茫猿の駄句・冗句

ふと思い立って、と云うよりも為すことなく猛暑の昼下がりを過ごしながら、ふと思いついて、このサイトに記録する駄句・冗句を抜き出し取りまとめてみようと考えた。句会に参加した経験があるわけでも、俳句を真面目に勉強したことがあるわけでもない。折々の手遊びに書き留めてある駄句・冗句を一覧にしてみようと云うのである。お断りしておきますが、記事としてお目に掛けようと云うわけではない。只々、茫猿の心覚えなのである。

句の出来不出来などは論外なのである。一つ一つの句が詠まれた背景や情景を思い浮かべることが、今の茫猿にとっては日々の佳き楽しみでもある。

「とてつもなく駄句であると思う。思うけれど、このサイトに最初に載せてある句である。まだ川柳まがいの次句の方がマシだと思われる。」
しのび雨 濡れなばひかる 紫陽花哉
《疾風迅速の果て   投稿日: 2000年6月21日 》

ウオシュレット 冷やけき水か 秋来ぬる
「その昔、ロータリークラブのスマイルボックスに投稿するために一句詠んで」
朱萩を(あかはぎを) 散り敷いて 骸蝉(むくろぜみ)
《マンホールの蓋    投稿日: 2006年9月6日 》

かえりみる こぞの(去年の)桜か(や) この(今年)桜
青空に 伊吹ときそう 遅ざくら
《この桜、こぞの桜 投稿日: 2007年4月7日 》

陽盛りに 薫りきかして 遅桜
《遅桜 投稿日: 2007年4月15日 》

「中津川すや西木店の茶屋榧にて、半夏生を見かけて」
見え隠れ 白き葉揺れる 半夏生
《はんげしょう 投稿日: 2008年7月10日 》

青き実が 葉陰に揺れる 山法師
《やまぼうしの実 投稿日: 2008年7月11日 》

「老いた柿の木がたわわに実をつけるを見て」
老樹の ちから絞るかや 神無月
「茶花の横に蝉の抜け殻を見つけて」
ふと見れば 巡る月日に蝉逝き 茶花咲く
《陋屋の錦秋 投稿日: 2008年10月13日 》

「5/19 大垣市民病院にて、MRIやFDG-PET等検査を受ける母に付き添って」
母の椅子 押して 長き 廊下あゆむ
いす停めて トイレ待つ我は 遠き見る
車いす たたみ方知らず 教えこう
《手紙&サンカク 投稿日: 2009年5月19日 》

「荘川村の蕎麦の里を訪ねて」
そば花や  夏を惜しみつ  秋きたる
そば花に  ゆく夏惜しみ  秋きたる
《晩夏は初秋 投稿日: 2009年8月19日 》

「65歳を期して事務所の自宅移転準備を終えて」
陽溜まりに 揺れる椅子一つ 夏がゆく
蝉時雨 軒端に風来たり シェード揚ぐ
《晴耕雨鑑 投稿日: 2009年8月20日 》

幟(のんぼり)立つ 空澄みゆきて 稔りまつ
《村祭り若衆組 投稿日: 2009年9月27日 》

「歩道の雪をかきて」
雪かきて 通りゆくひと みなほほえむ
「ヘッドライトのなかに舞う雪」
闇の中 舞い踊る雪 吾さそう
《初雪 投稿日: 2009年12月19日 》

「母の旅支度を桜と看取って」
此のさくら 有りて今朝の 雨たのし
《鄙櫻2010(10.06.21最終更新) 投稿日: 2010年3月29日 》

たらちねの ひそ(秘所)清めれば しわ(皺)深き
はだ(肌)の荒さに 拭く手進まず
《喪失感 投稿日: 2010年5月11日 》

「大根と人参の青芽を楽しんで」
厨(くりや)にて 芽ぶくすずしろ 見る独り
「野路菊も咲いた」
野路菊の 葉陰に母が 手跡(てあと)見る
《草もみじ 投稿日: 2010年11月17日 》

窓をあけ グラスささげて 月に吠ゆ
《十四夜 投稿日: 2010年11月20日 》

窓ひらく 花に降る雪 よき肴(さかな)
《有為転変 投稿日: 2010年12月30日》

雪明かり 落雪聞こゆ 朝湯かな
礼ひとつ  無くてセータは  形見となり
もの言わぬ  セータは母の  形見なり
亡き母の  遺すセータ着て  温みしる
《雪、ゆき、ユキ、セータ 投稿日: 2011年1月17日 》

年忌まえ  知らせる花あり  彼岸入り
便りもち  山から来たか  あきあかね
《秋ひといろ 投稿日: 2011年9月23日 》

「交尾を終えて牡蟷螂を咥える雌蟷螂を見つけて」
いのち与う まぐあい愛し(かなし)冬まじか
《愛に殉じて 投稿日: 2011年10月29日》

菊刈れば 残の香漂う 冬陽(ふゆび)かな
《Data管理の茶番劇 投稿日: 2011年12月10日 》

だいこ(大根)干し しぐれを避ける 冬ひなた
だいこ(大根)干し 母の手しのぶ 暮れまぢか
《しぐれの季節 投稿日: 2011年12月19日 》

「雪の白さに、花の黄色が映える残菊」
残の色 雪が洗いて 照りはゆる
《雪中花三題 投稿日: 2011年12月27日 》

「3.17東北震災の跡を巡りながら、大船渡線車中などで」
消え残す 沢雪わけて バッケ見る
(バッケ:蕗の薹の東北方言)
短尺の 線路通過音 佳く眠り
(線路継ぎ目の通過音、ジョイント音)
母に似た 農婦見つける 線路ぞい
(大船渡線の山あいにて)
駅名(えきな)聞き 心泡立つ 気仙沼
(思わずなにやら緊張しました)
《気仙沼から大洗まで 投稿日: 2012年3月31日 》

「 このさくら 去年(こぞ)のさくらも このさくら 」
「去年は既に一昨年のことになりました。」
影思う 花のもとにや 笑みのあり
花陰に 笑みの在りてか 昼下がり
《2012・鄙桜 投稿日: 2012年4月12日》

牡丹ひとつ 木のまにしろき 夕まぐれ
《去年に似たり 投稿日: 2012年4月29日》

母の日に 子鴉(こがらす)の声 梢に聞く
懐かしき 笑顔かいま見ゆ 白い花
《母の日・大山蓮華 投稿日: 2012年5月13日 》

ヒグラシの なく声残し 盆はゆく
《北紀行§3 最北の駅 投稿日: 2012年8月16日》

(秋茄子の花と実 2018.08.29)

秋桜と 行き交う花あり 夏は往く
《行き交う晩夏と初秋 投稿日: 2012年8月23日 》

(レインリリーの花が咲き始める 2018.08.29)

降る雨や 秋閑まりぬ 三年忌
《一区切りの秋 投稿日: 2012年10月28日 》

柿干して 木枯らしを待つ 夜なべかな
《あき、かえで、かき 投稿日: 2012年10月31日 》

友逝く日 惑う(まどう)我が道 定まりぬ
《昭明さんに捧ぐ 投稿日: 2012年12月7日 》

初こよみ 心ときめく 我もあり
《2013迎春 投稿日: 2013年1月1日 》

蕗味噌に 母の手思う 早や緑(さやみどり)
《春の使者 投稿日: 2013年3月3日 》

はなぐもり おもかげよぎる 昼下がり
《土筆と鄙桜 投稿日: 2013年3月29日 》

「母が孫(我が亡き長女)が、庭先に散り敷いた花びらで遊んでいる気がして」
あこ(吾娘)と母 座る影見る 花むしろ
《花筏・花筵 投稿日: 2014年4月8日 》

またひとり  急ぎ逝くかな  柿わかば
柿わかば  訃報またひとつ  届くなり
《赤、白、黄色 投稿日: 2014年4月18日 》

病歯《わくらば》の 抜きて深まる 老いの秋
《阿修羅像と葛切り 投稿日: 2014年9月28日》

「花筵を眺めた庭先に、黄葉むしろを見て」
散り葉照る 木洩れ陽嬉し 小春かな
《父の書棚 投稿日: 2015年11月13日》

吾娘《あこ》と母  遊ぶ影見ゆ  花むしろ
《花筵待ち 投稿日: 2016年2月10日》

くるま椅子 停めて見上げた 桜かな
花影や 幾多の顔の 浮かぶ宵
やみ空に はなかげ白く 春ふける
こぞ(去年)のはる きたる春とて 花に酔はむ
《春宵一刻値千金 投稿日: 2016年4月3日》

老いてなお なつかしき名の 母子草 (虚子)
ははの日 なればとて 白き 花かざる (茫猿)
《ありがとう 投稿日: 2016年5月7日 》

礼のべつ  花がら摘めば  梅雨まぢか
《睡蓮の花 投稿日: 2016年6月8日 》

夕闇や  花がらのやま  ほの白く
《梅雨入りまぢか 投稿日: 2016年6月9日 》

孫たちの はしゃぐ声聞く 臼ときね
ゆくとしに 名残りしのばせ 散るかえで
《石臼と杵 投稿日: 2016年12月3日 》

木守り柿 面影しのぶ 蒼き空
《秋たけなわ 投稿日: 2017年11月3日 》

常よりも  薬錠増え  正月しる
《木槌、西行、T. Kikuchi 投稿日: 2017年12月6日》

「雪景色は非日常であり、非日常であるが故に心躍らせる。」
雪の朝 行き着く頃は 昼前か
《鑑定士修了考査-4 投稿日: 2018年1月25日 》

冬ひざし ドサリと落ちる 枝の雪
雪野面 何処へつづく ケモノみち
《雪の野面 投稿日: 2018年1月27日》

このさくら 去年(こぞ)のさくらも このさくら
花影や 幾多の顔の 浮かぶ宵
《おの(己)が夜桜 投稿日: 2018年3月28日》

春おぼろ 花の向こうに 月のぼる
ヤブ鶯 一声ごとに 花散らす
《鄙桜の幻夢2018 投稿日: 2018年3月31日》

「笹麩胡麻豆腐に惹かれての高野詣」
山ざくら 溶けゆく空や 手に笹麩
《高野山にて笹麩と桜 投稿日: 2018年4月14日》

2006年頃より間遠ながらも詠み続けていた句であるが、この数ヶ月一句も詠んでいない。最近では珍しいことと振り返ったら、高野山行きのすぐ後に脳梗塞で緊急入院している。その後は「鄙からの発信」記事3000号、そしてこの夏の酷暑である。発句も忘れる体温を上回る猛暑続きだったから、孫たちが久しぶりにやって来ても句が浮かばなかったと思われる。過ごし易くなるこれからに乞うご期待というところか。

看取りの日 偲ぶ門前の 薄墨葉桜 (字余り)
石楠花の 出迎え受けて 一時帰宅
《鄙里は緑なりき-2 投稿日: 2018年5月4日 》を読み返して。

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