iNet文化の高齢化

FaceBookやTwitterの利用者層が高年齢化していると聞く。具体的なデータを目にすることは無いが、茫猿の身の回りにおける利用者の推移は明らかに高年齢化を示しているように思われる。だいたいにして、iNet文化なるものは若者が飛びつき育て、徐々におとなたちが染められてゆくと云う経緯をたどっている。何よりもパソコンの利用者、スマホの利用者がその実情を如実に表わしていると実感させられる。

若者たちが、若者言葉でおとなや年寄りを排除した独自文化を形成し、しばらくすると面白さに惹かれたおとなや既成エスタブリッシュメントが”おずおず”と加わってゆくのである。一番判り易い例が顔文字であろう。顔文字が文書マナーに反すると毛嫌いしていたのは既成エスタブリッシュメントたちだった。今や、場違いに若者気取りで顔文字を使う大人が増えている。すると、若者は独自世界をつくる新しい顔文字や絵文字を開発してゆくのである。《このあたりは、茫猿などには意味不明な、省略語や若者言葉文化にみごとに示されている。》

FaceBookやTwitterに飛びついたのも若者だった。FaceBookを開発した発明者そのものが学生だった。面白さや便利さに気づいた年寄り《若者世代以外の年長者》が新たに参入してくると時を同じくして、企業も参入してきた。すると若者《中高生及び大学生など》は、FaceBookをうざとく感じるようになり、Lineへ流れて行くのである。LINEに飽き足らない思いを抱く人はInstagramへ流れてゆくのであり、なかにはFoursquareに流れたり併用したりする人もいるだあろう。ミクシー《Mixi》を離れ難い人も少なくないであろうが、ミクシーも高年齢化が否めないものであろう。

ポケベルはついぞ使わなかったし、スタンドアローンでのパソコンは早い時期から使い、ネット接続も早かった茫猿であるが、タブレットには馴染めずスマホの利用を始めたのも遅かった。 今やNIFTYPC-VANなどというサービスや実態を知る人はとても少数派となってしまった。 茫猿にしてもipadは購入したけれど、習熟には至らなかったし、iphoneも三年ほど前から利用を始めたものの、スマホでのiNet検索の利用頻度は未だにとても低いのである。Mac Book Airだってビジネスに使ってた期間はわずかで、すぐに家人に払い下げてしまった。

FaceBookやTwitterにしても、未だに殆どの受発信をPCから行っており、スマホ経由は利用場面が限られている。WiFiの利用頻度もリタイアの身であるとはいえ高くない。《無線ランとしての自宅WiFiは別物として》そんなiNet事情ではあるが、FaceBookやTwitterに高齢者の参加が多くなると云うこと《高齢者のなかに市民権を得てきたということ》は楽しいことでもある。

長らくお会いする機会を得なかった方、ひよっとすると今生ではお会いできないかもしれぬ方がFaceBookに登場してこられると懐かしく嬉しく楽しくて、ついつい友達リクエストを発信してしまうのである。そうして、高齢者がシェアの多くを占めるようになったFaceBookは「おとなのオモチャ」化してゆき、益々若年齢者を遠ざけてゆくのである。

別の表現をするのであれば、若者たちが創造し開発し発展させた文化的シェアにおとなたちが参入することにより、成熟化させると同時に陳腐化も進めてゆくのであろう。離島に暮らす息子の説によれば、スマホを利用する最初の殺し文句は「都会に住む孫と顔を見合わせ会話が出来る。」と云うものだったそうである。茫猿だって、都会に住む一歳児だった頃の孫とFaceTimeで初めて会話にならない会話をするのはとても楽しかった。

鳴り始めた電話の受話器を取り上げる時の緊張感とか、「忠犬ファックス」などと云う言葉は今や死語に成ってしまっている。未だにファクシミリが重用されているのは、役所くらいだとも聞く。一般の現場ではカラーで送受信でき写真の鮮明度も汎用度も高い、デジタル送受信が主流であるとも聞くのである。草深い鄙にいてビジネスの現場からは日々遠のいている茫猿であるから、今の実態は側聞や伝聞でしかないのだが、FaceBookに新たに登場してくる人たちを眺めていると、そういった感覚がさほどに的外れではなかろうと思えるのである。

FaceBookを席巻しつつある高年齢者層がLINEに移ってゆく頃に、若者たちが独自の圏域を構成し自らが存在感を示す新しいiNet文化ツールはどんなものになっているのであろうかと想像するのである。

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