茫猿は西美濃南部の鄙里に棲む髭爺である。我が鄙里の北方約30kmには西国三十三カ所巡りの結願札所である谷汲山華厳寺が存在している。 四国八十八ヶ所巡りも考えてみたが、最近は足弱になった同伴者の理解が得られないので、自家用車の利用が可能で何回かに分けて順不同の巡礼ができる、西国三十三カ所巡りを思い立ったと云うことである。
特に仏教信心が深い訳でもないけれど、年を重ね日常に余裕ができた今こそ、無事に過ぎ去りし日々に感謝し、今も健康で巡礼できることを御礼し、亡き娘や父母、そして弟や義父母の菩提を祈って廻ろうと考えたのである。もちろんのこと信仰心からという殊勝な心根だけであるはずも無いので、行く先々で名所観光もしようし、旨いモノもいただこうと考えている。煎じ詰めて言えば、老夫婦の暇つぶしと揶揄されても仕方ない企みである。iNetでは礼式に則った参拝法も解説されているが、仏様や観音様がさほどに四角四面で融通の利かない方とも思えないから、礼を失しない程度に床しくお参りしようと考えているところである。
思い立ったが吉日とばかりに、力任せに一気呵成に廻ろうとは思わない。それぞれの寺院や付近の観光地が風光明媚で旨いものが溢れている季節を選んで、年に数カ寺程度を目処に数年をかけて廻ろうと考えている。満願結願は当然のこと谷汲山華厳寺であるが、一番札所である那智山青岸渡寺だけは離れているし、いつの季節に参るのか思案のしどころと考えている。
三十三カ寺を縦軸にして、付近の寺社や旧跡それに博物館や美術館を横軸にして廻りたいと考えている。桜の季節、若葉青葉の季節、紅葉の季節、時には雪の季節も趣き深くて佳いかもしれない。いつから巡り始めようと決めているわけではない。今年は長期旅行をしたばかりであるし、しばらくは出かける気にもならない。しかし、西国三十三カ所巡りをしようと決めていれば、何処かに出かけたいと思った時に行き先に迷わなくて済むと云う話でもある。
和歌山、奈良、京都、大阪、兵庫そして滋賀、岐阜の近畿6県と地元岐阜県にまたがる三十三カ所であるから、追々に巡ってゆけば五、六年もすれば廻りきれるだろうと云う話である。言ってみれば老い深まりつつある人生の道しるべの一つみたいなものである。 ところで、このサイトの記録を確かめてみたら、谷汲山華厳寺には2009年4月11日に参拝していた。記事によれば、その時にも西国三十三カ寺巡りを話題にしている。それから六年経ったが、未だ発願途上のままなのである。
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