茫猿が網膜剥離を患ってから、もう5年余が経過した。
この五年間に眼の老化が進行したせいか、右眼が悲鳴をあげる時が増えつつある。それに、物忘れや語彙忘れ、書けない漢字が増えてきた。字が書けないのは多分にワープロ依存症のせいであろうが、物忘度忘症候群の進行は要注意である。
右眼については術後二、三年は悪いなりに小康状態を維持していたものの、最近は少しずつ視力が衰えつつあるようだ。老眼と並行しているのであろうし、衰えた眼をかばおうと無理するせいでもあろうと思う。
旧『鄙からの発信』・疾患の経緯・不思議なことに
疲れを感じたり、眼の奥に痛みを感じたりする時には、飛蚊症の症状も出る。もう一度、右眼を患えば失明は免れないだろうし、左目を患っても負担は大きかろうと思うから、今の眼に負担をかけないようにする今日この頃である。
物忘れについては「長谷川式認知症判定法」を時折試してみる。この判定法は判定者がいて使用するものであり、全問を自己診断するわけにはゆかないが、自己診断可能な問について、自ら検証するのも悪くはないと考えている。
長谷川式認知症判定法を試してみる。
なぜ、こんな湿っぽい話をするのかと云えば、零細自営業者の常として後継者問題があるし、自営者に不測の事態が生じた時の後始末の問題もあるからである。茫猿の周りでも年頃の近い人に似たような事例が発生する場合が少しずつ増えている。楽しい事柄でないから、あまり話題にされないが、日頃から考えておくべき年齢になっていると云うわけだ。
そうでなくとも茫猿に年頃の近い縁者に肺ガン、胃ガン、脳梗塞、メヌエル症候群、糖尿・頻尿などという話題が多いのである。つくづく思うのだが、若者が年配者の心境を思い遣るというのは難しいことである。茫猿も四十代、五十代の頃には、六十代の心境を判ろうとはしていたが、所詮は理の話であり、情の話ではなかったと今になって思い知るのである。
だから、この頃は七十代、八十代の心境などは、六十代にとてもとても判るものではないと言い切れるのである。同じく一廻りも若ければ六十代の心象風景など判るはずもなかろうと自覚はするが、僻む事なかれ、恨む事もなかれと己に諭すのである。
話に脈絡はないのだが、小学生の自殺が相次ぎ、未履修学校関係者の自殺もあり、県庁疑惑の自殺者もある。死んで花実は咲くものかと思うのは第三者なのであり、当事者は死ぬことで楽になるように思えるのであろう。
年金は長生きする者が得をするシステムであるし、死んでから給付される生命保険も亡者には使いようも無い。NHKの朝ドラ「わかば」での南田さんの台詞に言うとおり「生きてるだけで丸儲け」なのだが。この枯淡の境地に至るには平均余命を越えるまでは無理か。
この一ヶ月ほど「真珠腫性中耳炎」という難病に苦しむ縁者の容態が気懸かりである。「死んで花実は咲くものか」と思い、「生きてるだけで丸儲け」と思いながら我が身の来し方行く末もかねて日がな一日、虚と実の狭間に漂ようのである。
・・・・・というわけで、いつかの引用の再掲なのだが・・・・・・
※「横井也有 鶉衣 より」
実も蓋もなく老醜を揶揄した詩です。
初出の頃に較べて、随分と素直に腑に落ちるようになりました。
思い当たることが増えたか、減ったかと自問自答していますが、
意味もなく増やさないように気張るのは、心身に悪いように思える。
くどくなる、気短になる、ぐちになる
思いつくこと みな古くなる
聞きたがる、死にともながる、淋しがる
出しゃばりたがる、世話焼きたがる
又しても同じ話に孫ほめる
達者自慢に人をあなどる
「天野 忠 老醜より」
続いては、老醜をいとおしむ詩です。
いよいよ、皺も滲みもいとおしいものです。
鏡を見るたびにギョッとするわね。
つくづく時間の力は恐ろしい。
このシミ、この皺・・・・・
でもねえ。
そのシミ、その皺一つ一つだって
親切に時間が選んでくれたスタンプだよ。
その顔は
謂わば丁寧な集印帖さ
古いほど値が上がる
こともある
【茫猿の顔にも少しずつ、シミが増えてきた
前よりは濃くなり、大きくもなってきた。
でも値が上がることはないだろうな。】
※※※※※※「 Project G の願い」※※※※※※
天野忠から辿り着きました。
不思議なサイトです。中味の濃いサイトです。
コメント無用、一見に如かずです。
※※※「10ドルになります」(『クオリア日記』2006/11/6)※※※
茂木健一郎 VS 梅田望夫
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