映画「明日の記憶」をみました。記憶が薄れてゆく懼れにおびえる渡辺謙さんの眼、優しく支える樋口可南子さんの眼、香川照之さん、大滝秀治さん、渡辺えり子さん、好演する出演者達の眼の演技を楽しみ、泣かせてもらいました。
でも、見終わって怖いです。シニア料金で「明日の記憶」を観る茫猿も物忘れが多くなってきていることを考えると、そのままブラックユーモアです。
しばらく前にTV放映で「阿弥陀堂だより」を見ました。こちらは寺尾聡と樋口可南子の主演です。茫猿のなかでは寺尾聡と信州の風景が「博士の愛した数式」につながるのです。寺尾聡の静的な演技と渡辺謙の動的な演技の差は大きいのだが、それを受け止める樋口可南子が凄いと感じるのです。
そういえば、博士の記憶は80分しかもたないし、明日の記憶では永遠に失われた後に大切ななものが残る。阿弥陀堂ではおうめ婆さんが死者と話していると自分があの世の者かこの世の者かわからなくなり、夢のようだという。大滝秀治から北林谷栄につながり宇野重吉の影を見るのです。
もう一つ思い出しました。「博士の愛した数式」の少年野球の場面では何故か寅さんが観客席にいるような錯覚がしました。浅丘ルリ子、吉岡秀隆、寺尾聡(宇野重吉につながる)というキャストのせいでしょうか。
何の脈絡もありませんが、最近またマスメデイアとパーソナルメデイアについて考えています。その功罪、得失、信頼性の多寡などを考えます。
個々の信頼性には劣るとも、全体としての信頼性はどちらに有るのかなどと考え込んでしまいます。
Tags:書籍・映画・CD
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