風が心地よく、土色の川の流れもさほどに汚くは思えない、メコンの川風に癒やされる。ガイドの話によれば、メコンの水位は年間を通して変動が少なく、乾期が深まれば川の水も澄んでくると云う。また台風の襲来が無いから気候的には安定していると云う。

母なるメコン川 、船頭の会話、鶏の鳴き声 、バナナもランプータンも龍眼《ロンガン》もジュウシイーで美味い、でもバナナ以外は歩留まりが悪い。種子が大きいのだ。舟の屋形を支える柱はマングローブ、結構固いし、木肌が美しかったと思い出す。7015mecon

9月21日 5:06
メコンデルタの中州での朝早く、遠くの雷鳴を聞きながら、もの思う。(イイネをくれる)日本の友のことも思う。もう地価公示が始まっているのだろうと思っている。 リタイア後にメコンに遊ぶ自分は幸せなのだと思っている。開高健の本を持ってくれば良かったと少し悔やんでいる。帰ったら読もう。メコンデルタの奥深いこの宿は華人系とのこと、信仰心も深そうだ。この国の戦後40年の歩みも思う。8015butudan

9月21日 5:43
前夜の宿でiphoneの充電器を忘れたら、息子が自転車で散策途中に中州の市場で探してきてくれた。純正ではないが、この片田舎ですごいと思う。日本の我が町では考えられない。17万ドンなり《約950円》。ベトナムは一足飛びにデジタル社会に突入している。この充電器はベトナムを発つ日には不調になってしまったので、ホテルの部屋においてきたものの、滞在中は重宝した。

9月21日 9:05
メコン民宿の朝、付近を朝の散歩をする。各家の庭先には、バナナ、パパイヤ、椰子の木があり、鶏が放し飼いにされている。こんな地鶏なら旨いだろうなあ。2015FHO-CHIKIN

9月22日 5:47
ホーチミンに戻ってきた。昨夜からの宿は、仏植民地時代の古い面影を残しているマジェスティック・サイゴンである。 このホテルのメインバーからの眺めはとても良い。家人と久しぶりに大人の時間を過ごす、私たちであった。7015bar

9月22日 9:28
ホーチミン・サイゴン川のほとりにて、安保法案の行く末を考えている。ベトナム戦争に参戦した韓国、しなかった(出来なかった)日本。その後の経緯、今の有り様、考えさせられることは多い。

9月22日 9:40
東南アジアは、何処でもバイク王国だが、ホーチミンもすごい。朝のラッシュ時の大通りは、私は渡るに命がけなのに、少女はスイスイと渡って行く。こつを掴むまで、あと10日は必要だ。コツは、斜め横断と路上で立ち止まらないことのようである。《馴れてから気づいたのだが、バイクは追い越しをしない。追い越し時の事故を慮ってのことのようである。立ち止まらずに歩いてゆけば、バイクの方でスイスイとよけてくれるのである。》8015bike

9月22日 21:28
今朝、サイゴン川畔りで朝もやに煙る対岸にビル群を見る。多分、マンション群であろう。ドイモイ以後、発展を続けているベトナムを象徴するビル群なのだろう。北朝鮮とベトナムの大きな違いは、金首領と畏怖された金日成と、ホーおじさんと親しまれたホーチミンの違いなのかもしれない。北国と南国の違いもあるのだろうが、ともに中国と国境を接している国である。川面に漂っているのはゴミではなく、ホテイアオイのような浮き藻である。8015biru

9月23日 5:38
判り易く、頼み易い、背中の業務告知表示 である。ホテル朝飯レストランにて。手招きすれば、どちらかをサービスしてくれる。《MR.TEA&COFFEE》サービスしてくれるTEAはハス茶である。COFFEEはアメリカーノである。3015cofe4

9月23日 5:51
久しぶりに、iphoneで地元紙を検索している。ラグビーは松原氏投稿で知っていたが、照の富士が連勝街道を走ってるらしい。シルバーウィーク終盤渋滞ニュースに、なにやらの感慨あり。台風21号発生が少し気掛かり。 昨夜は息子の義父と、孫と海外で遊べるリタイア後の幸せ談義で盛り上がる。《照の富士はその後、稀勢の里戦で怪我をしたが、優勝決定戦にのぞみ、横綱鶴龍に敗れた。》

9月23日 9:10
ホテル・コンシェルジェデスクの後ろに掲げてある開高健の写真と、初めての自撮りをする。もう一枚は、カトリーヌ・ドヌーヴと自撮り。8015kaikouken8015donuv

9月23日 9:18
グエンフエ通り、ホーチミン像の前で、朝早くなにやらセレモニーあり。儀仗兵に軍楽隊も出ている。面白いのは、偉いさんの登場順序、女性がゆっくりと開始前に《午前七時》、セルシオから降りてくる。女性の社会進出が多いということなのかも。8015ho-chimin8015selemony20150926selemony

9月24日 0:23
夜行寝台でサイゴンからニャチャンまで、深夜のサイゴン駅。

9月24日 10:59
それなりに楽しめた夜行寝台、でも往復は願い下げである。宿の前は南シナ海。
早朝5時半にニャチャン到着。荷物降ろしに汗をかきました。

9月24日 18:27 ·
媽祖廟にて、祖母と孫が何を祈るのか? 祖父の健康か、それともピンコロリか!!8015inori

9月24日 18:41
媽祖廟にて、願いはヒトそれぞれでしょう。蚊取り線香の親分に点火して、これから奉納するのです。息子の話では、家内安全、祖父母の健康とピンコロだそうです。《画面右上、天井をご覧あれ。》8015inori2

9月24日 21:03
だいぶ慣れたけど、支払いのたびに、家内に、払い過ぎよと諌められる。 これだけのお札で(160,000vnd)およそ900円。他に500,000ドン札もある。8015don160000

9月24日 20:47
ベトナムの外国人客はロシアの人が多いと聞いてはいたが、スミノフウオッカとジョニ黒はハーフボトルがミニバーに置いてある。そういえば、街に可愛い美人が多い。若い人は海辺のホテルに泊まらず、一本か二本裏の通りの宿に宿泊している。その彼女たちが水着のままで浜から宿まで闊歩している。《年配の方も混じっているけれど》8015vodka

9月24日 21:18 ·
財布のお札を整理していて、気付いたことがある。少額紙幣は労働《象が丸太を曵き、紡績工場で働く姿》、中額紙幣は労働の成果《電力ダム、海上の採掘プラント》、高額紙幣は、文化遺産《寺院か王宮》に変わってくる。インフレの進行がお札文化に影響している。表は、全部ホーチミン氏であるが、高額紙幣ほど顔が微妙に柔和に変わってきている。また、小額紙幣ほど古びている。8015don-ula

9月25日 4:15
日頃はFBをそんなに利用しない私ですが、旅先ではメモ代わりに使います。後々に「鄙からの発信」記事作成の参考にするのと、読者を増やす為の予告みたいなものです。写真は夜行寝台で対向列車待ち合わせで停車した深夜の田舎駅です。

9月25日 4:24
長い年月、慣れ親しんだ妻にしあれど、異国の街角で二人きりにて茶を飲めば、新しき発見があり《かも》です。ヒビ割れ茶碗も席を移し、見る角度を変えれば、新しき景色ありということでしょうか。8015narenishi wife

9月25日 4:45
異国で孫と遊ぶのは楽しい。でもオイタをする彼女を、たしなめる憎まれ役を引き受ける爺も必要。トバッチリを受けて、孫が近寄らなくなった家内からは抗議を受けています。四面楚歌の髭爺は、深夜の異国 浜辺で独り波音を聞くのです。

9月25日 8:20
朝日が素晴らしいニャチャンです。朝日の時間は地元の人の時間です。真昼間は、太陽が厳しくて、地元は勿論、慣れた観光客も泳ぎません。昨日1日で私の柔肌は真っ赤か。
私の撮影テクでは、輝きも汐風も潮騒も伝わらないのが残念。

9月25日 17:07
今日のビーチ、右のデッキチェアはロシアの美形と男性、左は多分オーストラリアの美形と男性でした。イイ話しもありますが、我が家のかつては美形?の検閲が控えているので、後ほど鄙からの発信にて。家人は女性陣ウチ揃って、泥の海へ泳ぎに行きました。《泥エステ》 必要ない孫も泳ぐそうです。【お金を払ってまで】
日によってか、時間によってか、前の海の色が違う。寄せ波と引き波の違いかも。

9月25日 17:31
ペナンだったか、ランカウイだったか、バリだったか覚えてないが、早朝ほの暗い内に金属探知器を持って浜辺を歩く人がいたけど、ニャチャンにはいない。
指輪やコインの落とし物がないのだろう。インフレが進んだベトナムには、コインが流通していない。

9月25日 17:41
今さらの話しだけど、ネットの案内や、ガイドブックを頼りにする人が多い。食べ物屋探しは、何よりも自分の眼、鼻、耳、口、舌が大事なんだが、相変わらずステルスマーケティングに踊らされている若者が多いのが残念だ。《ホーチミンの場末中華街で、ガイドブックとスマホ頼りの日本人女性グループを見かけた時の感想。》

9月25日 19:17
ベトナム滞在で一番嬉しいことがありました。孫の大事な水飲み用の容器を孫が忘れたのです。なんとそれが私の大好きなカフェバーに保管してありました。私を覚えていてくれた彼女の微笑みに誘われて、ニャチャン二度目のコーヒーを頼んだら、カウンターの隅に見覚えのあるボトルが有るではないですか。
こんなことがあるのです。お気に入りのコーヒーを飲みに立ち寄ったら、孫の生命線の忘れ物が待ってくれているなんて。これで下降気味だった爺様の株は飛躍的上昇間違い無し。バンザイ! この一事で、私はHOTEL NOVOTELと彼女のファンになりました。8015honyuubin

《この一事、私以外の皆は、ホテルのロビーに忘れたものだから、遅かれ早かれ出てくるのだから、そんなに感激することは無いと申します。チップだって少しでよいと言うのです。出会いの妙も、偶然の不思議さも理解されずに憮然とする茫猿です。》

9月26日 18:42
様々慣れたものの、さすがに少し旅疲れてきた。海に浮かんで考えた。
日本は遠交近攻【別に攻めよという訳ではない、距離を置くという意味である】策を真剣に考えるべきと思う。中韓朝露の隣国とは、ほどほどに付き合い、ベトナム、インドネシア、タイ、マレーシア、フィリッピン、ミャンマーなどの国々と密接な関係を深めるべきと思う。 共栄とか互恵とかでもなく、一方的にそれら各国の発展に協力するという付き合い方で良いと思う。 ことは単純でないと承知しているが、外交基本姿勢として、あり得ないだろうか?

一味違う、インターコンチネンタルホテルの準プライベートビーチ。ヤシの葉葺きが、チョイハイクラス。《午前十時頃撮影だが、人影はない。》1004hamabe1

9月27日 8:02
早起きは三文の徳、昇る朝陽、頬を撫でる汐風、稀に行き交う美形、ニャチャン最後の今朝、惜しみなく降り注ぐ朝の光を浴びている。1004yoakemae

9月27日 8:12
昨夜は、美味いエスプレッソとスコッチを交互に口に含むスタイルでだいぶ飲み過ぎた。呑んでの夜の浜辺歩きで家人愛用のサンダルを履き潰してご機嫌を損ね、未だ交戦中。
写真は、ロッテマーケットにて、万引き防止策である。手提げカバンは預けるか、封印される。《コーヒーにウイスキーを垂らすのはアイリッシュコーヒーだったか?》8015manbiki

9月27日 17:18
日曜午後の海は人影が少ない。ホテルの滞在客もあらかたいなくなった。私たちも明日から仕事に戻る息子たちと、今夜の夜行便でハノイ経由 日本へ帰る。天候にとても恵まれた10日間だった。また機会を作り、今度はニャチャン直行で、訪れたいと思っている。
波に漂って考えた。何万年どころか、何億年も前から続く地球の営みに、ほんの一瞬だけ存在する私である。何をしてはいけないのか、何をしなければならないのかと。

《帰国の途は、ニャチャンからタクシーでカムラン空港へ、カムラン空港からハノイ空港に向かいトランジットする。東京組は成田空港へ、岐阜組はハノイ発00:15の便で常滑中部空港へ向かう。常滑に着いたのは9.28 朝七時である。》

9月28日 19:47
十日間もの旅は北海道クロス縦横断以来である。楽しいのは楽しいが些か疲れもした。土産話は追々に「鄙からの発信」に綴るとして、しばらくは畑仕事が待っている。帰宅したらiphoneのタッチパネルの調子がオカシクなっていた。直すのに少し苦労する。パソコンのiNet接続も変だ。昨夜のニャチャンの月もきれいだったが、今宵我が家から眺める月も美しい。《老夫婦より一足先に家人の使うMac Book Airが無線LANに対して認知症になってしまった。今のところマダラ接続状態である。》
帰宅したのが昼過ぎ、ご飯を炊き、畑の野菜を採って味噌汁を作って飲んだ。十日振りのご飯に味噌汁は絶品の旨さだった。

 

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