不動産投資INDEX その3

【茫猿遠吠・・投資INDEX その3・・02.08.27】
 さて、北海道会から頂戴した資料に基づいて、当該事業の経緯を追いかけてみ
ましょう。予めお断りしておきますが、当該事業は実際データに基づくモノで、
また精緻なモノでありますから、随所に固有名詞が存在します。
 したがいまして、固有名詞の仮称採用は当然のことですが、数値のラウンドも
筆者の責任において行っていることをご承知おき下さい。
 事業実施初年度に於ける事業の経緯  『』内は茫猿の感想です。
H12.6.23 第一回委員会開催(委員9名 委員長吉田氏)
 不動産投資INDEX事業の企画書を北海道会理事会に提案し、その承認のもとで、
担当するデータベース委員会を発足させ、第一回委員会を開催する。
『担当委員会設置に至るまでの、企画書作成、理事会提案、そして理事会の承認
を得るまでの御盡力を推察すれば、作成提案者の努力とそれを前向きに迅速に検
討された役員会の意識の高さを思います。』
H12.9.5 第二回委員会開催
 インデックス作成地点を2地点設定することとし、設定画地の検討を行う。
H12.9.19 第三回委員会開催
 候補地を決定し、評定作業及び資料収集方法について検討する。
H12.10.6 第四回委員会開催
 想定建物の設計、建築費積算を建築士事務所やゼネコンに外注することとし、
外注候補先より積算見積書を取り寄せ検討を行うと共に、外注先を決定する。
『設計図面及び建築費積算を外注することは経費的負担はありますが、とても重
要なことであり、それぞれの専門家の知恵を借りるに躊躇は無用であり、最適の
選択をされたと考えます。同時にこの外注は、札幌市における実際建築費推移動
向を知る上で、とても重要な資料を得ることとなります。』
H12.11.29 第五回委員会開催
 外注成果物の納品をうけて、事例カード化するとともに、賃貸事例物件候補地
を検討する。
『やみくもに、賃貸事例を調査するのでなく、調査対象候補地を絞り込む作業は
調査の効率化を図るモノであると同時に、基礎資料の質的平準化を図るモノであ
ろうと考えます。外注を選択されたことも含めて、この辺りが本調査事業の実施
ノウハウといえましょう。』
H12.11.29 第六回委員会開催
 賃貸事例調査候補地を検討・選定し、表計算ソフトでもって収益事例カード作
成に着手する。
『表計算ソフトによる事例カード作成モデルは、本会インデックス委員会の検討
結果を踏まえて作成されたとのことです。』
H12.12~H13.1 
 某データバンクに、委員会で選定した調査対象候補事例物件の実際支払賃料、
一時金額、空室状況、実際建築費等の調査を委託すると同時に、会員他に同調査
対象候補物件に関わるデータ提供を求める。
『茫猿が目から鱗が落ちた思いがしたのは、このことです。茫猿は事例調査は自
分たちが汗を流して行うものと思いこんでいました。都市圏ならともかく地方圏
では代価を支払う意志があっても、それに先立つ不動産取引・賃貸情報流通市場
がありません。せいぜい居住物件中心の募集賃貸情報誌が存在するだけです。
 調査専門業者に調査委託するという発想こそが、事業成否を分けたのではない
かとさえ思うのです。』
H13.1~H13.2
 担当各委員が分担して、調査対象候補地の公簿データの収集、現地実査等を行
い事例地の投資インデックスを算定する。
H13.2.19 第七回委員会開催
 各委員の試算結果を持ち寄り、賃料水準、空室状況、物件特性等について検討
を行う。
H13.2~H13.3
 各調査候補地点について、各委員が同時に複数評価を行う。
H13.3.7 第八回委員会開催
 各担当委員の試算成果を報告し、相互に検証を行う。
『この一連の作業は、一月から三月にかけて行われています。地価公示業務終了
後の比較的閑散期であり、特に北海道では厳冬期でもありますから、作業時間は
得易かったのかもしれません。ただ、今年度(H14)は固評標宅評価納期に近く、担
当委員諸氏は日程のやり繰りが大変であり、繁忙を極められたようです。』
H13.3.22 第九回委員会開催
 各委員が試算したインデックス評価の一本化、投資収益率推移、リスクリター
ン分析等を行い、調査報告書を作成する。
『さらっと、書かれていますが、報告書取りまとめ作成責任者の御労苦がしのば
れます。一連の作業の自動化と申しましょうか、情報ネットワークを整備し、テ
キストデータのエキスポート・インポートによって大半の作業が進められるよう
にできればと感じました。』
『半年間において、延べ九回の委員会を開催するだけでなく、その間において各
担当委員は、現地実査、役所に於ける公簿調査、各々の事務所に於ける演算・試
算作業等々、実に精力的な作業ぶりであり、頭が下がります。
しかも、伺えば一連の業務は全てボランティア活動であり、多少の委員会経費に
よる費消はあったかもしれませんが、献身的御盡力と思えるものです。』
『賃貸事例地についても、施工床面積(登記床面積とは異なります)、各階有効率、
実際空室損率、建物品等比較比準表等々がこと細かく記載されており、固有情報
故にWeb Siteに掲載できないのがとても残念です。』
・・・・・・・本日これまで 続く・・・・・・・

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