2012.04.10付帯決議提案の背景

先日の理事会報告記事を一読して、その提案の背景を即座に理解できた方は少なかろうとおもわれます。 あるいは多くの誤解の上に理解されている方も少なくなかろうと考えます。
そこで、「2012年度事業計画に関わる2012.04.10付帯決議」提案の背景について説明しておきます。

同決議案の間接的背景は「見逃されてきた真実  2012年4月4日 」にありますが、直接的には「士協会会長会議:2011.11.01 」において端的に認められた、新スキーム改善問題について全国47都道府県士協会会長の理解があまりにも隔絶していること、その後、執行部が全国各地の地域連絡協議会に赴いて度重なる説明を行ったにもかかわらず、その理解の隔絶は埋まるに至らず、2012.04.09開催の全国士協会会長調整会議においても双方の主張は並行線を辿ったことにあります。

鑑定士協会連合会は、新公益法人並びに連合会に移行したばかりであり、2012年度は新体制の定着と円滑な運営が何よりも重要かつ不可欠な課題であるにもかかわらず、多くの士協会会長すなわち新体制の理事と現執行部の対立を放置したままに船出することは許されないと考えるのです。 第一次改善案に示される改善の総論は誰も異を唱えるものではないでしょうが、その各論においてあるいは方法論において、双方の意向・思惑が隔絶したままに放置されてはならないと考えるのです。

さて、然は然り乍ら、2012.04.10付帯決議案は、現執行部及び多くの士協会会長双方に誤解を生じている可能性が否定できません。 いいえ、誤解が生まれているであろうと承知しています。

《現執行部にあるだろう誤解》
提案は、多くの士協会会長並びに「2012.04.09提案」に迎合するものである。 迎合するだけでなく、一次改善を骨抜きにし遅滞させるものである。
《少なからぬ士協会会長にあるだろう誤解》
提案は、事例資料等に関わる士協会管理の持続を容認するモノであり、好ましい。

上記の双方に存在するであろう認識は、誤解です。決議案を正しく理解するものではありません。 その理由は幾つも挙げられますが、主なものだけを示しておきます。

  1. 決議案の大前提は、全国21に及ぶ士協会並びに連合会会員数の3/4に及ぶ会員が、現REA-NETを施行していることです。 ただし、現行REA-NETは『鄙からの発信』が何度も指摘しているように、ネットワーク本来の運用が為されておりません。早急に本来あるべき姿に糺されなければなりません。 《Rea Netの現状と展望 2012年1月20日 
  2. 執行部提案に基づいて、改善事業を実施した場合には、現状が大都市圏士協会においては今年度中放置され、地方圏士協会においては2013年度中放置されてしまいます。 これは連合会コンプライアンスを揺るがす大問題です。 決して等閑にできないことと考えます。
    《改善案が示す今後のスケジュールと当面の対応》
    「平成24年4月から本会は、管理閲覧システムの開発を開始し、平成24年度中に三大都市及び了解を得た士協会において、その運用を開始する。他の士協会については、平成25年度中に管理閲覧システムの運用を開始する。」
  3. 2010年度までは存在した「いわゆる五次データ」が、2011年度以降は存在していないこと。正しくは存在が許されないこと。 いわゆる三次データ並びに四次データは、地価公示ネットワークシステムのなかに存在し、事実上、既に連合会一元管理下にあること。 しかも一元管理下にありながら、少なからぬ士協会においてはその妥当な閲覧開示方法が示されていないことです。
    《いわゆる五次データなるモノは、会員の使用するPCに残された四次データ及び地図情報を士協会が収集した上で、閲覧開示用に書式等を修正しハードコピーもしくはテキストデータ+イメージデータとして閲覧に供していたものである。 このPCに残された四次データの目的外利用は既に停止されているから、五次データの存在は今や認められない。》
  4. 少なからぬ士協会が主張し、「会長声明(12.04.02)」が容認する「士協会事務所閲覧」は、一次改善案(システム開発のための方針)が示している如く、その妥当性に関わる疑念が払拭されておらず、「各種法令との適合性」を速やかに検証する必要があります。
    《この検証こそが、かねてより『鄙からの発信』が提唱するリーガルチェックの実施である。疑念が呈されているのにリーガルチェックを実施しようとしないのは、コンプライアンスを疑わせる何ものでもない。 新公益法人移行ということは、事業公益性が根幹にあるが、同時に事業並びに運営の公開性や適法性・倫理性が求められるのであり、高い自律・自己規範が求められるのである。》

2012.04.10決議案は、以上四項を背景とするものであり、H24事業計画案5-4項が示している「情報安全活用体制が未整備の士協会への推進とそのフォローアップ」が速やかに図られなければならないと考えるモノです。 「未整備士協会への推進」とは、現行REA-NETの普及を意味していると考えます。 「フォローアップ」とは、現行REA-NETの糺されるべき事項を早急に改訂することにあると考えます。 いわば、走りながら考え実施することに似ていますが、「事例資料の安全管理担保と透明性確保」において、失われた五年間を取り戻す為にはやむを得ないことと考えます。

繰り返しになりますが、問題の存在を指摘されてからでも、既に一年余が経過しました。さらに一年、二年の空白を容認することは有り得ないと考えます。 しかも直ちに(即日に)実施可能な次善手段としてREA-NETが数年前から準備されているのにもかかわらず、放置することなど認められるはずもないことです。 不毛の議論を繰り返すばかりで、決することなく先送りに終始するのであれば、それは小田原評定と云うことであり破滅への一里塚に他ならないと気付くべきです。

決議案は双方の誤解の上に成り立つ妥協策であることは、茫猿は百も承知の上です。 しかし、この問題は連合会政治的マターです。 誤解、別の表現をすれば異論を残して大同に就くという姿勢も有り得べきと考えます。 現時点では詳しく述べることは避けますが、連合会統治の観点からも、士協会統治の観点からも、双方にとって必要な誤解であろうとも考えるのです。 何を述べているのか、さっぱり判らない蒟蒻問答に聞こえましょうが、今は双方が同じ土俵の上に立って速やかな問題解決にあたるべき時機であると考えるのです。そのことが決議案提出の最大理由です。

総じて斯様な問題は、業界の閉塞感が根底にあり、廉価入札やClient Influence Problemなどに現象として現れており、それらがマイナスのスパイラルや負の連鎖を生じさせていると考えます。 それらの打破は容易なことではないでしょうが、であればこそ思い切ったブレイクスルーが求められているのだとも考えます。 成功体験を持たない「ヨソ者、ワカ者、そしてバカ者」の登場が待たれるのです。 既存のヒエラルキーに安住している役員などは一掃されるべき時なのでしょう。

 

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