毎年々々、八月が巡り来れば、忘れてはならない数字が、6と9と15です。
・8月6日は、広島の原爆忌
・8月9日は、長崎の原爆忌
・8月15日は敗戦慰霊の日(終戦記念日という言い換えはあえて避けます) 八月ではありませんが、沖縄戦終決の日とされるのは六月の二十三日です。
八月十五日はお盆です。 私にとってのお盆は、八月の盆であり、新暦七月の盆はいっこうに馴染めません。 昨日は中村君の奥様から忌明けのお印しが届きました。数えてみれば五七日明けです。七七忌も新盆もまぢかです。早いものです。彼への哀切の思いも、澱のごとく積み重なる日々の由無しごとのよどみの中に埋もれてゆきつつあります。
彼を思い出すことが日々少なくなってゆくのは如何ともし難く、然れども、であるが故にこそ救われているとも思います。今年の盆は中村の新盆であり、村北の三年忌、父母の六年忌、弟の八年忌、古田大兄の十年忌、田辺大兄の十六年忌、他にも叔父叔母従兄弟、数多の友人知人などなど亡き人々を偲ぶ時です。
松田君がこうも言った。
「それにしてもあの世にいる肉親、親戚、友人、知人の人数がこの世にいるその人たちと変わらなくなって来ました。また冥土で先に行った人達と楽しく過ごせるなら、そのうち行くのも悪くないと思っています。」
懐かしくも会いたくも思える人が、此岸よりも彼岸に多くなったと感じるのは、八月に入るとともに陰影が濃くなった木立の陰から聞こえてくる蝉の声のせいだけではなさそうである。
然は然り乍ら、去年よりお盆は孫娘が遊びに来るのを待つ日ともなりました。庭の樹立ちを苅り揃え、仮設プールを設えて今や遅しと待ちわびるのも、此岸に居るが故の澱であり淀みでもあるのです。
今日のBS映画は、井上ひさし原作、黒木和雄監督、宮沢りえ主演 「父と暮らせば」である。原爆忌にささげる映画なのである。今週のBS映画ラインナップは、「黒い雨」、「戦場のメリークリスマス」、「ビルマの竪琴」、「火垂るの墓」と続き、14日は「壬生義士伝」、「地獄の黙示録」、15日は「日本の一番長い日」、16日は「肉弾」と続く、見逃せない日々でもある。
「父と暮らせば」の宮沢りえさんが佳い。ヨルタモリで「ホワイトレインボー」のママを務めている”りえさん”が佳い女になってきたなと思っていましたが、2004年制作のこの映画での宮沢さんは既にとても佳い女だったのだと、改めて気付きました。父親を演じる原田芳雄さん《2011年没》も佳い。見終わってすぐに井上ひさしさん《2010年没》の原作が読みたくて、乃南アサさんの晩鐘と併せてオーダーしました。 劇中に挿入される丸木美術館の原爆図も必見である。 原爆忌レクエイムとしては、「黒い雨」と並ぶ秀作だと思う。
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