漱石枕流(会長談話に想う)

 (社)日本不動産鑑定協会公式サイトに以下の記事がUPされている。
読者諸兄姉がどのようにお受けとめなさるかは預かり知らぬが、茫猿にすればまさに「漱石枕流」の思いがする。「漱流枕石」or「流石」&「耳洗」なのである。即報性を重視してまず事実関係を伝え、次いで問題ありと考える事項を手短に掲載する。


 協会公式サイトUP記事の一つは、
「不動産鑑定士調停センター開設のお報せ」である。
もう一つは、「不動産鑑定士の鑑定評価に対する社会の信頼を損なわない努力を−証券化関連鑑定評価の水準を高く確保しよう−」と題する「会長談話」である。  『茫猿としては談話の標題からして推敲が足りないと思え、とても残念である。』
 さて調停センター開設は後日ふれるとして、肝心なのは会長談話である。談話は「06.04.05・JPモルガンBK・金融庁処分事件」、「新生信託銀行事件」、「オリックス・アセットマネージメント事件」等不動産証券化金融事件と、「06.06.24・週刊ダイヤモンド掲載記事」の二つを受けてのものであると理解できる。
「06.06.19鄙からの発信掲載・不動産鑑定に潜む大きな疑惑
一、会長談話の宛先が意味するもの
 両事項は共に一般社会に周知された事柄であり、不動産鑑定業界並びに鑑定協会がどのような反応を示すかが注目されている事柄である。
 ところで、(社)日本不動産鑑定協会公式サイトの性格は、基本的に一般社会に広報することを目的とするモノである。その証拠に会員専用ページはIDとPWでブロックされている。
 であるにも関わらず、一般公開サイトに「会員宛の会長談話」を掲載する意味が理解できない。会員宛限定であれば、専用サイト、メールマガジン、ファクシミリ、郵書等の手段を利用すればよいのである。
 何よりも両事項はマスコミ公開済み事項であり、社会から鑑定協会の対応や如何と注目されていることを考えれば、国民の皆様宛の談話公表が本来であると同時に(社)日本不動産鑑定協会が示すべき「誠意有る態度」でなかろうか。
 少なくとも、『・・・・を使った「不十分な鑑定評価に基づく取得」が上げられています。』などと、他人事のような表現はとてもできないと考えます。
 誤解されると困るから書いておくが、茫猿は会長談話を協会サイトに掲載するなと云っているのではない、断じてない。速やかに国民宛の談話を公表すべきであると云うのである。「地価公示や地価調査や相続税や新スキーム調査等、国及び地方公共団体から鑑定評価等を受託する社団法人」としてあるべき態度と、取るべき優先順位は自ずと明らかであろうと考える。それすら判らないのであれば、「枕流」して聞こえをよくすべきであろうし、故にこそ「耳洗」というのである。
 表現を変えて判りやすく云えば、相も変わらず内向きの論理に終始する鑑定協会会長、そして会長談話を承認したであろう正副会長会や常務理事会の視野の狭さを憂うのである。
今問われているのは、「不十分な鑑定評価」と公文書において指摘された事柄について鑑定協会はどのように答えるかなのである。
 正副会長や常務理事などの上級役員の鼎の軽重を問う意味からは、「会長事務所に関わる問題について、会長自身に公式サイトで答えさせてしまった。」という事柄の重大さを認識しているのかどうかも糺したいものである。
二、Web Site 公開文書が有する性格というもの
 この談話の末尾に会長の個人的事項が記載されている。会員宛であろうと国民宛であろうと、会長の個人的問題を公式サイトに掲載することは如何なものであろうかと考える。サイトの管理者である広報委員会はどのような見解をお持ちであろうか。
 また、会長談話という以上、然るべき機関決定が為されていると推定されるが、それらに対応するであろう機関、「正副会長会」もしくは「常務理事会」の所感を伺いたいものである。こういう類の質問をすると時間が無かったから、取り敢えず等という回答が来る場合がある。こういった回答は論外である、E.Mailやファクシミリで持ち回り決済をすればよいのであり、時間が無かったという言い訳を認めることはできない。因みに、内閣総理大臣談話は閣議決定を経るものと聞いている。
【06.07.04・18:00時点における協会サイト確認では、上記鑑定評価問題に係わるコメントは談話末尾より削除されました。】
 したがいまして、会長談話末尾の約200字のコメントに関連する記事につきましては、オトナの対応として抹消させて頂きますので、悪しからずご了承下さい。

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