総会に出席して

【茫猿遠吠・・総会に出席して・・04.06.16】
 H16.6.15開催の日本不動産鑑定協会総会に出席し、あらかじめ通告した質問を行い、会長はじめ担当役員氏のご回答を頂きました。議案審議は執行部提案の事業報告・決算案並びに事業計画・予算案が賛成多数で可決されました。
 


 賛成多数といっても、執行部の元に委任状が1900通強集められており、当日出席した「100名強の会員の賛否などどちらでも良い」と、あらかじめ予定されたシナリオどおりの展開でした。
 質問に対する回答も含めて、結果は予想されたところではありますが、結果は結果として、お伝えしなければならない幾つかのことがございます。その内容や感想などは追い々に記事にしてまいりますが、そのことはさておき、岐阜に戻りましたら、こんなE-Maillが届いていました。
『E-Maill 引用』
 鑑定協会の総会に出席ご苦労様です。
ADR についてやっと真っ正面から取り組む姿勢を見せられて頼もしく思います。惜しむらくは情報が遅いといいたいのですが、それを言うと怒られますからやめときます。(引用終了)
 E-Maill氏の仰有るとおりです。
小生が情報を得るのが遅いと云うよりも、ことの本質を理解していなかったのが原因です。 この点に関しては、サイト上で自らの不明を恥じており、「No.04/0614省みて、ことの本質」記事にて、その述懐を述べているとおりです。ADRと協会の在り方がリンクしていると気づくのが遅すぎたのはご指摘の通りでありますし、その点に関して、小生のセンサーもセンスも、真っ赤に錆び付いていたことです。
E-Maill氏は、折にふれて、茫猿を遠慮無く叱責される方でして、小生は面識を得ておりませんが、しかし、茫猿の過ちを正して頂ける得難いオンライン上の畏友と考えております。一年前にも役員選挙候補者への公開質問の件では、このような叱責を頂きました。
「なんたる怠慢ぞ、いささかがっかり致しました。まあ、これもいろいろ事情があろうから、いた仕方が無いが。毒舌も錆ついたかと解釈するのは失礼か。」
 この御叱責の御陰で、急遽公開質問を行い、その結果が今回の問題に関して「一種の踏み絵」になっているのは、偶然とはいえ奇しき暗合を感じます。
 茫猿は、まだ遅きに失したとは考えておりません。こと終われりとも考えていません。今回の総会はこの問題の出発点であると考えています。士法制定課題について、ADRについて、サイト『鄙からの発信』を通じて、私なりの活動を今後も継続して参りたいと考えています。
 さて、総会報告を記事にする前に、法改正とか不動産鑑定士会問題について、僅か一年前に役員諸氏はどのようにお考えであったか、振り返ってみたいと存じます。
 2003.03.22に以下のような質問を役員候補各氏にお届けしました。なかで、数名の方からお答えを頂き、サイトに掲載しましたが、改めて各氏の御所見を、確認してみたいと思います。
 士法制定を目指すべきか否かについて、質問主旨に賛意を示されたのは、横須賀会長、清水副会長、山本副会長の三氏であり、十分に議論すべしとお答えになったのが中島副会長、消極的見解を示されたのが増田副会長でした。阿南候補(現副会長)はお答えを頂けませんでした。
 正副会長六名氏のうち、会長を含めて三名氏が士法制定に賛意を示されており、残る三名氏も一名はご意向が不明ですが、消極的な方も含めて議論は行うべきと答えられています。
 でも、この一年間の審議結果は、ご承知の通りの事業報告となって示されているのです。真剣に議論された経緯も見えませんし、聞こえてまいりません。会員の意向が問われた形跡もありません。各氏はいかなる理由から心変わりされたのか、改めて伺いたいものです。
 茫猿はこれからも、ADR問題と士法制定課題をメインテーマとして『鄙からの発信』を運営してまいります。鑑定協会役員諸氏に限らず、皆様のご意見をお寄せ下さい。立場上、匿名がご希望であれば匿名にて掲載させて頂きます。
(役員候補へ公開質問)
【茫猿遠吠・・役員候補各位に伺います・・03.03.22】
(問8) 今や、その時機は過ぎ去ったのかもしれませんが、鑑定業法を脱して鑑定士法を目指すお気持ちはありましょうか。如何に迂遠であろうとも士法を目指す。少なくとも実態として士法に近づけて行くお気持ちはありましょうか。
 その端緒は、資本金や所属鑑定士の数で区分される業者会費規程を廃して、鑑定士等会費に一本化することから始まると考えますが、如何お考えでしょうか。
http://www.morishima.com/cgi-bin/np_boen/newspaper.cgi?action=view&code=1048449304
横須賀 博氏のご回答(現会長)
(問8)主張の通りです。
中島康典氏のご回答(現副会長)
4 鑑定協会の有り様について
公益法人である以上、特定少数の業益のみをめざす法人のそしりを受けないように、公益事業の一層の充実を図るべきであると思っています。
また、鑑定士法については、鑑定協会として十分議論すべきものと考えます。
清水文雄氏のご回答(現副会長)
問8  私は、一貫して士法を目指しており、とりあえず日本不動産鑑定(士)協会から始めようとしておりますが、それ際も賛成されない常務会が実態であります。業者会費規定を廃することとなれば、会費値上げの問題その他いろんな理屈で常務会で紛糾するでしょう。だから会長以下大変革をせねば鑑定協会は変わらないのです。
増田修造氏のご回答(現副会長)
問8について
 士法が全てを解決してくれるとは思いませんし、何十年も叫ばれながら一歩も進んでいない現状を直視して議論をする必要があると思います。ある部分でそのような考え方を取り入れていくのはよいと思いますが。
山本道廣氏のご回答(現副会長)
(問8)貴見のとおりです。
足立良夫氏のご回答(現理事)
(問8)<回答>
 法律を改正することは難しいと考えます。協会規程を変え、会費の一本化による実質上の「士法」的な運用には賛成します。

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