人工知能(AI)・山茶花

山茶花とAIに何の関連も無い。二つの記事を起こすのが面倒だから山茶花とAIをつなげて記事にするだけである。強いて云うならば時を同じくして茫猿の感性に響いたということである。

まずはAIである。自動運転とか東大ロボとか、コンピュータ対戦の将棋電王戦とか、なにかと話題のAIである。不動産鑑定評価 の世界でもAI評価がとかく話題となっている。この『AI』なるものを理解する手助けになりそうなネット記事を二つ見つけた。

ひとつは「弁護士による人工知能(AI)の基礎講座」である。この記事は弁護士が書いていることから、人工知能を利用したビジネスをどうやって知的財産制度で保護するかから始まる。 しかし、そこのところは門外漢にとってどうでもよい部分であり、興味があるのは(1)人工知能(AI)とは何か、(2)人工知能の目的、(3)人工知能の機能、(4)判断モデルを作る方法などを簡潔にまとめている部分である。弁護士ではあるがAIには素人の有識者がAIについて述べているという点に興味があるし、一読して判り易い記事である。

もうひとつは、「AI研究者が問う ロボットは文章を読めない では子どもたちは「読めて」いるのか?」である。国立情報学研究所(NII)の社会共有知研究センターは、「人工知能(AI)は東大に入れるか(東ロボ)」プロジェクトを進めていたが、研究チームは子どもたちの読解力に関心をもった。

なぜAI研究者が子どもたちの読解力に関心をもったかと云えば、(1)東ロボは、問題を解き、正解も出すが、読んで理解しているわけではない。現段階のAIにとって、文章の意味を理解することは、不可能に近い。(2)そもそもAIが「読める」とか「読めない」というのは、どういうことかといえば。AIを含むコンピュータが得意なのは、情報とパターンで問題解決することである。莫大な検索を通じて、確率的にありそうなことを選び出す。これがAIのやっている作業である。

AIは課題について、キーワードとパターンで解いている。ところが子どもたちにもキーワードとパターンで解いている子、読んでいる子が意外にいる。それが問題だと云うのである。

この二つの記事を合わせて読むと、AIが得意なこと、現時点のAIには不得意と云うよりもできないことが見えてくる。《問題の意味を理解することは不得意と云うよりも、現時点んではできないことなのである。》

新井紀子・国立情報学研究所教授は、「東ロボ 2016成果報告会」の成果報告会でこう述べて報告を結んだ。

《国民の少なからぬ人たちが、矛盾していたり、センセーショナルなだけで中身のない発言の意味を吟味し、その矛盾を見抜いたり、実現可能性や妥当性を評価できる読解力を身につけていなかったら、世の中は大変なことになってしまうのではないか。
資本主義社会が不可避に生む格差と不平等は、リテラシーをもつ市民による民主主義で乗り越えられるはずだった。》

鄙里では山茶花が咲き始めた。定番の赤い花を咲かせるサザンカである。20161117sazanka-r

こちらは白のサザンカである。快晴の青空に白い花が鮮やかに映えている。写真は八重咲きであるが一重咲きも咲いている。20161117sazanka-w

畑の隅では小菊も咲き始めたので、切りとって花瓶に投げ入れてみた。20161117kogiku

 

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