不安、不審、不信 そして不振

参議院における安保関連法案審議が面白くなりつつ有る。やたらと不安を煽っているとしか思えない、自民党議員並びに追随するどころか右旋回を主導する友党議員質問には呆れている。 北朝鮮並びに中国への不審不信を煽り、日朝、日中間が事を構えるのを期待するが如き、好戦的挑発的質問であり意見表明であることをとても憂うのである。

野党第一党の質問は相も変わらず隔靴掻痒なのだが、共産党並びにミニ政党の質問には唸らされる。伏線の張り方が巧みであり、今後どのように内閣を追い詰めてゆくのか期待されるのである。カーラジオで国会審議の中継を聞いていると、思わず知らず車を止めて聞き入る時が有る。お疲れと不機嫌さが顔に出ている安倍総理を、上回るデイペート力だと感心することしきりでもある。

理解力が低い茫猿のような老人にもとてもよく判ることがある。しかも大事なことである。かつての政府答弁は紋切り型とか素っ気ないなどと批判されたものである。昨今のというより、今回の安保関連法案審議《別名戦争法案審議 or 違憲法案審議》でとても目立つことが有る。

質問通告を受けている質問事項に対して、正面から答えないのである。はぐらかし、すり替え答弁に終始し、問題の核心から遠ざかる概念論や抽象論を延々と繰り返す答弁に終始している。官僚が用意した無意味内容空疎な答弁書を無表情に読み上げるだけである。そしてそのことにより、質問者の持ち時間をいたずらに消費しようと云うのである。

こんな審議を聞かされ、見せられている国民が何を感じるだろうかと懸念する良識すら既に失っているのであろう。長々とハグラカシ答弁を聞かされ「能弁なれども意味不明、早口にして時々舌足らず」な答弁を聞けば聞くほどに、安倍総理への不安不審が募るばかりである。そして総理への不信が増し、総理の不振につながってゆくのであろう。

折しも、東京高裁は厚木基地騒音訴訟の控訴審判決で自衛隊機の飛行差し止めを認めたのである。同時に米軍機については「国の支配の及ばない第三者の行為の差し止めを請求するもの」として訴えを退けたのである。米軍機については物申すこと叶わず、騒音被害がより低い自衛隊機に付いてのみ夜間飛行の差し止めを認めると云う、市民感覚&庶民感覚からすれば納得できない判決に終始する日本国司法、そしてそれに気付きながら何ら手を打とうとしない日本政府と日本国会なのであることを、白日のもとにさらけ出したのである。

日米安全保障条約並びに日米地位協定というものは、沖縄における米軍基地の治外法権ぶりだけでなく《これもとても許されないことであるが》、首都圏においても米軍基地の治外法権ぶりが放任させている事実を明々白々にしたのである。

地位協定の見直し是正を交渉のテーブルに揚げることができない安倍総理並びに日本政府であるのに、米軍と集団自衛権を行使するという。その実態は戦闘参加ではなく後方支援だとひたすら言い募っているけれど、後方支援の実態はロジステックであり、軍事におけるロジステックとは「兵站であり、武器弾薬、兵糧、兵員の輸送」なのである。これを戦闘行為と呼ばずして何を戦闘行為と言うのか。 旧日本軍大本営は「転進」という言葉を多用した。 曰く、「忠勇なる我が精鋭はアッツ島からサイパン島へ転進せり」というが如きである。敗退と言うを嫌い、転進すなわち転じて移動したと糊塗するのである。安倍総理が兵站活動を後方支援と云うが如くである。

しかも後方支援には、もっと肝心なことが隠されている。「支援」と云う言葉は善意で援助してあげるという意味で使われる。3.11被災者を支援と云うがごとしである。しかし、米軍の後方支援の実態は米軍の要請《ほとんど要求であろう》により、米軍の指事指揮のもと、武器弾薬、兵糧、兵員を補給基地から前線物資集積地まで輸送させていただきますということであろう。 いかなる米軍の戦闘場面であれ、日本のご都合が許される訳は無かろう、戦場並びにその後方地域においてそんな悠長さが許される訳も無い。

3.11に限らず、幾多の災害派遣で見せてくれた自衛隊の若者諸君の奮闘ぶりを、実際に目の当たりにした茫猿であればこそ、彼らを「そんな訳の分からない戦場へ」送り出そうとする安倍総理並びに日本政府が許せないのである。 派遣《派兵》の客観的条件が曖昧であるから、ジュネーブ条約が自衛隊諸氏にどのように適用されるのかすら明らかに出来ていないのである。

専守防衛に関わる危機存亡事態が起きれば、武器を手にすることは無理としても、茫猿老いたりと云えども、将に後方支援に身命を賭すことであろう。それこそが家族を慈しみ、郷土を誇りに思い、ひいては日本《にほん》をいとおしく思う由縁なのである。原発輸出のトップセールスを行い、武器輸出を解禁し、特定秘密保護法に守られようとする安倍総理にいかなる覚悟有りやと問うのである。

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