中古住宅流通市場

2013.06.28付け 国交省・報道発表資料は次の如く述べている。
《国土交通省では、中古住宅の流通促進・活用のため、中古住宅の適切な評価の普及等に向けた方策等の検討を行うことを目的として「中古住宅流通促進・活用に関する研究会」を設置し、本年3月以降3回にわたる研究会および複数回の勉強会における検討を重ねてきましたが、この度、別添のとおり「中古住宅流通促進・活用に関する研究会報告書」をとりまとめました。》

同研究会のメンバーは委員会構成資料が示すとおりであり、オブザーバーとして金融庁 監督局 銀行第一課が含まれている。また研究会の事務局は、国土交通省住宅局住宅政策課、住宅生産課及び土地・建設産業局不動産業課に置かれている。

同報告書は鑑定業者からの公募ヒアリングも行っており、中古住宅市場育成の為の注目すべき提言を行っている。中古住宅評価について、現行「原価法」に関わる問題点や課題点を幾つか指摘しており、次のようなの記述がなされている。

 《中古住宅の適切な建物評価を目指した評価手法の抜本的改善》
戸建住宅の建物評価は原価法により行われるが、減価修正に用いる耐用年数の設定において、木造住宅の場合、税法上の耐用年数等を参考に約 20~25 年が用いられる。
近年の戸建住宅取引・賃貸市場において、築 30 年以上の物件のウェイトが大幅に増大しており、上記のような評価のあり方は利用実態を反映していない。
こうした評価の影響もあって、日本では住宅投資の累計額より 500 兆円程度下回る住宅ストックしか形成されていないのに対し、米国ではストック額が投資累計額を上回る。
木造戸建は約 20 年で価値ゼロという「常識」が中古住宅流通市場にも担保評価にもいわば「共有」されており、相互に悪循環を招いている。こうした「市場の失敗」を是正するために、原価法を抜本的に改善し、建物評価の適正化を図ることが必要。

この指摘は、不動産鑑定評価基準・原価法に対する真正面からの指摘と云うよりも揶揄にちかいものがある。 鑑定業界において、中古建物評価の問題点が意識されていなかったわけではないが、改善の努力が等閑《なおざり》にされてきたことは否めない事実であろう。 それを業界所管庁・国交省土建局と、金融庁から公開文書で指摘されたことの意味を重く深く受けとめなければならないのであろう。 また、同報告書資料編ではこのような記述もある。

鑑定評価基準においては、「耐用年数に基づく方法」と「観察減価法」の併用や、経済的残存耐用年数に重点を置くべきとされているが、鑑定実務においては、それらを実施するための判断材料がなく、耐用年数と経過年数の関係から、残価率を設定することが多い。
その際に参考にするのが、税法上の耐用年数である22年であり、鑑定士の判断で20年又は25年と設定するのが一般的。
「青山リアルティ-・アドバイザーズ㈱からのヒアリングに基づく:中古住宅・リフォームトータルプラン検討会のために行ったもの。(補助事業により公募・実施)」

《同時に、同報告書資料編では以下の記述もある。》
既存ストックを資産として活用させていくには、インスペクションの結果や瑕疵の有無等を十分に把握して精緻に価格評価に反映していくことが重要で、専門家同士の連携により精緻な評価を行えるようにすることが重要である。このためインスペクション《中古住宅診断》会社と不動産鑑定業者 との連携や、不動産鑑定士による不動産鑑定評価を、公正・中立的な第三者的立場からのセカンドオピニオンとして不動産取引に活用することや、適正な担保評価に活用することが考えられる。

さて、どうする鑑定士協会連合会!

※青山リアルティ-・アドバイザーズ㈱

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