雨続きの春先

 この冬が寒かったせいでもなかろうが、この春は雨続きで畑が乾く間もない日が続いている。 ぼちぼち、春の種蒔きのために畑を耕さなければならないのであるが、湿った畑に鍬をいれる訳にはゆかないから、切歯扼腕の日々が続いているというわけである。 (^_^;)

そんな日々の中、昨日は本屋の書棚渉猟と映画を観ようと出掛けてきた。 書棚では葉室麟の新刊を捜したのだがハードカバーばかりで文庫版は既に入手読了ものばかりだったから、当て所無く廻っていたら、池上彰の「宗教がわかれば世界が見える」が眼にとまり購入した。

 NHKこどもニュースで世界のニュースを子どもにはもちろんオトナにも判りやすく解説していた池上氏の世界の宗教入門書というか、死と葬式入門書である。 葬式はいらないの島田裕巳氏、南無阿弥陀仏について説く釈徹宗氏、生老病死について語る高橋卓志氏、キリスト教について概説を語る山形孝夫氏、それだけでなく神道について國學院大學前学長との対話、コーランについて東京外語大学教授と対話、終章はいい死に方について養老孟司と語って締めるのである。

仰々しい本ではない、読み流すに相応しい新書であるが、インタビューに堪能な池上氏が斯界の権威から判りやすい話を引き出している。茫猿のように高齢の両親を見送り、次は自分の順番が間近に迫りつつある者には、老境の生き方、死に方、葬式の準備などについての格好の入門書であろう。 自らの死は遠いことである人でも送らねばならない老親が身近にいる人にとっても、良い入門書になるであろう。 とは云っても、ハウツーものではない、きちんとモノを考える手懸かりになるであろう一冊である。

本屋に入る前に映画の切符を購入しておいた。上映時間までの暇つぶしをかねて本屋を渉猟していたのである。 購入した本を拾い読みしていたら、まだ残っていた時間は潰されていったのである。 観た映画はスピルバーグの最新作「戦火の馬」である。 邦題は戦火の馬であるが原題は「War Horse」つまり軍馬である。 第一次世界大戦を背景に、イギリスで産まれた馬ジョーイがフランスの戦場で戦火のなかを生き抜いてゆくという馬物語である。

馬が主人公だから仕方ないけれど、エピソードに登場する多くの人間達が描き切れていない不満が残る。 馬と出会った少女、戦場を離脱した兄弟、戦場で出会った母馬などエピソードが多すぎるのかもしれない。 そんな不満は残るものの、スピルバーグらしい戦闘シーンの迫力、馬の描き方の叙情性など十分に楽しめるお伽噺である。 シニア料金対比のコストパフォーマンスは高いといえよう。

ところで、ブログ・ツール及びレンサバを変換したから、昨夜も今朝も設定に大わらわである。この記事だって、新しいツールWordPressに習熟するために記しているようなものでもある。 こうして新しいものに(果敢に)チャレンジすることも老化防止に役立つことにならないかと自らを叱咤激励するのである。

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