阪堺電車

過日(05.13)、REA-7と名付けたグループの会合が大阪であった。 REA-7とは不動産鑑定士三次試験実務修習の第七期(1971年)同期生のうち、年頃を同じくする有志の集まりである。 若い頃は年に一回以上は各地持ち回りで会合を持ち、直面する課題をはじめとする鑑定評価のあれやこれやを夜を徹して語り合った仲間である。 その後互いが忙しくなり、また世慣れてくるにしたがい、いつのまにか定期会合も間遠となり、齢七十に近くなった最近は会うことも途絶えていた仲間たちとの久しぶりの再会なのである。

当日の会合は夕刻五時にJR大阪駅付近での待ち合わせであったから、早朝に岐阜を出た茫猿はかねて懸案の「路面電車:阪堺線」の踏破を考えたのである。 JR新大阪駅から在来線に乗り換えて大阪駅へ向かい、大阪駅からは環状線で南の天王寺駅へ行くのである。 天王寺駅にて阿部野橋方面に出ると、そこが阪堺線天王寺駅前駅である。 駅といっても路面電車の停留所を少しばかり整えた程度の造りで、電停といったほうが似つかわしい。 この電停から直ぐに公道に出て、南方へ住吉方面に向かう一両編成の市電型電車が阪堺電車・上町線である。      
阪堺線は大阪市の天王寺今宮界隈の下町から堺市に向けて運行されている軌道線である。(左)天王寺駅前電停で電停に入る手前で信号待ちする車輌。(中)住吉電停付近、阪堺線との平面交差点、写っている車輌は上町線住吉公園行き。(右)我孫子道付近の車庫、停車するのは1928年製造のモ161型車輌。
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 住吉電停に降り立ったのが10時頃だったでしょうか、喉の渇きを潤そうと電停付近のなにやら趣きのありそうな喫茶店をみつけたのです。 喫茶店は昭和40年代の雰囲気を残す感じの好い店でした。(場所は上町線住吉電停の南東方向直近)  喫茶店を出て南へ数百m歩けば阪堺線・住吉鳥居前電停、そして住吉大社門前ですから、阪堺線乗車をかなえていただいたお礼を伝えるために住吉大社にお参りしました。(中)住吉大社参道の太鼓橋、(右)住吉大社社殿

 

      
参拝を終えた茫猿は今度は阪堺線(恵美須町ー浜寺駅前)に乗車するのです。
(左)堺市内大小路電停付近、(中)大阪市と堺市の境を流れる大和川橋梁を渡る阪堺線電車、(右)浜寺駅前電停、浜寺駅とは南海電車浜寺公園駅を指します。

 

      
浜寺電停の道路を挟んだ向かい側は浜寺公園です。 適当な昼食場所が見あたらない茫猿は駅前のベーカリーで買い求めたパンと飲み物を下げて公園の西端にある浜寺水路に向かいます。 (左)南海電車浜寺公園駅、駅舎は1907年建築、辰野・片岡建築事務所設計で、国の登録文化財である。(中)浜寺水路でボートの練習をしている学生達をながめながらの昼食です。 (右)浜寺公園は薔薇フェスタ開催中で、多くの市民が松林のなかでバーベキューなどを楽しんでいました。 薔薇フェスタで茫猿の目に留まったのは「ノイバラ」です。野生種のイバラも仕立て方次第では鑑賞にたえる庭木にもなるのだと気付かされたことです。 もちろん、ノイバラだけでなく、こんな美しい薔薇も咲いていました。

 

      
阪堺線、上町線ともに全線が路面電車ではなく、上町線では南海高野線との立体交差付近、阪堺線では塚西ー恵比寿町間は専用線を運行されています。 (左)阪堺線塚西付近、(中)阪堺線の終点恵美須町駅、(右)恵美須町駅を出るとその南東側は通天閣通りです。 タワーブームの折から、通天閣に登りビリケンさんにも会ってみたいと考えたのですが、待ち合わせの時刻が迫っていたので通天閣をながめ串カツのニオイを嗅ぐだけでした。

『鄙からの発信』定番の蓋です。 左が大阪市住吉区の蓋、右が堺市の蓋です。

  

その夜、知己を得て以来40余年、互いに寄る年並みはその風貌に隠せはしないものの、青雲の志に燃えていた頃に変わらぬ談論風発の時間はとても楽しく嬉しいものでした。 今回のように、各地から時間をかけてもはるばる参会できることが幸せなのだと、この頃はつくづく思わされます。 その意味では、皆が佳き歳を重ね得たのだと嬉しく思っています。
既に病を得た方もおられますが、一病息災とも申します。 手際よく病と付き合い、いつかまた会える日があればと思います。 今はまだ医者と付き合っていない者であっても、いつ何時、坊主の世話になるやも知れず、次に会える時まで良き日々を過ごしていたいものと願うのです。

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