君、棄権することなかれ

【茫猿遠吠・・君、棄権することなかれ・・03.03.21】
 会長選挙の投票締め切りはもう少し先かと思っていたら、
春分の日に投票用紙が送られてきた。
投票締め切りは4月3日必着である。
 会長候補者へ、公開質問を行おうと考えていましたが、
日程的に無理となってしまいました。
選挙管理委員会も小難しいことを云ってるようだし。
そこで、投票資格を有する読者諸君にお願いしたい。
 『君、棄権すること、なかれ』
 よく耳にする話に、日本不動産鑑定協会への不満話がある。
曰く、「協会は何をしているのか、さっぱり見えない。」
曰く、「協会に何も期待できない。」
曰く、「協会は無力だ。困ったものだ。」
曰く、「理事会は形骸化して、追認機関化している。」
 よく言われることに、「国民は、自分たち以上の政治家は得られない。」、
「議員を非難することは容易いが、その議員を選出した選挙民の責任は何処へ
いったのか。軽々に議員を非難するのは、天に唾する行為である。」
 もう数年以上も前のことになりますが、茫猿が鑑定協会理事として理事会に
出席していた折りに、ある議案について茫猿は反対の意思を表明したことがあ
ります。理事会では、茫猿の反対意見は聞き置くとし、賛成多数で議案が承諾
されようとしました。
 そこで茫猿は、ことの重大さに鑑みて理事の責任を議事録に残すために、
記名採決を求める動議を提出しました。しかし、前例がないとのことで、
動議は無視され賛成多数で議案は承認されました。
 定款の規定にしたがって理事提出の動議案を、採決に付すこともなく葬り去
り、事なかれ主義の理事会は何事も無かったように終わりました。
 後ほど、席を替えての懇談の場で、「茫猿さんの云うことはもっともだ」と
いう声も幾つか聞きましたが、全ては後の祭りであり、今更のことでした。
 この一事をもって、理事会を批判するのは容易い。
しかし、批判されるのは理事会ではない、少なくとも理事会だけではない。
 無関心に慣れきり、無力感にさいなまれることもなく、不平と不満と愚痴を
こぼすことに終始する会員こそが責められなければならない。
 今の鑑定業界を取り巻く状況は厳しい。事を起こすに既に時を失しているの
かもしれない。誰を選んでも状況を変化させることは叶わないかもしれない。
しかし、諦めてしまえば何も変わらない。会長・副会長選挙そして一部選挙区
で実施される理事選挙に会員がどのような姿勢で臨むかが問われている。
そのためには、先ず棄権しないこと。そして最善の選択は望めないにしても、
次善の選択を行う努力をすることが、状況打破の一歩だと考えます。
 選挙公報や支援文書から、選択の条件を見出すことは難しいかもしれない。
各候補者ともに抽象的文言が多いし、日本社会における公約は膏薬程度の意味
しか持たないから。最近話題のマニュフェストが示されている訳でもないし。
 それでも、選挙公報から幾つかの選択肢が見えてきます。
それらの選択肢を是とするか、非とするかは、諸君の判断です。
・所信や公約から、候補者名が浮かぶか、浮かばないか。
・他の候補者が言っていない、独自の表現や項目があるか、ないか。
・現職か、新人か(安定性の現職、変革の芽を期待する新人)
・是非判断は分かれるだろうが、E.Mailアドレスを公開するか、しないか。
・これも是非判断は分かれるだろうが、大組織所属か、否か。
・そして、現に鑑定評価に携わっているか、いないか。
 専門職業家としての矜持を持って、棄権だけは避けよう。
 最善の選択は望めなくとも、せめて次善の選択を行おう。
・・・・・・いつもの蛇足です・・・・・・
 密やかに囁かれている、空恐ろしい話があります。
協会役員は、所管庁に受けが良くないとだめだ。
受けの悪い役員を選ぶと、鑑定業界は益々悪くなる。
 この話に信憑性があるかないかなどと云うことは、どちらでもよい。
問題は、この手の話がまかり通る、鑑定業界の底の浅さであり、
この手の話で、籠絡される会員の資質が問われているのです。

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