情報システム整備

【茫猿遠吠・・情報システム整備・・04.09.05】
前号記事「事例と情報保護・・取引情報悉皆調査から取引情報開示まで、並びに保護ガイドライン」に関連して、茫猿が準備しなければならないと考えるシステムについて少し説明したいと思います。


茫猿は鑑定士ですがIT専門家ではありません。せいぜい、門前の小僧が経を読む程度ですから、用語等について誤りがあるでしょうが、その点は容赦して下さい。また、茫猿が理解するシステム概要ですから細部において不正確な表現があるであろうこともご留意下さい。
1.クライアント&サーバーシステム
事例収集新スキーム案を実現する際に、データ作成・管理・共有をどのようなシステムで行うかは重要な事項である。
特に情報保護・情報漏洩防止の観点から、大量データを複写拡散してしまうことは避けなければならない。データの複写拡散は漏洩につながりやすいし、アクセス権管理上からも困難な問題点を抱えてしまう。
望ましいのはサーバーにデータベースを置き(士協会事務局、幹事会事務局)、評価員は必要に応じてサーバーにアクセスし、必要データを限定的にダウンロードもしくは印刷して事例調査を行う。次いで調査結果をサーバーファイルに入力するというシステムの採用が好ましい。
評価員鑑定士はサーバーファイルを共有して、閲覧は可能であるが一括ダウンロードは不可能というシステムを採用すべきである。これによって、不用意なデータ流出は避けることができるであろう。
端的に言えば、FD、MO、CD-R等の脱着可能で携帯や複写が容易なメデイア利用は避けるべきというより、それらの使用は情報漏洩につながるものであり、未必の故意を問われる可能性が高いと云える。
また、サーバーを事務局内設置は、物理的安全措置をとる上で、様々な問題を引き起こす可能性が高いから、専用レンタルサーバーやサーバーハウジングサービスの利用を検討すべきであろう。
「client server」
ソフトウェアやハードウェアのシステムを、処理の中核を実現する「サーバ」
と、そのサーバが提供するサービスを利用する「クライアント」に分けて実装するアプローチ。
すべての機能を単一のソフトウェア/ハードウェアで実現するアプローチと比べ、システムの階層化によって個々の機能が単純化し、システム開発や保守が容易になるとされている。
特に1つのリソースを多数のユーザーが共有しなければならないような用途(ファイル共有やデータベースなど)は、リソースの管理を行うサーバプログラムとユーザーサイドで動作するクライアントプログラムに分けて実装するのが合理的なやり方となる。 『アスキーデジタル用語辞典より』
2.ブロードバンド・ネットワーク
クライアント&サーバーシステムを採用するとして、同じ建物内或いは隣接建物内であれば、LANを組めば直ちに可能であるが、複数の都市間に距離をおいて存在する評価員・会員事務所を専用線で連結することは大変である。
不可能ではないものの莫大なコストが必要となる。
そこで、WANシステムの採用を奨めるのである。
「Wide Area Network」 (出典は上記に同じ)
通常はLANに対比して使用される言葉で、遠隔地にあるコンピュータ同士(LAN同士)を公衆回線網を使って接続したネットワークのこと。
ただし、インターネットをそのまま利用することは奨められないのであり、イントラネット或いはVPN等の採用を奨めるのである。
例えば、Bフレッツ又はフレッツADSLを採用して、定額通信費により通信費用を低額にし、NTTフレッツグループORフレッツオフィス等を採用して、高いセキュリテイを備えた高速ネットワークの実現を図るのである。
ごく近い将来に必要となるであろうし、只今でも利用可能であれば利用したい、写真や地図などの大容量データの転送が容易なシステム採用が求められるのである。
ちなみに04年度において岐阜県士協会が採用したBB-FGシステム導入費は次の通りである。
・事務局バックボーン等 約300千円
・事務局サーバー更新費 1,000千円
・NTT-FG導入(45名)費   200千円  小計1,500千円
・事務局月額通信費   約 50千円~200千円 (システム内容により異なる)
・会員側初期導入費   30千円~50千円 (初期設定費を含む)
・月額通信費      3千円前後
※50名前後の規模の士協会における月額維持費は総計200千円~300千円である。
会員一名当たり4千円~6千円である。
※士協会事務局との通信のみに掛ける費用とすると高い感じがするであろうが、詳しい説明は避けるが、ブロードバンド自体はインターネット利用にも当然かつ安全に使用できるものである。また、士協会事務局との交信において事例作成のみならず広汎な連絡・伝達・広報手段として利用できることを考えれば安いものである。
特にグループウエアを採用すると、緊急時を除けば電話・ファクシミリ・郵書連絡を大幅に削減できるし、FD十枚以上の大容量データも簡単に且つ安全に送付できることを考え合わせればトータル通信コストは随分と軽減できるとも云える。
※グループウエア(岐阜会はサイボウズ利用)を利用すれば、会員同士の連絡、分科会連絡、役員会・委員会連絡が行えるし、情報ファイル伝達も行える。
詳しくは『鄙からの発信』にてCybozuまたはサイボウズで検索して下さい。
サイボウズ(Cybozu) http://office.cybozu.co.jp/cb6/index.html
3.分散処理の重要性
データは集中管理の方が便利且つ安全だと考えがちである。
しかし、実情は大規模システム構築費用、多数のアクセスに耐える回線容量、システムダウン時のバックアップなどを考えれば、分散処理システムの方がはるかに低額・安全である。
鑑定協会一本のシステムにして、最繁忙時の年末年始にシステムダウンするリスクを考えれば自明のことである。
情報漏洩についても、限定された評価員のみがアクセスする小規模システムであればこそ、顔の見える範囲での利用であり相互保証担保とも云える人的安全システムが機能するのである。また漏洩防止の観点からは、誓約書や契約では不十分であり端末設置事務所の監査も行われなければならない。
バックアップについても同様のことが云える。万が一、年末年始にシステムダウンしたとしても、評価員はFDやMOを持参して分科会幹事事務所に集合すれば済むことである、【ただし、これは緊急時特例措置である】
さらに、情報保護ガイドラインや規定様式の水準を維持した上での、個々のシステムにおける裁量権を認める余地が生じてくることから、システム間(士協会間)における健全な競争が実現してシステム改良が図られるし、小規模であるが故にシステム改善も容易である。
例えば、前号記事で述べたようなイメージデータのストックやMAPシステム利用なども出来るところから実現して行けるのである。
安全性が担保されていれば、一次データ二次データの有効且つ効率的な活用も十分に可能であろう。
以上は百人未満の士協会におけるシステム構築例である。
では、百人以上の組織はどうあるべきか? 簡単である。
たぶんに内政干渉になるが、百人又は五十人規模に分散すればよいのである。
百人未満の士協会も日本鑑定協会とはやはりVPNオンラインにて結ばれるのであるから、千人規模も必要な範囲或いは有用な範囲の規模に分割してネットワークを構築すれば済むことである。
呉々も申し上げるが、大規模システムはシステム構築、システムダウン、システム管理等々においてコストもリスクも高いのである。新幹線切符発券システムのように大規模広域システム構築が必須であればともかくとして、鑑定評価においては基本的に同一需給圏エリア或いは都道府県エリアをカバーすれば取り敢えずは、こと足りるのである。
・・・・・・MAPシステムの利用について・・・・・・
「MAPシステムの利用」
最近のMAPシステムはカーナビゲーションの普及により随分と進歩している。例えば、最近のカーナビは住所地番や電話番号を入力すると目的地にピンポイントで案内してくれる。
このことは、事例作成に応用できるし、現に応用地図ソフトが販売されている。つまり一次、二次データをインポートすると、そのレコード上の所在地番フィールド情報とGIOコードによって25000~2500程度の地図上に所在地点を初期設定に応じて自動的に表示してくれるのである。所在地番情報を緯度・経度座標データへ自動的に変換してくれるのである。 【これで事例地位置図の自動作成完了】
さらに続いて、カーナビで経験済みであろうが、駅、空港、役所、大型店舗、コンビニ、GS、小学校などへ現在地から案内してくれる。距離や到達時間まで表示してくれるし、経路図も示してくれる。
これを、事例作成に応用しない手はない。初期設定で、駅、小学校、役所、基準地点、大型店舗、コンビニを示しておけば、最寄りの駅等を検索した上で距離測定を行い設定するレコードのフィールドに入力してくれる。
【これで接近要因と距離条件作成終了】
さらに、都計用途図や校区図をレイヤーとして整備するか導入してあれば、(これらのレイヤー情報はカスタマイズ可能であり、販売もされている)、行政的要因の多くも入力完了するのである。
続いて、地形図をデジタイザーで入力すれば、地形図が座標データに変換される。道路幅員も公図写しから入力可能である。(ただし、現況幅員の確認は必須である。) その結果、接面道幅員、接面方位、間口、奥行き、奥行き長大比率等が自動計測される。
事例作成件数が飛躍的に増加し、評価員の負担が重くなることが予想できるからこそ、これらの最新MAPシステムの利用が必要なのであり、それもサーバーにデータインポート時点で自動実行するようにプログラミング設定しておけば、評価員のデスクワーク負担は軽減されるし誤入力も避けられる。
なお、カーナビとの関連で付け加えれば、距離測定条件は幹線道路重視か距離条件重視かを統一しておく必要がある。間違っても高速道路優先という条件設定を行ってはならない。( (@_@) )
「digitizer」
アナログのデータをデジタルデータに変換する装置のこと。デジタル化することをデジタイズ(digitize)という。
写真や紙に書かれた文字や絵など手書きの情報を、コンピュータで扱うことが可能なデジタル データに変換する装置。
平面の盤面上から位置情報を入力するための装置。コンピュータを使用してコンピュータ グラフィックスなどに用いる絵や画像を描くために使用する。
動作原理や使用目的は 『タブレット』 と似ているが、通常、大きくて精度の高いものを 『デジタイザ』 と呼んで区別する。
「tablet 」
タブレット。コンピュータを使って絵を描いたり、コンピュータに対して手書きで情報を入力するための機器。
位置を指示するペン型の器具 ( スタイラス ペン ) と、それを感知する A3 ~A6 用紙サイズほどの板状の装置がセットになったデータ入力用の機器 ( ポインティング デバイス )。『マイクロソフト単語帳より引用』
「イメージデータのストック」
さて、MAPシステムやデジタイザー或いはタブレット利用により、要因データ入力負担が軽減されれば、次は現場データの精度向上である。
評価員はデジカメで標準地や事例地の現況写真を撮影して、サーバー共有ファイルに入力保存することにより、ビジュアルデータが相互利用できる。次いで標準地については、その経年変化も読みとることができる。
まさに百聞は一見に如かずである。
『標準化補正』
これから述べることについては、異論百出であろうと予想する。
茫猿は、この十数年間持論を機会ある毎に述べてきた。が今に至るも異端扱いされているし、鑑定士でなく算定士と陰口を聞かされている。
何かというと、前述するように、地形画地条件、接面道路幅員、接面方位がデータ入力済みであれば、標準化補正と時点修正率をプログラム算定しては如何であろうかと提案する。このプログラムのプロトタイプは『鄙からの発信』鄙巷交歓に掲載していますから御笑覧下さい。最新版はもう少し進化しています。
これも云うまでもないが、事前に設定する数値比準表作成が鑑定士の仕事であるし、価格帯による変動率判定も鑑定業務である。またエリア毎の標準画地設定も鑑定業務である。これらは鑑定士の独壇場業務であろうし、それは正に鑑定評価業務と茫猿は考えています。さらに云えば、ここで入力される時点修正率や標準化補正率はあくまでも評価初期値であり、鑑定士としてデータ検定を行うのは云うまでもないことである。

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