ブラックジョークかパロデーか

日大アメフト部問題の根底には何があるのだろうかと考えていたら、その昔の(1968〜1969)「日大闘争」を思い出した。《この頃、茫猿はやっと大学を卒業し大阪で就職していた。昼間は適当にサボリ、夜は経理専門学校に通っていた。ようやく将来への不安感とその対策に目醒めた頃である。》

日大闘争を主導した日大全共闘議長は秋田明大氏だった。そして日大全共闘学生と対峙した体育会学生を率いていたのが、柔道師範から日大職員となり理事長に昇りつめていた古田重二良氏だった。この「体育会学生から大学事務局職員」という系譜は、のちの理事長、柴田勝治氏にもつながる。

柴田勝治氏は日大ボクシング部から日大校友会職員となり、1981.9〜1993.9の日大理事長に就任している。そして現理事長田中英寿氏につながるのである。田中英寿氏は日大相撲部出身で相撲部監督および日大職員となり、2008.9より日大理事長を務めている。田中氏の諸事来歴はネット検索に譲るが、体育会から大学職員および体育会監督コーチとして就職して理事会・常務理事に至るという経歴は、アメフト部監督の内田正人氏にも重なるものである。

《内田氏は常務理事を辞任したようだが、田中氏は理事長を退任するそぶりも見えない。》

加計孝太郎氏を腹心の友と自ら国会答弁する安部総理は、加計孝太郎氏と一緒に瓜田に履を納れ李下に冠を直す。その加計孝太郎氏が理事長を務める加計学園・岡山理科大学が西にあれば、ガバナンスが問われている田中英寿氏や内田正人氏が役員を務める日本大学が東にある。日大も加計学園も私学であるが、多額の私学助成金を受けとっている社会的公器であり教育機関である。

他にも日大と加計学園の共通点が存在する。日大と加計学園にのみ危機管理学部が設置されている。危機管理学部を有する大学についてネット検索すると、千葉科学大学(2004年4月)、日本大学(2016年4月)、倉敷芸術科学大学(2017年04月)に設置されている。千葉科学大学、倉敷芸術科学大学はいずれも加計学園に属する。

そして、危機管理学会会長は誰かと確認すると、なんと安部総理が名誉会長である。
李下不正冠を噂される安倍総理自身は危機管理学会名誉会長に就任し、安部総理夫人は森友学園・瑞穂の国小学校名誉校長に就任していた。まさにブラックジョークだ。

ただ危機管理学会および危機管理学部についてパロデーとかブラックジョークとして軽視できないものがある。それはこの学会の役員や会員企業の顔ぶれが示している政治性や日本会議にも通じる右傾性を軽視できないのである。また、危機管理学部の講師陣を務める防衛・警察官僚や自衛隊OBの存在も軽視できないものがある。この学会、サイトで見る限りであるが、なんとも怪しげなサイトである。《この記事  No.2994》

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