安倍総理の真意

国会中継を見ていたけれど、総理の答弁は長いだけで何を伝えたいのか皆目判らない。「集団的自衛権行使に、イラク特措法等2条2項に規定する自衛隊の海外派遣に際して、①海外で武力行使はしない。②戦闘地域には派遣しない 以上二項の歯止めは維持するのかしないのか?」という質問に対して、長々と答弁をしたが、結局維持するとも維持しないとも答えず、検討を重ねてゆくと答えたのみである。

イラクにおける人道復興支援活動及び安全確保支援活動の実施に関する特別措置法」の第二条2項とは。
第2条2項 対応措置の実施は、武力による威嚇又は武力の行使に当たるものであってはならない。
同3項 対応措置については、我が国領域及び現に戦闘行為(国際的な武力紛争の一環として行われる人を殺傷し又は物を破壊する行為をいう。以下同じ。)が行われておらず、かつ、そこで実施される活動の期間を通じて戦闘行為が行われることがないと認められる次に掲げる地域において実施するものとする。

総理が目標とする本来のところは、石破自民党幹事長、岡崎安保法制懇メンバーなどの発言に如実に示されているものであろう。すなわち歯止めや制約のない集団的自衛権の行使容認・解釈改憲であろう。つまり海外で戦闘行為の行える自衛隊に転換することであろう。

しかし、連立与党・公明党の根強い慎重姿勢、自民党内にもようやく聞かれるようになった慎重姿勢などに配慮せざるをえない状況となってきたようである。世論の反対や慎重姿勢も影響しているのであろう。

だから、総理は前掲の歯止め撤廃には言及することなく、「具体的に何が武力行使と一体化する行為なのかを明確にすることは今後の検討課題の一つだ」と述べるとともに、「非戦闘地域という概念も含めて与党で協議をいただきたい」とはぐらかし答弁をして、自衛隊の活動場所を広げる可能性にも言及するのである。

安倍総理は、基本的に憲法改正・自主憲法制定を目指す政治家であるが、自分の任期中には改正発議がとても困難であると認識せざるをえないことから、解釈改憲に方針転換し、次いで集団的自衛権容認論も部分的容認論へと転換してきたものと考えられる。しかし、総理の真意は憲法改正であり、制限なき集団的自衛権容認であろうことは明白であり、とりあえずは部分あるいは制約付き集団的自衛権容認という突破口を開くことに道を求めたものと考えられる。

それは個別自衛権と集団的自衛権の狭間にある、いわゆるグレーゾーンにお墨付きを用意するということであり、解釈改憲に道を開き、将来の拡大解釈に道を開こうとするものであろう。国会審議のこれからを注目してゆきたい。

※思考の参考としてリベラリストの意見を二つあげておく。
白川勝彦:永田町徒然草:憲法9条の“骨太な解釈”
内田樹:内田樹の研究室:赤旗日曜版のインタビュー

《今日、奥西勝死刑囚の八度目の再審請求が棄却された。彼は実に50年余も死刑囚として獄中にあり、最近は危篤状態にあるという。再審請求棄却が法理論的に正しいとしても、何とかならないのかと思わされる。 例にひくのはふさわしくないかもしれないが、PC遠隔操作事件の片山容疑者のように、弁護士をはじめ少なからぬ人々にえん罪ではと思わせておきながら、お粗末な自作自演劇で馬脚をあらわしたような人物もいるから、この種の問題は一筋縄ではゆかない。》

《話変わって》今日の初物収穫はスナップエンドウとニンジンの抜き菜である。ともに生食OKであるが、さっと塩茹ですると甘みがあってとても美味しいものです。スナップエンドウはサヤエンドウと違い、サヤもマメもいただくエンドウである。ニンジンは指の太さくらいの間引き物である。根の部分だけでなく、葉も茹でていただく。農作業を始めて知ったことであるが、間引き野菜はとても旨いのである。これは自作自菜なればこそのことでもある。hatumono

今夜の主菜はこの初物茹で野菜にポン酢を薄くかけていただく。副菜はこれも稔り始めた春蒔き大根と油揚げと鶏肉の炊き合わせ、箸休めは先頃収穫した山椒の青い実を使って作ったチリメン山椒である。豪華さはかけらもないが、心豊かさだけは溢れていると自賛する茫猿なのである。

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