B.Bネットワーク

【茫猿遠吠:B.Bネットワーク:05.02.03】
 新スキームに対応してゆく上で、各都道府県士協会において安全なネットワーク整備が必須であるが、現時点で考えられるWAN-オンラインネットワーク構築には、「閉鎖IP網利用VPN」と「SSL-VPN」の、おおよそ二種類が考えられる。他にも多種多様な方法があるのであろうが、実現性と費用負担の観点からは、この二種類の選択にしぼってよかろうと考えられる。


 ところで、この種のネットワークを導入するに際して、会員の全面的な賛成が得られる訳ではなかろうと思います。「この不況下の時期に無駄な投資や経費負担はしたくない」或いは、「そうでなくとも事例調査に余分な手間がかかるのに、何故さらに収益を生まない投資を求めるのか」といった類の批判や反対意見が噴出するであろうと予想されます。
 これらの意見に対して、「セキュアなネットワーク環境が必要なのです」といった説得は、「私たちを信用しないのか」といった反論に会うこととなり、それほど効果的な説得とはなりません。
 そのような消極派に対して有効なのは、経費削減と効率化投資だと訴えることだと思います。オンラインネットワークをグループウエアなどと合わせて有効に使用すれば、ファクシミリ送信量や電話通話量が劇的に削減できます。
また、会議などで配布するコピーや印刷物資料も大幅に削減できます。
 もちろん、会議の都度、紙資料がないと寂しい方々は、オンライン配布されたワード資料やエクセル資料あるいはPDFファイル資料の内で、ご自分に必要な資料部分を印刷して持参すれば済むことです。
 会議の都度、大量の資料を印刷して配布したが、結局のところ読まれずに屑籠へ直行という愚かな現象は無くすことが可能なのです。
 他には、サーバ内共有フォルダーにおいたデータシートに、各自がメモ価格などを入力したりすることも可能ですから、データ入力締切日直前に他の入力データを勘案検討して、自己の入力データを調整することも可能です。
そういった、事実上のオンライン会議的運営もできますから、トータルコストの削減と協働業務の作業効率化が図れるのです。当然、運営次第という注書きは伴いますが。
 総括すれば、郵便物、ファクシミリが削減できますし、幹事や役員が印刷物を用意したり配布する手間も大幅に軽減できます。データの交換にFDやMO或いはCDを利用したり、E-Maill添付ファイル利用の危険を冒すことも無くなります。分科会評価員や会員側からすれば、データ納付締切日までに配達時間指定でデータ格納メデイアを送る必要がなくなり、締切時間直前までデータ作成作業が可能になります。
(注) WAN 【広域通信網】 Wide Area Network
 「広域通信網」の略。電話回線や専用線を使って、本社-支社間など地理的に離れた地点にあるコンピュータ同士を接続し、データをやり取りすることを言う。
 当然のことではあるが、クライアント(会員端末)側ではADSLや光通信などのブロードバンド接続環境にあることが前提条件である。また士協会事務局等においては、バックボーン接続環境及び一定水準以上のサーバー設置が必要なのも当然のことである。
1.小規模士協会向きのWAN
 NTTの提供するサービスで、小規模士協会向きである。
初期工事費及び事務局のバックボーン維持費を除けば、1グループの月額料金は30,000円程度である。初期工事費としては、事務局及び会員事務所のルーター設置並びに事務局のバックボーン引き込み及び設定費用等である。
1グループは10人単位で構成され、会員一人当たりの月額負担は3,000円程
度である。なお、事務局サーバに複数のグループ接続が可能である。
フレッツ・グループ
http://flets-w.com/group/
2.多人数士協会向きのWAN
 日本鑑定協会が設置を予定するSSL-VPNを利用するネットワークである。
月額のレンタル料金は、100名同時接続で35万円程度である。
50名同時接続で15万円程度である。
これにSSL-KEYサービスなどを付加すれば、さらに追加費用が発生するが多人数接続利用であれば割安になることは云うまでもない。
SSL-VPNの導入費用について茫猿は不案内であり、一説には初期導入費用が百万円単位という話もあるので、正確には下記サイトその他に照会されたい。
(注)SSL-VPN
 多くの事業者が利用するWANサービス網の中で、仮想的に閉域網を構築し事業者内での安全な通信を構築することが可能な各種VPNサービス。
これまで設定の手間や運用管理の煩わしさが発生しやすいIpsecと呼ばれる方式を利用していたインターネットVPNから、Webブラウザに標準装備されている
「SSL(Secure Socket Layer)」を利用してインターネットVPNを実現する方法である。(データ暗号化通信システム)
VPN (Virtual Private Network)
 不特定多数のユーザーが利用するためセキュリティーに問題のあるインターネットで、特定の相手や通信範囲の中で安全な通信を実現するための技術。
OCNビジネスパックVPN「SSL-VPNタイプ」
http://www.ntt.com/release/2004NEWS/0005/0527.html
 つまり、小規模士協会向きと多人数士協会向きと選択肢が異なることに注意すべきである。同時に、フレッツグループの場合は会員事務所のルーター設定を一度行えば、以後はブラウザーから「ブックマーク・お気に入り」クリックでネットワークにログインするが、SSL-VPN方式の場合は、大したことではないがUSBメモリーキーの接続とパスワード認証が必要である。
 さらに事務局からの連絡・伝達、会員間の相互連絡、様々なファイル管理その他、掲示板、伝言板、回覧板、ファイル交換などのためには「グループウエア」の導入が必須であろう。「グループウエア」については複数のソフトが市販されている。
グループウエアの一例・サイボウズ
http://office.cybozu.co.jp/cb6/

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