桜桃口惜し

桜桃、サクランボのことである。近頃、因幡の友人がサクランボの収穫を孫と楽しんでいるとSNSに書き込んでいた。茫猿は少しばかり口惜しい思いをしているのである。幾つかの果樹を栽培している鄙里であるが、桜桃は無いのである。

全く手掛けたことが無いわけではない。もう三十年以上も前のこと、サクランボの苗木を植えたことがある。数年して花が咲き実を付けたが、梅雨の雨に打たれて総て落果、さらに数年を経ずしてカミキリムシ類に取り付かれ枯れてしまったのである。早朝に家を出て深夜に帰宅するという日々を送っていた最も多忙な現役の頃だったし、日曜もろくに家にいないから”サクランボ”という気難しい果樹の面倒を見てやる余裕も無かった。しかも植えた果樹が”佐藤錦”類の梅雨の多い地域では管理難度の高い品種だった。以後、梅雨の多い当地でのサクランボ栽培は諦めていたのである。

それから云十年、品種改良が進み近年では暖地栽培可能な《梅雨の多い地域でも露地栽培可能な》品種が園芸店に出まわるようになった。町内に住む中学時代の友人もサクランボを栽培して、たくさん収穫していると聞いた。そこで一念発起、昨秋に暖地栽培品種サクランボを数本植えたのである。この木々が花を咲かせ、実を付けるまでに三、四たびの冬を越さなければならないだろう。孫とサクランボ狩りを楽しめるのは、まだまだ先のことなのである。もっと早くサクランボに目覚めていればと口惜しく思うのである。

そこで、悔し紛れに鄙里のサクランボ《桜の実》なのである。20160516outohともにバラ科サクラ属に分類されるサクラなのである。写真はオオシマザクラ《大島桜》の実である。花桜であり、実桜であるサクランボとは近縁種であるから、これも桜桃とは云えないがサクランボ《桜の実》には違いない。小指の爪くらいの大きさの実であるが、濃い紫に完熟した実を食することはできる。負け惜しみ的にいえば、ずいぶん渋いけれどほのかな甘味もある。小さい実の果肉は少なく種子が大半である。F1ソメイヨシノ桜には結実不可能な桜の実でもある。 今ごろはこの実を求めて椋鳥がやってきている。時折はカラスが細い枝を揺らしながら実を啄んでいる。人が辛うじて食せる実であれば、鳥類には佳味なのであろう。

話変わってこちらは果樹キウイの花。多くの花を咲かせているから、この秋の収穫は期待できそうである。20160516kiwi

そして、木イチゴ《ブラックベリー》の花である。昨夏はジャムを作ってみたら、帰省した孫がイチゴジャムだとパンに塗ってニコニコと食べていた。今年もたくさんのジャムができそうである。20160516kiichigo

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