最近、某所で地理情報についてお話しをさせていただく機会を得ました。 その折りに使いましたサマリー(PPTファイルをPDFファイルに変換)を開示します。
一つは地理情報並びにRea Map 、そして座標値(緯度経度情報)についてです。
もう一つは、Map Client(座標値取得並びに距離条件属性値取得)についてです。
【Rea Mapサマリーを開く】
【Map Clientサマリーを開く】
Rea MapサマリーのTopページには、次のような言葉が述べてありますが、これについて多少の弁解をしておきます。
One for all. All for one Science & Data & Arts
先ずは「One for all. All for one」についてですが、この言葉はラガーマンスピリットを表す言葉としてよく使われます。一人は皆のために、皆は一人のためにというのが一般的な解釈です。でも元神戸製鋼ラクビー部キャプテンの平尾氏は、本当の意味はそうではない、「一人は皆のために、皆は一つの目的(勝利)のために」というのが正しい訳なのだそうです。 鑑定業界で云えば、一人の不動産鑑定士は皆のために、皆の不動産鑑定士は正しい鑑定評価のためにと言い換えてよろしかろうと考えます。
なぜかと云えば、不動産鑑定士などライセンス業種は「一般に公開されている社会的知見であるScience(科学)」を基盤として、「個々の技術・技能であるArts」を駆使して、与えられた業務を遂行します。 鑑定士が鑑定評価基準をはじめ、実務基準や留意事項並びに各種法令・政令、通達など公開されている知見(科学)を基盤として、個々の技術力、ノウハウ、スキルを駆使して鑑定評価を行うことを意味します。
ただし、鑑定評価においてはScience & Artsのみで業務を遂行することはできず、Dataが必須です。評価の基礎資料とするDATA(事例資料)は一般的に非公開であることが多く、個々の鑑定評価事案に応じて必要なDATAを収集すること、実際問題として不可能に近いことです。多額の経費と時間を費やせば可能かもしれませんが、鑑定評価報酬も高額なものとなるでしょうし、何より依頼者の求める納期にはとても間に合いません。
ですから、我々鑑定士は日常的に協同してDATA収集作業を続けています。 自分自身が必ずしも必要としないDATAも、誰かが必要とする蓋然性があるだろうし、自分が必要とするであろうDATAは、誰かが収集してくれている。鑑定士が協同して行う取引事例悉皆調査などはその最たるものでしょう。 そして、このような事象は鑑定業界特有の事象であり、他のライセンス業界にはあまり見られないことです。
だから、茫猿は鑑定士は自由職業などではなく、組織的活動を必然とする職能なのだと常々申してきました。そのことを表す言葉が「One for all. All for one」であり「Science & Data & Arts」なのです。
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