安全管理措置

 鑑定評価シンポジウムin岐阜やNSDI-PTなどを経て改めて思わされたことがある。 個人情報保護に関する安全管理措置についてである。 紙資料などのアナログデータの安全管理措置は厄介であるが、デジタル化データの安全管理も結構厄介なのである。 ネット・サーバ内データの安全管理は周到に用意されているから、まさかの場合もログを追跡すれば漏洩者も漏洩原因の探求も可能であるが、それ以外というかその後のサーチは以外と難しいのである。


 データ漏洩事故はネットワークシステムのなかで生じることは以外と少ないのである。 皆無ではないが十全の保全措置が講じてあれば、事故が発生する確率は事実上無視しても差し支えないと云ってもよかろう。 問題はその後なのである。 サーバからクライアントPCにデータをダウンロードした後、あるいはサーバからデータをプリントアウトした後の印刷物管理などの段階で問題が生じやすいし、世に出る事故の大半はその類である。
 だから、REA-NETのREA-JIREIも取引価格動向調査の事例収集分配システムにおいても、必要以上のデータをクライアントPCにダウンロードさせないシステムを採用している。 それでも、地価公示や三次データ調査等の日常業務の結果として、各評価員や会員のPCやLANサーバや付属HD等には順次データが蓄積されてゆくのである。 なかには研究調査の必要上から大量のデータストックを保有する場合だってあるだろう。 悉皆調査が全国施行されてからはや二年以上が経過したのである。 各会員のPC等にストックされるデータ量は膨大なものとなっているであろう。
 これらが、意図的に流失漏洩されるなどと申しているのではない。 それは、法的に厳重な守秘義務課せられている不動産鑑定士にとってはあり得ないことである。
 しかし、パソコンやハードディスクは物理的消耗品である。 折しも、09/01をもってWIN-XPは販売停止となるのである。既に08/06からXPは出荷停止となっており、一般販売店店頭のPCのOSは全てVistaである。
 地価公示や固評業務を円滑にこなしてゆく上ではOSはXPの方が無難であるし、何よりも慣れているから無用の手間は要らないのである。 だからパソコンを新規に購入しても、OSについてはVISTAからXPへダウングレードを行うのである。 かく言う茫猿もメインマシンが三年を経過したからトラブルが生じる前にと、つい最近にXPダウングレード機を購入したばかりである。
 悉皆調査が全国施行されて早や二年を経過するのである。 各公示等評価員のPCやHDには相当大量のデータが蓄積されているだろうと予想される。 それらのPCがこれから買い換え廃棄処分や買い換え下取り処分に伴って中古機市場に出回ると考えられる。 もちろんのこと、安全管理注意を義務づけられている不動産鑑定士は周到な初期化や破砕を行って廃棄や下取りを行うであろうと予想するが、なかには安易な下取り処分を行う者も皆無とは云えないであろう。  一番考えられるのは、誰かへの下げ渡し処分である。 下げ渡しを受けた者は守秘義務などないからファイル交換ソフトなどによる漏洩の危険性もあるだろうと思われる。
 そこで、茫猿は提案するのである。 せめて毎年一回、保管データ並びにPC等の廃棄処分についての注意喚起や、一年以内の処分結果についての申告や誓約を書面で求めたら如何と思うのである。 書面誓約書や申告書に意味があると云うのではない。 書面で署名押印文書を提出することにより、改めて注意喚起を促すことに意味があると考えるのであるが、如何なものであろうか。

当MT『塾・鄙からの発信』のカテゴリー・アーカイブは未調整で機能致しません。 カテゴリー・アーカイブをご利用の際は、お手数ですが、EX『塾・鄙からの発信』をご利用下さい。

関連の記事


カテゴリー: REA-NET構築, 不動産鑑定 パーマリンク

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください