またもや時価評価

今回は他者のHPからの引用が大半です。鑑定業界にとって重要な事項
だからといって、全面引用が許される訳ではありませんから、要約引用
します。詳細は該当のURLで確認して下さい。
【まず最初に住宅新報社HPからの引用です。】
建設省と財団法人土地総合研究所は、昨年 11月から検討してきた今後
の不動産投資市場の整備について、中間報告を発表した。
 その内容は、不動産の流動化を推進する有効な方策として、「不動産
投資ファン ド」「不動産投資顧問業者」などの新たな仕組みとその基
盤整備について提言を行う、というもの。
【茫猿コメント】
大変大事な問題であり、不動産の評価に関わる専門家にとっては見逃せ
ない問題だと思います。(敢えて、不動産鑑定士とは申しません)
記事の詳細は下記のURLへ
http://www.jutaku-s.com/news/200002/20000221.html#2
【次いで、当該(財)土地総合研究所HPより、引用】
建設省平成12年2月 不動産投資市場整備検討会
今後の不動産投資市場の整備について(中間報告要旨)
バブル経済崩壊以降の地価の下落傾向の長期化や日本型間接金融シス
テムの機能低下等経済・金融環境が大きく変化している中で、日本経済
の再生を図り、将来にわたって安定的な成長を実現するためには、不動
産の流動化によって、経済全体のいわば動脈ともいうべき資金の円滑な
流れを確保することが極めて重要である。
中略
2 不動産投資顧問業のあり方
(1)不動産投資顧問業の登録制度
不動産投資顧問業者は、不動産投資ファンドの資産運用だけではなく、
広く年金基金等の分離勘定の運用(投資判断・実行)を行ったり、機関
投資家等が行う共同投資事業等について一任を受けたり、助言を行った
りするものであり、また、不動産投資ファンドについても、匿名組合、
信託、会社など様々なビークルのファンドの運用を行うなど、極めて広
範な業務範囲を有するものである。
様々な形態の不動産投資ニーズに的確に対応し、投資家保護を図ると
ともに、投資資金を適切な不動産事業に結びつけていくためには、ファ
ンドのビークルや顧客の種類にとらわれない横断的な不動産投資顧問業
制度の整備が必要である。
不動産投資顧問業の登録制度の基本的性格としては、登録に当たり、
申請をした不動産投資顧問業者が、一定の業務遂行能力を有し、適切な
人的構成を有していること等を審査し、一定の基準を満たす者の登録を
認め、登録簿を公開する制度とすべきである。また、登録を受けた業者
が守るべき投資家保護のための一定のルール(利益相反行為の禁止、契
約の際の書面交付等)を定め、当該業者が、違法・不当な業務を行った
場合は、登録を取消す等の措置により、ルールの遵守と不適格者の排除
を図り、登録を受けている業者の社会的信用を確立するような制度とす
べきである。
このような仕組みにより、投資家が登録を受けている不動産投資顧問
業者に安心して依頼できるようにし、不動産投資顧問業の業態の確立を
目指すのが適当である。
不動産投資顧問業制度の登録類型は次のとおりとするのが適当である。
[業務類型等]
[登録類型](仮称)
ⅰ助言業のみ・・・・一般不動産投資顧問業
ⅱ投資一任業及び助言業(兼業制限を行わないもの)・・第2種総合
不動産投資顧問業
登録の基準として、助言業のみを行うもの(一般不動産投資顧問業)
については、様々な助言形態があることから、小規模な不動産への投資
能力のみがある者でも登録を認めるのが適当である。また、法人形態を
要求せず、個人事業者でも可能とすることとする。
【茫猿コメント】
投資一任業に関しては、我々鑑定プロパーの関知するところでも、関与
できるところでもありません。しかし、助言業については、不動産鑑定
士、不動産カウンセラー、不動産コンサルタントが関与してしかるべき
処と考えます。
なのに、漏れ聞くところに拠れば、登録を認める者として例示されてい
るのは、しかるべく経験を積んだ宅建業者、不動産コンサルテイング技
能者等であり、不動産鑑定士等は例示対象になっていない様です。
鑑定士バッシングは昔のこと、今や鑑定士パッシングの時代に入ってい
るようです。先日は公認会計士協会から冷ややかな視線を浴び、今又土
地総研から無視されるとは。!(;_;)!  涙と共にお手上げのポーズ
【さらに続いて、中間報告より引用】
4 不動産投資市場の基盤整備
(3)不動産インデックスの確立
投資家が不動産投資顧問業者のパフォーマンスの良否を評価し、適切
な業者やファンドを選択できるようにするためには、平均指標としての
インデックスが不可欠である。
現状の取引慣行では各テナントの賃料は非公開が原則となっており、
これが正確なインデックス整備の障害となり、従来は基本的に自社所有
・管理の物件の賃料データを使った縦割りのインデックスが中心であっ
た。これは、賃料情報が公開されると、現行の取引慣行の下ではテナン
トの引抜きが容易であることから、やむを得ない面があったが、今後こ
れについては、守秘義務を負う第3者機関が各ビル所有・管理会社等か
ら正確な賃料情報の提供を受けてインデックスを作成する仕組みも含め
投資家の信頼にたえる不動産インデックスの整備について十分検討を行
うべきである。
(4)不動産の評価の方法及び仕組みの整備
不動産投資において対象不動産の時価評価は、投資家への情報公開上
根幹をなすものであるが、証券等のように組織的な取引市場による市場
価格がないため、投資家の信頼に応える評価手法の確立や時価評価を行
う仕組みの検討が課題になっている。
【茫猿コメント】
不動産インデックスについては、我々がモタモタしている間に、他業界
が先行し、更に速度を速めている。さて、どうするお歴々。
時価評価については、またもやという感である。建設省と土地総研とい
う、本来近くの親戚のはずが冷たいこと冷たいこと。向こうさんに言わ
せれば、「そうさせたのは鑑定士さん、あなた方よ」ということかもし
れません。
十年一昔二昔前に、安楽死を噂された業界がありました。鑑定業界も他
者から観れば、既に寝たきりなのかもしれません。
勿論、鑑定協会とて手をこまねいている訳ではない。カク云う茫猿も所
属する資料委員会・インデックス専門小委員会(高瀬委員長)で検討を
開始している。本日も後押し筋から、発破をかけられたばかりです。
しかし、残念ながら、業界全体が危機意識を共有しているとは、とても
思えないのが実感です。
※この専門委員会の件に関しては、別便にて詳報します。
以上の詳細は
建設省建設経済局不動産課または財団法人土地総合研究所までお問い合
わせ下さい。中間報告の掲載URLは次のとおりです。
http://www.tochi.or.jp/fudousan-toushi.htm
建設省へ、土地総研へ、国土庁へ、公認会計士協会へ
そして鑑定協会へも、声を挙げましょう。
建設的な意見をドシドシ具申しましょう。
沈黙は是認ととられます。

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