この季節になると思い出す唄がある。
その昔、茫猿がまだ学生の頃に先斗町で出会った粋なお方が、
この季節になるとよく口ずさんでおられた唄である。
梅は咲いたか/ 桜はまだかいな /
柳ゃなよなよ風次第 /
山吹ゃ浮気で 色ばっかり/ しょんがいな
梅から桜、そして柳へと季節のうつろいを歌う唄であるが、
「柳なよなよ」と恋人のつれなさを嘆くのである。
そして、山吹、即ち小判のことであり、
うつろい易いお金のこと、
あるいは浮気の沙汰も金次第とも読めるのである。
ようやくに満開の水仙である。気品あふれる薫りが庭に満ちている。
梅はまだつぼみふくらむ程度である。
Tags:花
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