地価変動と統計

 少しばかり旧聞になるのだが、9/21に本年の地価調査結果が発表された。
全般的にみれば、都市圏域における地価下落幅の縮小傾向と都市圏の一部地域の地価上昇ということにつきる。上昇率上位地点ランキングでは一位から三位までが名古屋駅前が占める(1位 30.6%)。3位が東京銀座(15.4%)、5〜7位が名古屋市錦、8位が福岡市天神、9位10位は東京銀座である。
 ところで、東京都の地価上位地点の地価推移と、名古屋市の上位地点の地価推移は末尾掲載のとおりである。地価上位地点の変動率並びに地価上昇額の比較は何かと興味深いものがある。同時に上位地点の面的広がりについても、下落地点の地理的傾向についても統計的・地理情報的な考量分析を加えてよい時期であろう。


こういうことである。上昇率順位と上昇額順位は必ずしも比例しないのであ
る。単純に云えば地価(/m2)10,000円の地点では100%上昇しても上昇額は10,000円であり、地価水準1,000,000円の場所の2%上昇額に及ばないと云うことである。千代田5-1は+8.8%で百参拾万円上昇、中村5-1は+30.6%で百弐万円の上昇である。
 もう一つは、センセーショナルな地価上昇率にばかり目を奪われてはならにということである。名古屋駅前は元気であるが、東京丸の内・八重洲地区や銀座地区に較べれば、その面的広がりの規模は比較するまでもない。
即ち、東京駅エリアと名古屋駅エリアを比較すれば、各々のエリア総額変動が相当に違うのである。時価総額的な検討も必要であるし、その手段も用意されつつあるということである。
 茫猿の知る限り、名古屋駅前の大型ビル建築は駅ビルツインタワー(2000年完成)、毎日豊田ビル(駅前06.09竣工予定)、ルーセントタワー(牛島町:07.03竣工予定)くらいである。東京の場合は丸の内蓄に限ってみても、旧マルビル、丸の内オアゾ、建築中の新マルビルと目白押しである。

     「開発ビルラッシュの東京駅丸の内口」
千代田5-1 東京都千代田区丸の内3-2-2  
地価(/m2) 2005年 16,000,000  2004年 14,700,000
『対前年比上昇率 8.8% 上昇額 1,300,000 (/m2)』
千代田5-24 東京都千代田区大手町1-2-4 
地価(/m2) 2005年 15,400,000  2004年 14,300,000
『対前年比上昇率 7.7% 上昇額 1,100,000 (/m2)』
中央5-13 東京都中央区銀座2-6-7   
地価(/m2)  2005年 15,000,000  2004年  13,000,000 
 『対前年比上昇率 15.4% 上昇額 2,000,000 (/m2)』
中村5-1 名古屋市中村区名駅三丁目28番12号
地価(/m2)  2005年  4,350,000  2004年3,330,000
『対前年比上昇率 30.6% 上昇額 1,020,000 (/m2)』
中村5-9 名古屋市中村区名駅四丁目6番23号
地価(/m2)  2005年  3,000,000  2004年   2,300,000
『対前年比上昇率 30.4% 上昇額 700,000 (/m2)』
中5-1 名古屋市中区錦三丁目24番20号 
地価(/m2)  2005年 3,420,000  2004 年 3,060,000 
『対前年比上昇率 11.8% 上昇額 360,000 (/m2)』
※地価調査並びに地価公示についての詳細情報は下記へ
土地総合情報ライブラリー【国土交通省・土地水資源局土地情報課】

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