週刊金曜日記事について

【只管打座・・週刊金曜日記事・・02.12.03】
 『鄙からの発信』でも度々取り上げている「週刊金曜日」について、
最近の記事にはいささかの違和感を感じていますので、その件について
語ります。
 最近の週刊金曜日は、茫猿が納得し共感できる記事と、違和感を感じ
る記事が混在する割合が高くなったように考えています。
特に、11/15の「曽我ひとみさんの家族との単独会見記」掲載には違和感
を感じていました。その違和感の正体について納得できるものに出会い
ました結果が、本稿です。
「週刊金曜日」
http://www.kinyobi.co.jp/Recent
 このインタビュー記事に関しては、様々な意見があり、意見が多様で
あること、そして、ジャーナリズムの本旨として知らしめることに全力
を注ぐこと、等々は概ね肯定できます。しかし、日頃週刊金曜日が、標
榜していた報道姿勢とは何かそぐわないと感じていました。
尚、編集委員の一人である「落合恵子」氏が「曽我さん本人に掲載の了
解を得ていない点を、残念に思う」とコメントしていたことには共感で
きるものです。
 この件について、ZORRO-ME.COMの宮崎学氏は、まことに
明快に次のようにコメントしています。(以下は部分引用です)
http://www.zorro-me.com/miyazaki/index.html
http://www.zorro-me.com/2002-12/011205ag.html
★売れるから載せる、で十分やないか?
 雑誌が売れると判断したから出す。これで十分や。そもそも入手した
情報を世に出すのが、報道の責務である。ただし、掲載した記事に対し
て批判があれば、それも掲載する。これが正しい報道のあり方ではない
か。
★取材に応じるのはメリットがあるからだ
 今回の記事に限らず、取材に応じるという行為は、その時点で被取材
者に何らかのメリットがあるのが通例だ。中には損得も考えずに取材に
応じる者もいるだろうが、それはカメラの前で堂々と昨日やったエッチ
の話をするバカカップルくらいや。
★取材する側が問うべきこと
 それでは、週刊金曜日の記事の場合、どう出すべきだったのか。
 マスコミの基本であるが、入手した情報を掲載する際には、それが正
しいかどうかをまずは自分たちで検証する必要がある。〃裏を取る"とい
うことだが、今回の記事はそれが十分ではなかった部分が、俺には感じ
られる。非常に大事な情報が欠落しているのだ。インタビューに答えて
いる者がどんな立場の人間なのか、どこにも書かれていない。
 立場といっても、元脱走米兵だとか、平壌外国語大学の学生である、
ということではない。北朝鮮ではすべての国民は51の身分制度で分類
され(頂点は労働党の核心階層である「労働者」、最下層は第2次大戦終
戦後に個人財産を没収された旧資本家」。ちなみに帰国事業で北に戻っ
た「日本帰還民」は32番目)、あらゆる面で階層ごとの制限が敷かれてい
るという。各身分を向こうでは「成分」というらしいが、彼らがどの成
分なのかということが、どこにも見当たらない。
(引用終了)
 宮崎氏の論評の詳細は、前記のURLでご覧下さい。
茫猿は溢れる北朝鮮パッシング一辺倒であるマスコミの対応、特に情緒
的あまりにも情緒的対応を、一番に危惧しています。北朝鮮憎しだけの
情念的報道が何をもたらすのか、判っているはずなのに、それに傾斜し
てゆく日本のマスコミの幼さを危惧します。
 何も、朝鮮併合の歴史にまでさかのぼらなくとも(歴史を正確に知る
ことはとても重要ではありますが)、1978年頃に拉致事件が勃発して以
来、日本国民保護に全力を傾けてこなかった政府の責任が問われなくて
はならない。このような事件の再来を防ぐためにも、国家というものの
存在意義を再確認するためにも、自国民保護という基本的視点から、こ
の問題を再検討しなければならないと考える。
 今回の彼等被害者は不当に拉致された人々であり、20年以上も故国か
ら放置された被害者でもある。このことを思うときに、戦争という異常
事態下にあったとはいえ、中国残留孤児のことを考えざるを得ない。
 彼等もまた、事実上或いは意図的に、日本国によって戦後においても
海外に放置された日本国民なのである。
 イージス艦のインド洋派遣が国益にかなうものであると云う、政府高
官に問いただしてみたい。
「自国民保護を忘れた国家が、国益など言えるものなのかと」
・・・・・・いつもの蛇足です・・・・・・・・・
 このところ、田中宇(サカイ)氏の国際ニュース解説にはまっています。
ほぼ同じくらい、田口ランデイ氏の癒しエッセイにもはまっています。
・田中宇氏サイト
  http://tanakanews.com/
・田口ランデイ氏サイト(田中氏サイトからもリンクあり)
 http://journal.msn.co.jp/index/column01.htm
・・・・・・・本稿終わり・・・・・・・

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