節分だ、明日は立春だ

今日は節分である。節分は季ける日である。
立春の前日、立夏・立秋・立冬の前日、いずれも節分である。春の節分だけが持て囃されるのは、寒さ厳しい冬が行き去り暖かい芽吹きの春の訪れを告げるからであろうか。それとも豆撒きや恵方巻き、柊鰯、さらには節分の”お化け”などの行事が目白押しだからだろうか。

豆撒きは言うまでもない「鬼は外、福は内」である。柊鰯は、節分に鰯を焼きその頭をヒイラギに刺して門口に飾り魔除けとする風習である。恵方巻きは関西の商家などが発祥で、近年はコマーシャリズムに乗っかって大いに喧伝されている。太巻き寿司をその年の恵方を向いて黙って食しながら厄除けを願うという行事だったが、今やお遊びである。

今朝の新聞折込には近在のスーパー全店からの「恵方巻き」売り出しチラシが入っていた。店によって多少の差はあるが、鉄火巻きなどの細巻き寿司、海鮮太巻き、炙り穴子太巻き、極め太巻き(1,500〜2,000円)、ハーフカット詰合せなどが告知されていた。

節分行事はクリスマスケーキやバレンタインチョコレートとは違い、日本古来からの風習に即した遊びだから、大いに盛んになることに違和感は少ない。その伝から云えば、ハローウインなどよりも「節分のお化け」がもっと盛んになっても良かろうにと考える。

【 ところで02/03は節分でした。最近の節分は太巻き寿司丸かじりなどという、しばらく前に流行ったお尻カジリ虫みたいなコンビニ商売が主流ですが、関西の町では節分にはオバケが出ます。 元々の由来は、節分の夜に商家の女将さん達が仮装髷を楽しんだことに始まりますが、最近では花街の女性達が仮装してお客さんを楽しませる行事に変じています。 正月が終わって、そうでなくとも客足が遠のく寒い二月に、お店に出向いていただこうという趣向で、由緒あるコスチュームプレーとも云えるでしょう。鄙の堂守が時折に訪れる祇園町北側「小梅姐さん」の艶姿です。若衆髷姿というのだそうです。 これも節分限りのオバケです。 元は上七軒の出身だし普段も着物姿だからこのような衣装も着こなせるのでしょうが、いつもこんな裾引き姿ではお仕事などとてもできません。  《茫猿独白:御化師、正しくは見事なお化け姐さんだけれど、狭いトイレではどうするのだろう?》(2009/02/17「鄙からの発信」より)】

小梅姐さんが、手間暇とお金をかけてこんな大層な”お化け”をするのは、訪れる客のためだけでは無い。この日、お化けに扮装した上七軒の芸妓衆が、お客を伴って祇園街にも出かけてくる。この芸妓衆がお店にも顔を出すというか、立ち寄ってくれる為の仮装なのです。後輩芸妓衆が「お兄さん(お客さん)、小梅姐さんの”お化け”を拝みにゆきましょう。」と誘ってきてくれるという訳です。

節分の豆まきも恵方巻きも、ある意味で”お化け”も季節の節目における厄落とし行事である。節分の追儺(おにやらい)行事や節分方違(かたたがえ:節分には凶とされる方角を避ける)などの、今は聞かれなくなった行事と相通じるものがあろう。
節分のおばけ : 2003年2月6日】

【閑話休題】
先号先々号記事を掲載し終わってから、専門職業家の矜持というものを考えさせられている。茫猿が若い頃には、不動産鑑定士たる者は地価のバロメーター・サーモメーターであるべしなどと考えていた。

40年、50年前にはそれはそれで良かったのであろうが、今や多量のデータがネットに公開される時代である。であれば、多量の公開データを判り易く編集加工して人々に提供するという業務も、専門職業家たる不動産鑑定士に相応しいのではと考えている。

地価マップなどはネットに溢れていると云えるが、それらの多量データは何を語るのかという「問い掛け」には、いずれのサイトも答えていない。答えは読者が探すものと言ってしまえばそれまでだが、社会に専門職業家として存在しそのプレゼンスをさらに高めてゆこうとすれば、専門職業家たる編集・加工技術を駆使して社会の期待に応えるべきであろうかと考える。

《蛇足または無駄足》
この記事は「鄙からの発信」創刊以来2948号である。3000号まで残すところ52号、この夏頃には大台到達となるか。それが何なのだと云えばそれまでだけど。近頃は、その日までは元気でいたいなどと時たま考えるのは、老いを自覚するせいか。

「シニア」は、「中高年」「熟年」「お達者」「シルバー」などと比べて、対象を年寄り扱いにするニュアンスが弱い意味で、なかなか有用な用語だと思うのだが、いまひとつ普及していないのはなぜだろう。やっぱり「死に」が含まれているからだろうか。死がニアにあるからシニアは、わりとパワーワードだな。【小田嶋隆のTwitterより

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