三つ巴はマヤカシ?

新聞やテレビは、今回の選挙を「三つどもえ」の総選挙と囃し立てている。三つ巴とは、自民党・公明党が右側、安倍内閣の交代をうたう希望の党・維新が中道、立憲民主党・社民党・共産党を左側と云うものである。政党自身もそのように訴えている。特に希望&維新は自らの中道姿勢を訴えているし、自民&公明は連立政権の維持を訴えている。社民党・共産党は立憲民主党との連携を表に立てているが、立憲民主党の連携姿勢は倒閣目標を除き微妙である。

各党の候補者や公約、それに公示日における党首の第一声を比べてみると、三つ巴と云うマスコミのフレーム作りはマヤカシに見えてくる。希望&維新は自民・公明の補完勢力というよりもさらに右側に位置付けられる。希望の党に加わった面々を眺めてみると、極右に位置付けても良いであろう「日本のこころ」出身者も加わっている。民進党からの合流組を選別すると言い放った候補者もいる。ファシズムは羊の皮をかぶって登場すると言い放った元総理も居たではないか。例えば、憲法改正、原発稼働、消費税について、各党はこう語る。HUFFPOST:「衆院選、どの党に投票したらいい? 憲法改正、原発、消費税で主要8党の公約を比較する」より引用すると、以下の通りである。 消費税については意見が別れるが、自民・公明・希望・こころは相似している。対して、立民・共産・社民は近似する。憲法改正について立憲民主党は公明党と並んで△印が付けられているが、明らかに公明党よりは改正に消極的である。立憲民主党は「専守防衛の堅持、立憲主義を破壊する憲法9条の改悪反対、現行憲法の枠内での周辺事態法の強化をめざす。基本的人権の尊重、立憲主義、民主主義といった原則は揺るがさない。解散権の制約や知る権利など、この原則を深化するための憲法論議を進める。」と語っている。

三つ巴というフレーム作りは自民・公明と希望・維新で立憲民主党を挟み撃ちにして、日本からリベラル派を壊滅させる戦略であろう。だから惑わされてはならないのである。消費税を増税し民主党を分裂させ、2012年第46回衆議院議員総選挙で惨敗した当時の民主党党首は野田佳彦氏であるが、彼は松下政経塾第1期生である。今回の民進党分裂を招いた希望の党との合流を提唱した民進党党首・前原誠司氏は第8期生である。

つまり、2012年から2017年という五年をかけて、野田佳彦、前原誠司という政経塾出身者が民主党その後継の民進党を解体消滅させたと云えるのである。民進党から希望の党に合流した人たちには松下政経塾出身者が多く並び、彼らと希望の党と維新の会は、集団的自衛権や先制攻撃を容認し、英訳すればArmed forces《武力》または Armyすなわち自衛隊の世界に普遍的な軍隊への転換を主張するのである。

それに対して立憲民主党の公約は、専守防衛と個別自衛権を堅持である。この専守防衛と個別自衛権を堅持する自衛隊を英訳すると、「Self-Defense Forces」なのである。この”Self-Defense Forces”を堅持するか否かが二つの巴を峻別するのである。

すなわち、原発を稼働させ軍隊を持とうという改憲勢力と、原発ゼロを目指し専守防衛・個別自衛権の自衛隊を堅持しようという勢力の選挙戦なのである。三つ巴選挙戦というマスコミの見出し付けはタメにするものであり、マヤカシなのである。実態は「Armed forces 推進派」と「Self-Defense Forces堅持派」との二つ巴の選挙戦である。テレビのワイドショーに惑わされてはならない。

《追記》茫猿の主張
1.専守防衛、個別自衛権の堅持、現行自衛隊の維持、必要以上の装備拡大には賛成しない。憲法9条の堅持。自衛隊が憲法に明記されていないことで、専守防衛、個別自衛権の堅持は守られると考える。

2.原発については、再稼働について30km圏域の避難計画が確実にできない限り反対する。原発の稼働年数は40年を堅持し、安易な延長には反対し、新規建設も核燃料リサイクルにも反対である。

3.消費税について、2019年税率10%移行に賛成する。しかし増税額の目的外使用は反対である。増税額は全額国債償還に充てられ、後世代に重荷を背負わせるべきではないと考える。何よりも財政節度を放棄して償還不能なほどに国債を増発すれば、日銀ファイナンスの実現であり、事実上、日本経済は戦時経済化する。

4.少子高齢化対策について、幼児・児童福祉の充実を優先事項と考える。高齢者福祉は幼児・児童福祉充実後の事後課題である。これらの政策原資は現行予算の組み替えで可能であろう。軍備拡大や公共土木事業の無定見拡大を縮小することで政策原資は得られると考える。

要約すれば、近隣諸国に七十二年前の軍国日本を思い出させるような政策は取るべきではないと考える。そして憲法の前文をもう一度高く掲げるべきであると考える。改憲を云々する勢力が前文に掲げる理念をどう考えているのか、問いたださねばならない。

「憲法前文の抜粋」
日本国民は、正当に選挙された国会における代表者を通じて行動し、われらとわれらの子孫のために、諸国民との協和による成果と、わが国全土にわたつて自由のもたらす恵沢を確保し、政府の行為によつて再び戦争の惨禍が起ることのないやうにすることを決意し、ここに主権が国民に存することを宣言し、この憲法を確定する。

日本国民は、恒久の平和を念願し、人間相互の関係を支配する崇高な理想を深く自覚するのであつて、平和を愛する諸国民の公正と信義に信頼して、われらの安全と生存を保持しようと決意した。われらは、平和を維持し、専制と隷従、圧迫と偏狭を地上から永遠に除去しようと努めてゐる国際社会において、名誉ある地位を占めたいと思ふ。われらは、全世界の国民が、ひとしく恐怖と欠乏から免かれ、平和のうちに生存する権利を有することを確認する。

「戦争は嫌である。戦争は起きてほしくない。」と考えるのは他動的日本人。
「戦争は悲惨である。戦争は起こしてはならない。」と考えるのが自立・自律的日本人であろう。

 

 

 

 

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