日馬富士騒動が貴乃花騒動に転移しつつあるなか、稀勢の里が一場所に五個の金星を配給し四勝五敗となり十日目から休場するようである。大荒れというよりは混沌という場所になるなかで、独り全勝街道を走る白鵬がなにやらもの寂しげにも見えてくる九州場所である。そんななかにも季節は巡り、今年も残すところ四十日あまり、鄙里の秋景色は深まってゆくのである。
昨日の曇り空は風も冷たく、時雨か霙《みぞれ》かわからない雨が時おり降っていた。朝焼けの今朝、西空を眺めてみれば伊吹山が白く冠雪していた。
この季節の朝焼けは裸木となった鄙桜のシルエット越しに眺めるのが好みである。気づけば朝陽が肌に暖かく感じられる季節である。暖かくなった昼近くの頃に雑木林を歩けば、イチョウが黄葉している。木枯らしが吹けば一夜のうちに落葉してしまうことだろう。
楓も色づき始めた。あと十日もすれば見頃を迎えることであろう。
白のサザンカ。紅のサザンカも好ましいが、白はまた格別である。落ちた花びらが枯れ草の上に点々と散っているのも好ましい。
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