日本列島全体が雪に覆われた今朝である。北海道や日本海沿岸では雪害や台風並み低気圧の被害も生じているが、鄙里の雪の朝は静かである。雪が車の騒音などを吸い込んでしまうだろうし、鳥たちも泣き声をたてないからだろう。陋屋の前を除雪作業車のキャタピラー音が通り過ぎてゆくだけの朝である。
歳末狂騒曲となった総選挙も予想に近い結果をもたらして数日前に終わった。選挙後の感想を記事にしようと思っているうちに、隣家に葬式ができて間延びしてしまった。自民党は三百議席には至らなかったが、公明党と合わせて三分の二以上の議席を獲得し、民主党は議席数を少し延ばしたものの海江田代表を落としてしまった。共産党は大幅躍進し、維新も改選前議席数をほぼ維持した。みんなの党は選挙前に自壊し、次世代の党は自民党の右旋回があまりにも明らかになった結果、その存在理由を失ってしまった。生活の党は小沢代表の賞味期限切れとともに、これも存在理由を失ったといえよう。沖縄県では四つの小選挙区で自民党は全敗したが、比例区では九州ブロック小選挙区大勝の結果として全員が復活当選した。
各党の比例区獲得票数をみると、自民党は1765万票(前回比+6%)、民主党は977万票(前回比+1.6%)、維新の党は838万票(前回比−32%)、公明党は731万票(前回比+2.8%)、共産党は606万票(前回比+65%)である。
維新は前回の風部分《無党派層》が消え、民主党も前々回の風《2984万票獲得》には遠く及ばなかった。 この結果はこうも読めるのである。つまり、民主と維新を合わせれば自民党を上回り、公明と共産も拮抗するのである。 自民公明が共闘する小選挙区で自民党を倒すためには相当の秘策が求められるけれど、比例区の各党獲得票数をみれば不可能な数字でもないということである。
小選挙区の結果は自民大勝であるが、よくよく数字を眺めてみれば、自民党の師走解散・総選挙戦術が戦術としてのみ優れていたのであり、国民のバランス感覚というものは結構確かなものであるということもできる。
52%強という戦後最低の投票率は、いわゆる風部分《無党派層》の多くが棄権する結果を示しているのであろうが、逆の見方をすればこれら棄権者層:無党派層を投票所に足を運ばせるだけの政策やアピールを示すことができれば、無党派層を獲得できるということでもある。 容易なことではないし、奇策や秘策があるわけでもなかろう。 地道な努力あるいはカリスマ性あるリーダーの出現が待たれる。 しかしながらカリスマ性あるリーダー待望論は危うさを含む覇道であり、やはり今後数年間の地道な努力というものこそ政治の王道なのであろうと考える。
年が明けると民主党代表選挙が行われる予定である。野党勢力を結集し、大きく右旋回した日本政治を中道寄りにあるいは中道左派寄りに正してくれる、そして三年後四年後の総選挙を見据えて立て直しを図ってくれる代表者の選出を期待したい。
一時、青空が覗いていた空も、また雪が降り出した。今や雪道をタイヤチェーンを巻いて岐阜の事務所へ出かける必要も無い茫猿である。風呂を用意して雪見風呂に雪見酒と洒落込みたい気分もあるが、家人の冷ややかな視線を考えれば、今日一日、モニターの前でネット泳ぎでもして過ごすとするか。
陋屋の雪景色を楽しんでいる。《雪見酒、雪見風呂であればなお佳し》
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