梅一輪、それでいいのだ

三寒四温というにはまだ早いが、一月も大寒を過ぎれば、鄙里の其処彼処に春の訪れを感じる。 朝起きれば昇ってくる太陽の出処が、日毎に東南方向から東北方向に移っている。昨日と今朝ではその変化は判らないけれど、冬至の頃と比べればあきらかに北によっている。朝陽の温もりを浴びていれば、風の冷たさがさほどに苦にならない、「梅一輪、一輪ほどの温かさ《服部嵐雪》」を感じる朝である。

桜のつぼみが膨らんでいるのが確かめられ、コブシやマンサクのつぼみも春近しを感じさせる。 秋から冬にかけては日毎につのってゆく寒さを感じるが、冬から春にかけては、伸びる日射しに寒さのやわらぎを感じる。身体が寒さに馴れていることも大きいだろうが、日射しの強まりも寒さよりは温かさを感じさせてくれる。

現役の頃は、ふと気づけば春近しを感じていたが、今は毎朝眺める昨日と変わらない何の変哲もない景色のなかに、小さな移ろいを見つけて楽しんでいる。 日々の野良仕事だって、少しずつ春を迎える準備を始めているのである。冬来りなば春遠からじである。

鄙桜のつぼみは赤みを増して膨らんでいる。150123sakula

マンサクのつぼみ。150123mansaku

うぶ毛が朝陽に光るコブシのつぼみ。150123kobushi

先日、一輪咲いたきりで後は蕾めじろ押しのロウバイ。150123roubai

そして、ほころびはじめた紅梅一輪。150123ume

シリア内戦地域ではふたりの日本人が拘束され巨額の身代金を要求されている。この二人がなぜ内戦地域に潜入し拘束されたのか、巨額身代金要求の真偽、そもそもイスラム国なる呼称そのものが妥当なものか否か、血なまぐさく判らないことばかりの事件である。石油価格は暴落に近い状況にあるが、暴落があれば暴騰もあり得るのだろう。市場価格が下落するなかでも減産しないOPECの意図は?、シェール石油革命の行方は?、何やらキナ臭い話ばかりのなかで積極的平和主義を唱える安倍総理の今後は?

堀江貴文氏は、グローバリズムによる格差拡大と云うが、ジンバブエの個人所得と日本の個人所得の格差は縮まっており、それがグローバリズムの成果だと云う。富裕者がさらに富裕になるのはケシカランなどという感情論には組しないとも云う。それも一理あるかなと思えるが、相続税や所得税の累進課税は感情論なのか税制論なのか聞いてみたい。

そんなこんなの世間の喧噪を他所にして、春の息吹を探している茫猿の長閑さを、読者がどのようにお感じになるのかと思わされている。 赤塚不二夫流に申せば「ソレデイイノダ」なのである。

 

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