疾風迅速の果て

しばらくの間、ご無沙汰致しました。久しぶりに鬱状態になってしまい、本格的には未だ回復していないのです。バイオリズム的に云えばリズムの底にいるのかもしれません。梅雨のつかのまの晴れと糠雨の繰り返しみたいな状態です。その余波で、「鄙からの発信」にもここ暫くはまともなものを投稿しておりませんでした。


本日の夕刊に、かの「イ・アイ・イ-インターナショナル」が東京地裁から破産宣告を受けたとの記事が載っていました。負債総額は6千億円だそうです。朝刊には新生銀行(旧長銀)が「そごう」向けの貸出債権2千億円を預金保険機構に売却するとの記事が掲載されていました。いずれも、旧長銀関係の不良債権処理がようやく一つの決着を見ることとなったことです。「イ・アイ・イ」も「そごう」も話題になって久しく、まさにようやくという感じが一塩です。

不良債権処理が、遅々として進まず、そのことが結果として、債権額を拡大し、社会により広く深く影響を及ぼしているのに、別の世界では疾風迅速の勢いで、ITが革命的に進化している。 そんな状況に、茫猿は疲れを感じて鬱状態になっているのです。

あまりの速さについてゆけないと云うのが、本音です。不動産鑑定を取り巻く環境の変化もめまぐるしいものです。販売用不動産の強制評価減、時価評価、民事再生法、定期借家権、リバース・モーゲージ、M&Aと時価評価やDCF、或いは証券化、不動産インデックス、賃料インデックス等々、次から次へと新しい課題が生まれてきて、応接に暇がないというのが実情です。

何をどうしていったらよいのか、鑑定士としての軸足を何処に求めたらよいのか判らなくなっています。とはいえ右往左往することなく、一つ一つを着実にクリアしてゆくしかないのだろうとも思うのですが。

5月末に掲載した【Arec】も、その方向を模索するというか、激しい変化への対応策の模索と云いましょうか、そんな思いに駆られての行動です。何度も繰り返して申し上げておりますが、地価公示の事例カードすらもCD-ROM化されていない業界の現状に、疲れや苛立ちを通り越して、諦めにも似た感じを持っているのです。

業界の方々はつとにご承知のことですが、既にデジタル化されている事例カード1枚目(事例地の所在地や取引時点、地積、取引価格、事例地要因等が記載される)を統合ファイル化し、事例カード2枚目(所在地地図、所在地地形図)をイメージデータ化して、両者をリンクさせてCD-ROM化するという、至極当たり前のことすらも、未だに大半の
地域地区では実現していないのです。

そして、そういう変化に一見した処は対応しているように見えながら、その実旧来のスタイルを墨守するかに見える公的評価の在り様なども鬱状態に茫猿を追い込むのです。

当然のことですが、地価公示事例カードを作成する基礎となる原始データに至っては、デジタル化も統合ファイル化も実現していません。そのような状況で、賃料インデックスを作成するために、賃料データや建築データをデータファイル化しようという試みがドンキホーテにならざるを得ないのはやむを得ないことでしょう。

しかし、鑑定業界を取り巻く状況が大きく変わりつつあるなかで、取引事例や賃貸事例等、基礎データのデータベース化や固定資産税標準地価格の地図情報化などは避けて通れない課題だと考えるのです。勿論、都市圏では、そういったデータの多くが外部或いは外縁業界の手によって、データベース化され、市販される状況に既にたち至っていることも承知しています。そして、基礎データを鑑定業界以外の手に委ねるというか頼るという状態が、将来的に何をもたらすのだろうかとも考えます。杞憂であればよいのですが。

二日ほど前には、以下のようなEmailが届きました。斯界の方々には驚きでも何でもないのかもしれませんが、イントラネットを構築するには多額の費用がかかりメンテナンス費用も馬鹿にならないと承知していた茫猿に驚きを通り越して、何がなんだか判らないというのが正直なところです。

Intranetsの無料サービスが現れたのです。多分広告収入か、それともグレードアップ費用に依存して運営されているのでしょう。驚きです。クリカップルして覗いてみてください。

【以下は、受信Emailの引用です】
こんにちは。イントラネッツ株式会社の○○と申します。
弊社の無料イントラネットサービス<<イントラネッツ>>をご紹介させて頂きます。
●イントラネッツとは?
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梅雨の紫陽花の如く、赤くなったり青くなったりしている茫猿でした。
しのび雨 濡れなばひかる 紫陽花哉

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