モバイル通信とCAD

【茫猿遠吠・・モバイル通信とCAD・・01.11.05】
 以前に、岐阜県士協会の現況と題して士協会の情報交換手段としての
WAN並びにグループウエアの稼働状況について報告しましたが、この
士協会WANに移動先や自宅で接続すると便利であろう考えた結果、茫
猿はモバイル通信手段の利用を始めました。このモバイル接続は同時に
インターネットへの何処でも何時でも接続を可能にしました。


 今回の記事はその利用報告です。尚、この報告はADSLやCTVなどブロー
ドバンド対応手段の選択肢が広い都市圏の読者には無縁のものです。
基本的にISDN程度しか選択肢がない鄙の読者向けの記事です。
 単位会でのWAN構築や、個人でモバイル接続をお考えの向きには、何
かの参考になると考えます。
※WAN ワン;wide area network
 広域情報通信網。離れた場所のLAN同士を接続するネットワークのこ
と。一般の電話回線やISDN、専用回線などを介して接続する。接続には
モデム、ターミナルアダプター(TA)、ブリッジ、ルーターなどの機器
を用いる。現在の主流は、ISDNや専用線を介し、TAやルーターを使って
実現するタイプ。
 岐阜県士協会では士協会事務局に設置するサーバー (事務局内LANサー
バー)と公衆用回線で会員事務所PCを結んでいる。
 モバイル接続手段としては、DDIポケットが提供する「AirH"(エアー
エッジ)」を採用しました。AirH"はPCカードスタイルのモデム及び通信
機能です。ノートパソコンのカードスロットに挿入して使用しますが、
アダプターを利用すればスタンドアロンPCでの利用も可能です。以下
はDDIのウエブサイトからの引用も交えた茫猿の利用状況です。
引用文は冒頭に◎印を付しています。正しくはDDI提供のサイトをご覧
下さい。
◎DDIポケットが提供する「AirH"(エアーエッジ)」は、パケット方式を
活用した新たなデータ通信サービスです。今回、既存の64kbpsPIAFSで
のデータ通信に加え、パケット方式を利用することにより、信頼性の高
いデータ通信環境を提供しています。
◎AirH"(エアーエッジ)は、32kパケット方式で定額使い放題(最大
32kbps)
の接続手段であり、つなぎ放題コースの月額基本料は年間契約割引後
であれば4,930円です。
(茫猿)通信エリアが都市部に限定されがちなDOCOMO・P-INに比較すれ
ば鄙の住人に向いているのが茫猿が採用した利用です。
AirH"
http://www.ddipocket.co.jp/data/air.html
DOCOMO・P-IN (AirH"と同様にPHS通信で、カード型モデム採用、接続
エリアが限定される)
http://www.nttdocomo.co.jp/products/phs/lineup/p-in_compact/
 AirH"(エアーエッジ)の難点は、接続プロバイダーが限定されること
です。全てのプロバイダーが対応しているわけではなく、対応している
プロバイダーもアクセスポイントが限られており、地方では遠距離通信
になってしまいます。この解決手段が、次に説明する「PRIN」です。
◎「PRIN」は「 PROVIDER INCLUDED」の意味で、 DDIポケットが提供す
るプロバイダーサービスです。
「 PRIN」は、 H"(エッジ)やポケット電話を利用しているお客様なら、
インターネットを利用する為の面倒な登録手続きや月々の基本料が不要
で、 feel H"や H"・ポケット電話、 Card H"を手にしたその場からイ
ンターネットをご利用頂けます。
◎またプロバイダ契約が不要です!
feelH"・H"(エッジ)またはポケット電話、 CardH"64を ご利用のお客様
ならどなたでも、プロバイダに契約しなくてもインターネットを ご利
用頂けます。
◎登録不要!
PRINは、お申込みなどの面倒な登録手続きがありません。また、登録料
も必要ありません。
◎月額基本料が不要!
PRINはご利用時間に応じて課金される完全従量制。月額基本料は必要あ
りません。 全国一律料金! PRINをご利用の際の通話料は、全国どこか
ら利用しても同じ料金。したがって、アクセスポイントを変更する必要
がありません。(最大料金2000円)
以上サイトよりの引用終了
 以上、佳いことずくめの様ですが、問題が無いわけではありません。
32kパケット方式ですから接続速度には不満が残ります。テキストデー
タ中心の送受信であれば、それ程の不満はありませんが、イメージデー
タや大量データの送受信には不満が残るでしょう。
 しかし、WAN及びグループウエア「Cybozu」導入後の岐阜県
士協会ではファクシミリの送受信が激減しています。さらに電子会議室
や回覧板を利用したサイバースペース上での会議も徐々に増えつつあり
ます。いわばサイバースペース鑑定会館を建設したようなものです。
 導入当初に聞かれた、「判らない」、「紙の方がよい」、「毎日、W
ANに接続してNEWSを見るのは強制されているようで嫌だ」等と云った
意見も次第に影を潜めつつあり、朝、事務所に来たらPCの電源を入れ
て士協会WANにアクセスすると云った習慣が会員の多くに身に付いてき
たように見受けます。
 そして一旦この便利さに慣れた多くの会員にとっては、もう手放せな
い道具になってきたようです。その次がスタンドアロンPC接続から解
放されて、モバイルPCからの何時でも何処でも接続へと要求が進化し
たという訳です。
 会員のWeb Site上での意見発表やデータ提供も次第に活発に
なる傾向にあり、ナレッジマネージメントの充実にも大きく寄与してゆ
くモノと予想できます。
 そういうPC利用進展の一つの方向が、地価調査要覧のCDROM化
であり、CADシステムの導入にも現れています。
地価調査要覧CDの完成は予定より2週間ほど遅れましたが、11/1付け
で全国の単位会宛に送らせて頂きました。まだまだ改良すべき点は幾つ
かございますが、一度御覧頂いてご意見をお聞かせ願えれば有り難く存
じます。また同様のCDを単位会で作成したいとお考えの向きには、仕
様や予算額などを何時でも公開させていただきます。
 CADシステム導入も最近実施された事業です。不動産鑑定誌にも広
告が掲載されている「TP-PLANNER」を3セット導入して、現
在作業進行中の地価公示全標準地の収益価格試算の基礎となる想定建物
図面作成に着手しました。
 既に予想以上の成果を挙げつつあり、今年度の地価公示収益価格は試
算基礎が強固且つ確実な資料に裏打ちされたものとなるであろうし、各
データのファイル化に伴うデータ解析も行われることでしょう。
 同時に収益価格試算工程の精度強化は比準価格試算工程にも波及し、
数値比準表の採用や比準表仮説を実際業務に適用して検証するという作
業の充実にもつながるものと考えています。
 更に、そういったデジタル化の進捗が、近い時期に鑑定評価の裾野を
大きく拡げてゆく有力なツールとなるであろうと茫猿は大いに楽観し、
期待しているのです。

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