入力と出力

【只管打座・・入力と出力・・04.01.05】
正月も5日、今日からいつもの日々が始まります。
年々歳々、同じような日々でいて、決して同じではない日々が続きます。
年頭の挨拶にRESを頂きました。
・七歳年長のN氏から
面白い年賀有り難う、年男はまだ青二才、
隠居みたいなこと言わないで、100歳まで頑張れ。
・5歳年下のM女から
還暦のお祝い??お食事会を皆で出来たらと思っています。
一休和尚の句を間違えました。「正月や」は記憶違いで、
「門松や 冥土の旅の 一里塚」が、正解です。
元日の夜はNHKのウィーン・フィル「ニューイヤー・コンサート」
中継で過ごしました。
毎年馴染みのある曲の演奏で、蜜柑の皮をムキながら聞いて見てますが、
今年は、また面白かった。演奏も画面も面白かったことです。
客席に日本人がはっきりと見えました。
右手の二階桟敷席舞台寄り最前列に羽織袴の日本人夫妻が見えました。
たぶん、一年も前から予約して切符を手に入れたのでしょう。
タキシードが目立つ中で、羽織袴が異彩を放っていました。
曲目の中では「天体の音楽」がとても美しかった。
演奏も宇宙を思わせたし、画面も豪華な音楽堂の天井画をはじめ、
俯瞰する位置から、客席や楽席を見事に描き出していた。
プログラムの途中で、シャンパンで乾杯するオーケストラなんて
初めて見ました。
指揮者の賀詞は、「音楽の心はチャイナもジャパンもユーエスエーも
イラクも同じ、音楽を通じて世界に平和を」と、聞きましたが、
たぶん大きくは違っていないでしょう。
アンコール最終曲は、いつもの「ラデツキー行進曲」
茫猿の着メロですから、茫猿も画面に向かって拍手し、
手拍子を打っていました。
同じ譜面なのに、毎年違う演奏ですし、当然、着メロとも違う曲のよう。
音楽とは面白いものだと思います。
詩が朗読者によって、受ける感慨が違うように、
絵画が飾られる場所や照明によって、趣が変わるように、
譜面も指揮者や演奏者によって、大きく変わることが、
今さらのように不思議です。
コンサートに続く番組で、犬養美智子氏と養老孟司氏が対談していました。
なかで、次のようなフレーズが印象に残っています。
・リーダーの条件とは、現場に出ること、部下の気持が判ること。
・入力と出力を並行させること、即ち脳で受けとめたことは、身体で表現する。
・それは文武両道ということであり、知行合一ということである。
・現代は、世論が割れているのでなく、ひとりひとりのなかで心が割れている。
元日の午後に、お千代保稲荷で止揚学園の皆さんに年賀を届けました。
二時間ほど、お付き合いして、参拝者に「暖かい心をお願いします。」と、
声を張り上げました。おかげで、二人ほど知り合いに出会い、
少しは募金に協力できたようです。
偏見ではないのですが、
身なりの佳い多くの紳士淑女は目線をそらして行き過ぎるなかで、
茶髪ピアスの若者が、コインを投じてくれるのはとても嬉しいものです。
小さな子供達が、ポケットから小銭を投じてくれるのも嬉しい。
「ありがとう」の声が弾みます。
福井先生や面条先生は、募金の多寡よりも、募金行為に意味や意義を感じて
いると、云われます。
岩手や四国石鎚に帰省した保母さんも帰省地で募金を行っているそうで、
ほんの少しその活動に参加して、また一つ爽やかな思いを新たにしました。
帰り際に、頂いた止揚学園手作りクッキーが、空きっ腹にとても美味しかった。
ボランテイアとか社会福祉とか募金とか
言葉を踊らせているだけでは、脳内入力に止まっているのであり、
冷たいコンクリートの坂道に立って、行き交う人々に声を挙げて、
協力を求めること、即ち身体で出力することで、
判ってくる何かがある。茫猿もまた一つ覚え(オボエ)ました。

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