第四回・塾報告【追記有り】

 昨日は「塾・鄙からの発信」第四回目の開講日でした。開講前に昼食を共にしながら、塾頭は講師の堀田氏とこんな会話を交わしていました。 
【本エントリー末尾に、講師から頂いた添付PDFファイル誤りについての御教示を追加しました。(08/06/25)】


 「(講師)今日の参加者は多分前回を相当下回るでしょうね。」、「(塾頭)そうですね。テーマがテーマですし、尻込みする人が多いでしょうね。でも五人も来れば良いのではないですか、塾らしくマンツーマンで進めましょうよ。」、「(講師)わかりました。塾らしくですね。私もノートPC持ち込みの講義は初体験ですから、どうなるかわかりませんが、マッ、ゆっくりと、進めましょう。」、「(塾頭)それにしても、実務修習夏季講義の準備でお忙しいなか、本当にありがとうございます。」
 でも、案ずるより産むが易しでした。参加者は途中出席や後半(懇親会)出席も合わせると、塾頭も含めて12名の出席でした。PC持ち込み総数も7台で、講義は二人一組で仲良く進められました。堀田講師は前回の講義のなかで、「重回帰分析なんか簡単ですよ、簡単すぎて弊害を心配しています。」と言われていましたが、その昔、ランプランや初期のエクセルで解説本片手に関数を入力して、統計解析の初歩を理解しようと悪戦苦闘した経験のある塾頭は半信半疑でした。堀田講師には簡単なことでも塾頭はじめ塾生の能力は講師とは違うのだから、「彼には簡単でも私たちになぁー」、と思っていました。
 でも目から鱗でした、その昔、苦労した関数入力もグラフ作成も、Ms-Excelのツールからアドインを選択して分析ツールを起動させると、後はスイスイ、スイーでした。確かに簡単すぎて『生兵法怪我のもと』を心配する講師のお気持ちがよく判ります。講師の意向もあってレジュメを直ちに公開することはできませんが、いずれ氏のサイトに掲載されるでしょうから、それをお待ちになってもよいのですが、エクセルの分析ツール起動の手順だけ記載しますから、それぞれで独習してみて下さい。
 以下は斯界の先達諸氏からすれば、いまさら何を寝言を言っているのかということでしょうが、でも多くの鑑定士はエクセルを四則演算電卓代わりやデータファイル代わりに使っているだけだと思います。鄙の堂守が提案する「NSDI・PT」の端緒を理解するためにも、統計解析のイロハくらいはお互いに理解していたいと思います。 多少なりとも使いこなせば、鑑定評価書の厚み(物理的厚さもですが、質的深みの意味ですから誤解なく)も増しますが、何よりも比準価格試算行程のバックボーンが確かなものになり、自信が深まります。

[ツール]→[アドイン]から[分析ツール]のチェックボックスにチェックを入れるだけで、
回帰分析が使えるようになります。
また、グラフ・ツールから散布図を選択すれば、各種データの散布図が簡単に描けます。

 まさに、堀田講師の心配する生兵法ですが、塾頭が今朝、試行した結果をPDFファイルで公開します。
【茫猿の生兵法ファイルを開く】
岐阜市内公示価格&調査価格の価格と駅距離並びに幅員との相関を示す散布図及び解析結果を記載してあります。生兵法ですし、64歳の手習いですから、間違いもあると思います。 思いますが、誤ってのち改めればよい。先ずは挑戦することだと考えます。統計解析など頭が痛くなるだけとお考えの皆さんも、チャレンジして下さい。あっという間に、美しいグラフが描けますし、訳のわからない用語を駆使した解析結果が表示されます。塾頭は、それからゆっくりと解説書を読めばいいと考えます。何よりも何度もトライ&エラーできますし、身近な「JIREI10.txt」データや「TAKUT111.txt」データから色々なことに試行できますかお試し下さい。
 ただし、ほとんど蛇足ですが、エクセル解析ツールを使用する前に、解析母集団としてのデータ・チェックを正確に行って下さい。COUNT関数を使用して各要因項目のデータ数が同数か確認する:数値データ以外に文字データが混在したり、空白データなどの有無をチェックします。同時に最大値MAX関数や最小値MIN関数を使用して誤入力異常値が存在しないか確認します。ゼロを誤入力して有り得ない幅員や駅距離が存在する場合があります。
 いわば、競技の前の準備運動のようなものです。「デハ ヨーイ ドン !!!」
 昨日は講義も楽しかったのですが、アフター塾もとても楽しい夜でした。今回はA.N氏のお骨折りと御支援を頂いて、談論風発、堀田氏の歌唱力再認識ありの、稀に見る懇親会でした。特にお若いA.N氏やI.A氏が堂守などの知らない歌を唄うのは当たり前ですが、中年に区分される年代の講師が堂守の知らない若い歌を熱唱されるのには驚きました。天は二物を与えることもあるのだなと、改めて氏の幅の広さに敬服しました。氏には幾つかの敬称を差し上げたいと存じます。曰わく「統計解析の鬼」、曰わく「ソムリエ鑑定士」、曰わく「普通の子煩悩な父親」、曰わく「唄う収益価格人」
 塾も四回を数え、順調に推移しています。多くの本当に多くの方より有形無形の御支援を頂いております。一つ一つ詳細を報告するのはご本人の本意ではないでしょうから、あえて何も記載しませんが、会長選挙出馬の時も多くの方の御支援に茫猿は感激しましたが、このたびも皆様の御支援に感謝し嬉し涙にむせんでおります。でも選挙の最大の御支援は茫猿に一票を頂くことでしたが、塾の御支援は塾にお顔を見せて頂くことです。昨日も愛知県から三名の方がお出かけ下さいましたが、愛知からも三重からも滋賀からも何処からでも、どうか一度はお顔を見せて下さい。百聞は一見に如かずです。
 さて、次回の予告ですが、七月に入りましたら、募集を始めます。次回開催日は7/29(火)です。講師は、「賃料評価の権威」である田原教授の再来岐です。実は田原教授は来岐数日前に東京で「賃料鑑定セミナー」の講師を務められます。セミナー受講料は15,000円です。岐阜からセミナーに参加すれば旅費ともで40,000弱が必要ですが、岐阜では無料です。(もちろん、東京から岐阜へ来れば似たような出費になりますが)
 七月セミナーは、支援者T.R氏のお骨折りで鵜飼い見物が決まっています。教授は岐阜縣東濃地方のご出身ですから、この機会に鵜飼いを味わって頂こうというT.R氏の御提案です。既に貸切屋形船と花を添える芸妓衆の乗船が予約済みです。 船の定員は20名ですが定員一杯の乗船は何かと不自由ですから15名を募集定員とするつもりです。ですから芸妓衆と教授、支援者T.R氏それに塾頭の乗船を計算すると募集人員は10様締切となります。募集が開始(07/01)されましたら先着順受付ですから、今から日程を空けてご準備下さい。

【講師から頂いた、メールを転載します。やはり生兵法怪我のもとです。添付PDFファイルを更新することも考えましたが、このまま掲載して、講師のご教示と併せて読んで頂く方が宜しかろうと考え、PDFファイルは誤ったままですから、ご注意下さい。 塾頭から一言:塾生は前車の轍を踏まないこと。】

アップされたファイルを拝見して、気づきました点を、少々。
“分析に使用したData(母集団)”と書かれていますが、母集団というのは、普通、世の中で観測される全事象のことであり、そこから抽出したものを統計では「標本(サンプル)」と呼んでいます。
 地価公示・地価調査は取引ではなく、限定された地点においてのみ公表されている鑑定値ですから、その意味では、あるエリアで設定されている全標準地、全基準地が網羅されていれば、 母集団と呼んでもいいのかもしれませんが、土地価格全般を説明するために、地価公示・地価調査を使う場合には、それらを標本として、母集団(地価全般)を推定しているということになります。
 単に地価公示・地価調査価格そのものについて、駅距離や幅員がどのように効いているかということを調べたいのが主旨でしたら、まあ、採用されたデータを「母集団」としてもいいのでしょうが、一般的には誤解を与えかねない表現です。 よって、”分析に使用したData(標本)”としておいたほうが、よろしいかと思います。
「分析結果」で、価格が独立変数になっていますが、これは何を被説明変数とされたのでしょうか? 幅員でしょうか。駅距離でしょうか。
 いずれにせよ、原因と結果の取り違えになっています。
「価格」は独立変数(=説明変数)ではなく、被説明変数(=従属変数)とすべきです。 なぜなら、幅員や駅距離が変わるに従い、価格が変わるのであって、その反対ではないからです。説明する側とされる側とを入れ替えてみてください。
 以上、とりいそぎ、気づきました点をお知らせいたします。(堀田)

関連の記事


カテゴリー: 塾・鄙からの発信 パーマリンク

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください