H28ちかこうじ

H28地価公示価格が公表された。お彼岸を迎えたことや孫たちが帰省していたことにまぎれて、少しも念頭に無くてテレビ報道を見て、そうだ今日が公示価格公表日なのだと気づく始末である。よせばいいのに、FBに駄句を投稿してしまった。
※ちかこうじ テレビにて知る 閑居哉
※ちかこうじ まだら模様の アベミクス 《茫猿駄吟》

行きがかりから、土地総合情報ライブラリーを見ていたら、二つのグラフが気に懸かったのである。一つは都道府県庁所在地の商業地「最高」価格  であり、もう一つは主な都市における商業地の「最高」価格の推移  である。

前者は各都道府県庁所在地の最高価格と前年次価格を示すものである。東京23区を筆頭にして六大都市などが続くグラフであるが、東京から地方へ向かって見事な下降曲線を描いている。東京がダントツで(40,100千円/㎡)、最下位の鳥取市は前年次より下落して(140千円/㎡) である。地価水準にして鳥取は東京の 0.35%である。

東京の一極集中を示すものであり、特に論評の必要などなかろう。東京区部や一部大都市のJR基幹駅周辺において、このバブル的地価上昇は2020年まで続くであろうと予測されているが、2020年以降の変動がいまから危惧されるところである。

後者は23特別区、大阪市、名古屋市、福岡市、仙台市、広島市、札幌市における商業地の「最高」価格の推移を示すグラフである。ここでも東京23区とそれ以外では大きく異なるグラフを描いている。東京23区はH03年の最高水準を上廻っているが、他の都市ではH03年当時の1/3程度の水準に止まっている。ここでも(銀座などの)インバウンド効果が大きな要因としてあげられている。

インバウンドによる爆買い効果も源を糾せばアベノミクス円安効果である。超金融緩和がもたらしたREIT上昇による都心の地価上層と思えば、何やら薄ら寒くなる。爆買いもマイナスの影響がささやかれるし、中国経済の踊り場突入説も大きくなってきた昨今である。果たしてこの都心地価バブルは、2020年まで持続し得るだろうかと思えてくる。

東京の地価に比較すれば、地方圏域での地価水準は著しく低く、地価上昇率もみるべきものはない。若干の地価上昇が認められたとしても、上昇額絶対値でみれば東京上位価格域に比較して誤差の範囲程度の額にすぎない。低位水準横ばいもしくは依然として下落地点も多い。ここでもまた、孤り東京地価《資産家》のみ高値を得て万ずの地方枯れる現象である。

日本実体経済の着実な成長を示すものであり、国土の均衡ある発展を示すものであれば、適正な地価成長を慶べるものであろうが、実情はあだ花のように思えてならない。さて、地方創世が叫ばれてからしばらくになるのに、地方創世効果が地価に反映されてこないのは如何なことかと考えていると、事情通がこんなことを教えてくれた。

東京では、観光開発を中心にして町興し村興し企画事業者が猫の手も借りたいほどだと云う。地方自治体では消化しきれないほどの補助金事業が山積みなのであり、補助金消化のための企画立案依頼が引きも切らないと云う。

しかし、企画案を提示して事業化の後はと云えば、安定上昇路線にのるものはわずかであり、施設や設備は残るが事業は衰退または雲散霧消してしまうのだという。過疎化少子高齢化が進む地域での町興し村興し事業の難しさが云えるのだそうである。

以前から町興し村興しは「若者、余所者、馬鹿者」が必須であるという。若者の意欲、余所者による新鮮な発想、馬鹿者《変わり者あるいは普通人の思考範囲を超える者》の持続力と周りの理解力が欠かせないのである。 その意味からは、補助金目当ての東京発の企画案などは有害無益なのであり、人造り人育てに始まる地場からわき起こる地場独自の発想と推進力こそが総てなのであろうが、それがまた一番難しいことなのであろう。

3月16日に東京で開催された「国際金融経済分析会合」で米コロンビア大・スティグリッツ教授は来年4月の消費増税の延期を提言したと報道されたが、政府公表資料を見るかぎり、スティグリッツ教授の消費増税延期に関する記述はどこにもない。アベノミクスにも否定的である。 48頁の教授提出資料はこう結ばれている。

「この道しかない」《政府広報より引用》
• 政府と市場のバランスを取り戻す。
• 政府・民間とは異なる第三のセクターや、新たな制度枠組みの重要性を認識する。
• 緊縮財政をやめる。
• 世界的な基本的ニーズ、世界的な公共財、世界的な外部性に対して、 世界的に対処する。 (気候変動を超えて、世界的な科学基盤を含めるべきである。 底辺への競争を行うのではなく、世界的に生産性向上に務めるべきである。)
• 世界中、全ての人間の生活水準を引き上げる施策に全てを捧げる。
• 進歩に関する指標の世界的な再評価を行う。(評価基準が行動にも影響する。)

《閑話休題》春の花を二つほど。
春先の定番、スミレの花が咲いている。20160323sumire

こちらはカエデの花である。紅い新芽にまじってとても小さな花が風に揺れている。夏過ぎる頃に熟した種は片翼にのって舞い散ってゆく。2016kaede-a

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