母の日の朝、NHKラジオ深夜便から流れてくる、
山口百恵さん唄う”コスモス”を聞きながら目覚める。
”うす紅の秋桜が秋の日の”
”何気ない陽だまりに揺れている”
”此の頃涙もろくなった母が”
”庭先でひとつ咳をする”
コスモスは無いけれど、
咲き始めた芍薬を切りとって花瓶に投げ入れ、
日頃は開けない床の間の窓を明け、
仏前に初夏のひかりを入れる。
山鳩の鳴く声以外は何も聞こえてこない
閑かな日曜日の朝
母や父をはじめ
亡き人たちと暫し語らう
年々歳々花相似たり というけれど 今年の牡丹は今イチだったが、
芍薬は、らしく清楚に咲いている。今年の芍薬はよい。
果樹は明らかに表歳と裏歳がある。
表裏というよりも、ならせ過ぎると翌年の実成りはよくない。
花樹も年毎に花の顔《かんばせ》を変えてゆくようである。
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