士協会NW構築の1

【茫猿遠吠:士協会NW構築の1:05.04.22】
いささか些末的に騒々しかった選挙も終わり、2005~2006年度の鑑定協会運営を託す新役員も確定しました。当選された新役員各位には本サイト上からではございますが、お祝いを申し上げます。また、僭越な公開質問にもかかわらず御丁重にお答えを頂いた各氏には、改めて御礼申し上げます。


鑑定協会は今、取引情報をはじめとする様々な情報管理において、歴史的転換点にあると考えられます。この重要な時期に鑑定協会の舵取りを付託された新役員各位の御奮闘を草深き鄙より期待申し上げるものです。
新スキーム体制整備に関連して鑑定協会の中央管理サーバ構築は、その骨格が固まりつつあり、全容も次第に明らかになりつつあります。
しかし、中央管理サーバは新スキームが地価公示の枠組みを通じて行われる事例収集業務であることから、中央管理サーバにアクセスできるのは公示評価員に限定されるものであります。
このことから、これら収集された事例を有効に利用するためにも、個人情報保護法安全管理措置充足のためにも、各都道府県士協会にもネットワークの早期構築が待たれるのです。
茫猿は鑑定協会新スキーム整備委第三WGに属して、この問題を検討してきた経緯に基づき、「士協会ネットワーク構築について」の提案を開示します。
なお、この問題を考えるに際して、最も重要なことは異動通知情報等の原始取引情報(一次データ)源の安定的確保が最優先課題であり、次いで重要なことは、それら情報の安全な管理システム確保であり、情報の質的向上を含む効率的運用であり、コストパフォーマンスであることに留意されるべきであると考えます。
※本小考を印刷される場合は、下記に用意しますPDFファイルをご利用下さい。
http://www.morishima.com/cgi-bin/k_data/pdf/bin/bin050422130734004.pdf
『士協会ネットワーク構築について』
―― 新スキーム体制整備に関連して ――
2005年4月20日
(社)岐阜県不動産鑑定士協会
不動産鑑定士  森島信夫
一、序にかえて
平成17年4月1日をもって全面施行された「個人情報保護法」と「個人情
報保護に関するガイドライン」は、事務所にシュレッダーを設置することや、
事務所のパソコンにパスワードを設定して管理することなどをはじめとして、
我々不動産鑑定士や鑑定業者に様々な対策を求めています。
それは、法が情報漏洩後の救済を意図するものではなく、漏洩という事態を起こさないように予防措置を講じることを求めているからです。
同時に平成17年度より試験施行が予定されている取引価格情報開示制度(通称新スキーム)は、取り扱う個人情報(取引情報)の情報源が行政情報であることから当然のこととして、個人情報並びに個人データ取扱に関して、専門職業家団体として一般企業以上の安全対策が求められていると考えられます。
即ち取引事例新スキームに関わると否とにかかわらず、各都道府県士協会が従来方式による事例収集を行う場合においても、個人情報保護法並びにガイドラインが示す様々な安全管理措置の実施が求められているのです。
そこで、ガイドラインが求める組織的、人的、物理的、技術的安全管理措置
を実施し、コンプライアンスを強化してゆくためには、公示評価員のみをクラ
イアントとする中央管理サーバシステムに準拠した全国士協会ネットワークの構築が欠かせないものであると云えます。
(注)国土交通省、個人情報保護に関するガイドライン
(H16.12.02国交省告示第1500号)
鑑定協会、個人情報保護に関するガイドライン
(H17.1.18理事会承認)
(注)「新スキーム」
そもそも、新スキームは「取引価格情報開示制度」(国交省土地情報課主管)の発足によるものであり、主として土地取引価格情報を広く社会に開示するために、不動産取引価格を調査してWebにより公開しようとするものである。
「不動産取引価格情報の提供制度」(国交省)は「地価公示の枠組みによる取引事例の収集・提供制度」を創設し、地価公示評価員の協力により取引価格情報開示に係わる取引事例の調査を行おうとするものであり、大都市圏域を中心にして平成17年度より試験施行が開始される。
新スキームには、不動産鑑定士が「地価公示の枠組みによる取引事例の収集・提供制度」事業への協力を通じて公益事業に積極的に参加するという意義があると同時に、事業への参加は結果として鑑定評価の基盤である取引事例収集に関して、安定的に持続する「取引事例収集システム」を構築することでもある。
(注)「中央管理サーバシステム」
新スキームによる地価公示の枠組みによる取引事例の収集・提供制度」を実施してゆくために鑑定協会に構築されるSSL-VPN方式【術語注.1】によるクライアント・サーバシステムである。
この中央管理サーバシステムには調査対象区域に属する地価公示評価員に限ってアクセスが認められる。公示評価員はUSBトークン(暗号化キー)
【術語注.2】を利用して中央管理サーバシステムにアクセスする。中央管理サーバシステムには、一次~四次データが保存管理される。
※一次データ 異動通知データ(行政情報)
※二次データ アンケートの結果、当事者より回収された調査票(PDF化)
※三次データ 公示評価員が指定される所要の調査結果を入力した事例データ
※四次データ 地価公示事例カード(公示事例は中央サーバでも作成が可能)

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