師走の朝は雨

今年の暮れは、例年になく雨の日が多いような気がする。 夏は猛暑だったし雨の少ない秋季だったせいか、12月になってからは雨の日がとても多いように思う。 今朝も雨になっている。雨の日は畑仕事ができないし、雨が上がった翌日も畑はぬかるんでいるから野良仕事は出来ない。 風邪をひくといけないからとか濡れてまですることもないとか理屈を付け、そんな日を一日ダラダラと大手をふって過ごすのである。 昨年の12月はどんなだったろうかと、一年前の記事を読み返していたら、こんな記事に出会った。

2012.12.22付け「進化するGIS」と題する記事のなかで、読者からよせられた投稿の一節である。

このようなITによる情報のコモディティー化が進む中で、専門家としての存在価値は、情報を収集、集約化し、わかりやすい形で表示することはもちろんのこと、個々のデータから明示されていない行間や因果関係を読み、またそれを予測や世の中で発生している問題解決にあたり説得力がある形でどのように生かしてゆくのかということなのだと思います。

改めて我が意を得たりと思いつつ、先日の士協会宛上申書を思い出した。 茫猿は2013年2014年の二年間、士協会理事の末席にいる。 もう現役を引退して時間が経つし、歳も歳であるから理事就任は辞退したのであるが、空席穴埋めということで引き受けたのが、今年四月のことである。 引き受けはしたものの、理事会に出ることなどは無かったのであるが、呼んでも出てこないという陰口も聞こえてきたから、年に一回くらいはと12月理事会に出席したのが先週のことである。

出席はするけれど、沈黙を守っていようと考えていたのだが、事例の管理閲覧などなどの議題にいたって、ついつい口を開いてしまい、若い同輩理事たちを鼻白ませてしまったのである。 開催時間に限りもあり議論は中途半端になってしまったから、のちほど士協会イントラネットを使って、自らの意見を補足具申する上申書を提出したというわけである。

上申書の大意はこういうことである。

「上申事項 公的評価に関わる事例閲覧制度について」
新事例閲覧制度の最も重要な部分は、公的評価《なかでも固定資産税評価》に関わる事例閲覧であると考えます。
(1)設置が要請されている固定資産評価員会議を公的土地評価委員会に代わる(または表裏一体組織として)士協会組織と位置付け、岐阜県土地評価協議会(固定資産税にかかわる県所管課、同じく市町村所管課代表、士協会代表で構成される組織)と有機的かつ一体的運用を図る。
(2)固評業務全般について、士協会による事例閲覧配布というデータ配布から固評結果及び関連資料等データの集約までを一元管理し、各種データの共有共用を目指すべきと考えます。
(3)固評評価員会議をオーソライズし弾力的かつ能動的に運営してゆくことは、定款に掲げる公益事業としての固評事業運営にも資するものと考えます。

この上申書の意図するところを詳しく述べれば、次のようなことである。
昨今話題のマスデータ解析との関連から云えば、事例データ(三次事例データ)に附随する地理情報《緯度・経度情報》並びに地形図情報《切り取り以前のA3図面情報》がとても重要であろうと考える。 その観点から、地理座標情報に加えて、以下の二種類の情報について早急に整備を始めるべきと考えるのである。

(1)地形図のアーカイブ
地形図をA3図面のままでアーカイブ化する方法は、士協会イントラネットによるイメージデータファイルとして集約すれば宜しかろう。

(2)現地写真
事例地の現況写真、なかでも中古建物の現況写真アーカイブは早急に整備されるべきであろうと考える。 調査時点現況写真は中古住宅市場活性化事業とも深く関連するものになろうと考えるし、事例不動産固有の経緯を記録する上でも、配分法の事後検証を行う上でも、貴重な資料になろうと考える。 昨今のスマートホーン内蔵カメラで撮影した写真ファイルはそのプロパテイ情報として、緯度経度、撮影日時を自動的に保持するものであり、Google Picasa webなどのSNSを利用すれば簡単に集約・共有することが可能である。 もちろん、士協会イントラネットによる集約・共有も検討できるであろう。

総じて、データの解析手法を確立することはとても重要であるが、その前に解析に足りうるデータを集積することが求められのであり、そのシステムを形成することが重要なのであろうと考える。 表現を変えてみれば、このように考えることはできないだろうか。 紙情報のままに保存されている地形図情報についても、簡単に取得でき一部会員のみが部分的に保存している写真情報についても、そのままでは価値の低い情報の山にしか過ぎない。 しかし、適切に分別収集して保存されれば有効な不動産情報と変わり得るのである。

この上申書が陽の目をみることはないだろうし、茫猿がさらに補充したり、ものを云うこともないだろう。 だから、地価公示業務の繁忙期のなかに埋もれてゆくのであろうと思っている。 日々の業務に追われている多くの鑑定士にとっては、三次データ(原初事例データ)よりも四次データ(地価公示事例データ・閲覧提供データ)が重要なのであり、それでなくとも業務負担の重さを感じている三次データ調査業務に新たな作業を加えることは論外なのであり、その必要性を考えることもないのであろう。 データの集積に必要な時間経過などというものを言い立てることさえも耳障りなことであろうと思っている。 と云えば雀百までであり、またまた茫猿の繰り言になってしまうのである。

《《閑話休題》》
衆議院選挙そして参議院選挙で大勝した安倍自民党が独走を始めている。 下駄の雪と云われて久しい公明党はもちろん、維新の会もみんなの党もいずれ擦り寄ってくるとタカをくっているのであろう。 両選挙の公約に欠片もなかった「特定秘密保護法」、「集団的自衛権」、「原発再稼働」、「軍備費増強」そして「公共事業費復活」を次々と強行しようとしている。 右旋回が甚だしい政治の有り様を中道に戻さなければいけないのだが、当面は国政選挙はないのであり、為す術もないという状況である。 でも、声を挙げることを忘れてはいけないし、昨今の強行右旋回もしっかりと記憶に留めておかなければいけない。

強行採決のあとで、「もっと丁寧に説明すべきだった。」などと、シレット言う安倍総理、ナチスの例をひいて涼しい顔の麻生副総理、テロとデモを混同する石破自民党幹事長などの言動を忘れてはならないのである。

 

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