今や言い古されたテーマである。
ある種の意味では、永遠のテーマとも云える。
それは「分散か集中」かの選択である。ここで、集中というのは、鑑定協会主導による「全国士協会ネットワークの一括構築・一括ホステイング・一括管理によるネットワークシステム構築」である。
それに対して分散とは「各士協会サーバの自主構築・独自ホステイング・自主管理によるネットワークシステム構築」を云う。なお分散とは各士協会が単独にネットワークを構築することのみを指すのではなく、複数の士協会が協働して構築する場合も指すものである。
『分散は効果的』
分散は非効率とも云えるが、各事業主体(各士協会)にとって最も効果的な選択が可能である。同時に予想される危険に対しては分散の故に安全であると云える。危険とは何かといえば、サーバのダウン事故等物理的事故、情報漏洩等人為的事故、地震等自然災害などを指すものである。また、各士協会が様々な手法を試行することにより、多様性にともなう競合が変革を先導するものであるし、副次的効果としてはそれぞれのシステムがバックアップ機能を果たすと云える。
『集中は効率的』
集中は効率的ではあるが、自主性、多様性を否定するものであり、変革の障壁となりがちである。起こりえる危険に対しては一斉に崩壊する可能性を否定できず無防備とも云えるし、安全性確保のコストが膨大になる可能性も高い。集中化システムが白亜紀に栄えた恐竜的と云えるとすれば、分散化システムは同時代を生き延びた哺乳類的と云える。
さて鑑定業界にとって今は、稀に見る変化の時だと考えます。取引事例という鑑定評価にとってある種生命線ともいえるデータを獲得する手続き方法が大きく変化しようとしている時であり、その変化は鑑定評価自体にも大きく影響するであろうと考えられます。
連続する変化は傾向がつかみ易く、変化に対応するのも比較的容易であろうと考えられます。
しかし連続性のない変化や突然の変化はその方向性が予測し難く、対応も困難であろうと考えられます。その意味では予測できない変化に柔軟に対応できるものこそが優れものと云えるのだと考えられます。
『茫猿の提唱する選択肢』
以下の条件を満たすことを前提にしたネットワークの構築・維持管理を提案する。
1.総ては地価公示の枠組みで行われる事例収集管理を基礎とするものであること。
2.ネットワークシステムの仕様は一定レベルの安全管理措置を維持するものであること。
3.ネットワーク上で稼働する一次〜四次データ管理ファイルは互換性を維持すること。
4.互換性の具体的措置は、地価公示フォーマットによるファイルレコードの定義である。
5.効果的分散を求めるとしても、効率を無視してはならない。
6.効率的集中を求めるとしても、多様性や独自効果を追求できるものである。
6.一定水準の費用対効果を満たす下限的規模は維持されるべきである。
7.そのためには、複数士協会が協働して構築する為の支援策を用意する。
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