白秋73旅-4・姫路玉子焼

かねてから念願だった、JR青春18切符を利用する独り旅顛末記その壱である。

2016/12/10早朝、旅支度を整えた茫猿は小さくまとめたバックパックを背負い、ウエストポーチを腰にして鄙の茅屋を出発するのである。朝に弱い家人の送りは期待できないから、徒歩約20分の距離にある最寄りバス停《輪之内役場前停》に向かう。伊吹山の頂きは雲に隠れていたが、養老山脈と伊吹に懸かる雲は茜さすむらさきに輝いていた。

路線バスで大垣駅に着いたのがam08:06、大垣駅発08:35米原行きの普通列車の乗客となる。大垣駅の改札口ではこんな応答があった。18切符を駅員さんに示すと「おひとりですか?」と彼は問う。 この18切符、どうやら一人で使うこともあるだろうが、複数で使うことも少なくないようである。

一人で五日間乗り放題を試みるのは若者《青春18切符》で、年配者はグループ日帰り旅に使うことも多いのであろう。例えば五人で大垣:京都往復日帰り旅であれば、103.6km:1,940円、五人往復合計で19,400円となり、約4割引となる。茫猿の風体からしてグループ旅に見えたのであろう。

なお、この18切符は五人一日往復でも、二人で利用期間内《一ヶ月》であれば延べ二日利用でも可能であり《残り一日は単独利用可》、工夫次第で様々な利用が考えられる。快速電車が多い都市圏域では東京:小田原間や大阪:彦根間などの利用が考えられる。

さて、茫猿は頂きに初冠雪を見せる伊吹山を横目にしながら、米原駅で姫路行き新快速に乗り継ぐのである。米原駅の乗り継ぎ時間9分、姫路到着は11:47である。写真の伊吹山は近江長岡付近である。20161210ibuki

この日は土曜日であったが、大垣:米原間《名古屋:大垣間快速》も米原:姫路間も通勤電車なみの混雑で、茫猿は神戸を過ぎるまで立ち席だった。米原乗り継ぎでも駅フォームの乗車列に並べず立っていた。18切符利用開始日のせいかどうかは判らないけれど年配者のグループが目立つ車内だった。《写真は明石大橋と淡路島》20161210akashioohashi

姫路では、此の旅最初の食事と姫路城を予定していた。姫路城は城内見学ができるほどの余裕時間はないので、駅前から遠くに白鷺城を眺めただけであるが、この旅ではそれで十分なのである。20161210himejijho

朝食兼昼食は駅構内で「姫路玉子焼と播磨牛すじ肉天焼きそばセット」である。玉子焼きとは一般には明石焼と称されるもので、当地では姫路玉子焼と云うらしい。要するに大阪のタコ焼きが明石や姫路では出汁に入って供されるのである。

播磨牛すじ肉天焼きそばは、揚げ牛すじ肉、コンニャク、ポテトなどが入った焼きそばである。何度も食したいものではないが面白い味ではある。典型的なB級グルメであろう。20161210tamagoyaki

食事を済ませた茫猿は、姫路から相生、相生から岡山へと各駅停車を乗継ぐのである。岡山駅では15:04発伯備線特急やくも17号に乗車する。目的地は終着出雲駅である。大垣:姫路間をほとんど立っていたから、やくものリクライニングシートが嬉しかった。20161210yakumo

やくも17号が出雲駅に到着したのは、日も暮れ落ちた18:13である。20161210izumoeki

岡山で弁当も飲み物も買わずに乗車したが八雲に車内販売はなく、腹具合いは十分空いていたけれど、駅前に食指をそそる店は見当たらず、とはいってもタクシーに乗って食事処を探す意欲も無く、構内コンビニでパンと飲み物を求めて夕食として早々と寝るのである。

同伴者がいれば、それなりの店を探すのだが、地方都市で独り夕食は雰囲気が寒いのである。それに旅初日から呑み屋に入るほどの吞ん兵衛でも若さでもないのである。楽しみは明日からにと我が腹をなだめる茫猿であった。

《旅発つまでの経緯はこちら》
白秋73切符?
: 白秋73切符-2:
白秋73切符-3:

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