11.04仙台シンポジウム

 11月4日早朝に家を発ち常滑の中部空港より仙台に向かいました。 仙台出張の目的は鑑定シンポジウム開催の機会に、地理情報・Map Clientのプレゼンを行うことにあり、並行して新スキーム改善問題等、鑑定協会が直面する様々な問題について各地域の実情取材もいたしました。 Map Clientプレゼンは、研修委員会並びに宮城士協会他のご支援を得まして多数の会員にお集まりいただき、所期の目的を果たすことができました。
 ご支援並びにご協力いただきました関係各位にお礼申し上げます。


 当日の会場にて、懇親会や二次会、三次会席上にて、また翌日の被災地視察途上において、地理情報システムについて、新スキーム改善問題について様々なお話しを伺うことができました。 いまさら申し上げることではございませんが、全国47都道府県の実情は一様ではなく、地域々々がおかれている状況にあわせた対応策やシステム構築が既に実施されており、全国一律のシステム構築を行おうとすれば検討しなければならない課題も多くあることを、改めて考えさせられました。
 幾つかの士協会では事例閲覧についても地理情報活用についても、市販パッケージソフトを利用したスタンドアローンシステムを開発済みであり、安全性担保も利便性向上もそれなりの成果を得ているとも伺いました。 いまさら全国一律システムへ転換することは、会員の理解を得ることが難しいだけでなく、直ぐには利便性向上にもつながらないというご意見もございました。
 新スキーム改善問題については、時機を失したのではという思いを深くすると同時に、業務が縮減する状況が深刻であり、地場事業者と全国展開を行う事業者の軋轢は予想以上に厳しいものがあります。 それが新スキーム改善問題にも大きな影を及ぼしていると思わされました。 地理座標値を利用すれば事例利活用の利便性が向上するとしても、それは士協会外会員の利便性に寄与するものであり、業務獲得競争をさらに深刻化させかねないという懸念も幾つかお聞きしました。
 仙台へ向かう機上からは富士山が望めました。
 
 鑑定シンポジウム・パネルディスカッションにて。
 
 御挨拶される小野寺東北会会長。
 
 仙台在住のT氏にご案内いただいた三次会では、プレスリーの雰囲気を満喫できました。
 
 翌日は宮城県東松島地区並びに仙台市若林地区の被災状況を視察させていただきましたが、広域に地盤が沈下し未だに瓦礫や漁船が残されている無惨な状況を軽々に語ることはできません。 代わりに、自らの実家も被災された地元会員から伺ったお話をお伝えします。

 状況を語れという機会が何度もありましたが、とても五分や十分では話せません。何かを語ろうとすれば、あとからあとから多くの思いが溢れてきます。未曾有の災害などと一言で片付けられるものではなく、何よりも言葉にすれば語りきれないことがあまりにも多くて、話すそばから嘘になってしまうような気持ちさえあります。
 地価が一部地域で上昇したといっても、売れ残り分譲地が売り切れたといっても、それは極々限られた一部の人たちに関わることです。 一年もして少し落ち着けば、過疎高齢化が進んでいた地域では状況の深刻化が今から予想されるものであり、復旧復興を担うべき人が地元に残っているのだろうかとさえ懸念されます。
 震災減価率についても、震災調整率についても、地元の思いと中央の考えとは微妙な相違や行き違いがあり、それを伝えきれないことを残念に思います。

 
 ところで仙台二日目の夜のこと、被災地視察から仙台駅前に戻り、さて夕食をどうするかと考えていたら、九州会のT氏、F氏が一緒にどうですかとお声をかけていただいたのです。ところが三人共に夜の仙台は不案内、地元の方に教えを乞えば、私もご一緒しましょうなどと無用のお気を使わせることにもなりかねない。 地元の方々はお疲れのことであろうからと声をかけずに、メトロポリタンホテル・コンシェルジェを頼ることとしました。
 コンシェルジェに案内していただいた数軒のお店のなかで、三人の感性で2軒に絞り込み店の設え(しつらえ)を観てから判断することとしました。 青葉通りから小路を巡って探した最初の店は「今イチ、保留」の判断で一致、二軒目は三人共に設えが気に入りここに決定、いなせ(鯔背)という店名も粋なものです。 オーダーは刺身盛り合わせから始まり、穴子の白焼き、塩銀杏など、それぞれが好みの品を二点づつ、飲み物は焼酎ということで小宴がはじまりました。 肴とした話題は様々でしたが、それは酒席でのこと、語るのは野暮というものです。
 二時間余も飲み食い語りましたが、料理佳し、酒佳し、友佳し、心和むとても佳い時間を持てたことです。 お誘いいただいたT氏、F氏に感謝して、この稿を閉じます。

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