会長への手紙

 「鑑定協会の危機管理」と題する記事の抜粋を私信にして横須賀鑑定協会会長はじめ上席役員各氏にお届けしました。次年度の予算編成や四月に予定される役員選挙を考えれば、早く理解を深めて頂きたいと願うからです。


 他にも各単位会の理解と協力が大事だと考えるからでもあります。法務省提供の行政データを原資料とする新スキーム資料調査は、全国の何処かでほころびをみせれば直ちに全国に波及する怖さを持っているからであります。
鑑定業界は、もともとそういった一面を持ってはいたのですが、新スキームの実施・拡大はさらにその「一蓮托生性」を強めたと云っていいでしょう。
 何処かの小さな綻びが「新スキーム調査」という全国の資料収集に大きな影響をもたらすであろうと予想するからです。
      『会長への手紙:(PDFファイル)
 重大な漏洩事故が直ちに「新スキームの停止や中止」に至るとは考えません。それは新スキームと地価公示及び地価調査との深い関連を考えれば、直ぐに理解できることです。
しかし、鑑定業界にとって逆風が生じるのはその後です。事故が発生すれば、多分間違いなく「地価公示・地価調査後の資料共同利活用行為」にとても厳しいタガが嵌められることでしょう。この「厳しいタガ」なくしては国民の理解が得られない。国交省もマスコミもそう考えるだろうと予想します。
 事故が起きないこと、厳しい予想が外れることを願います。
でもただ願うだけでなく、予め出来得る予防措置、危機管理措置は講じておくべきであろうと考えます。
多分、いいえ必ず、多くの事勿れ先例主義派はこう云うでしょう。

『そこまでしなくとも大丈夫だよ。
霞ヶ関は考えてくれるよ、見放さないよ。
第一、事故は起きないよ。
それに、そんな面倒くさいことを単位会や会員に云えないよ。
批判や反対の合唱が始まるよ。
とにかく、私の任期中は無事を祈るよ。
事が起きたら辞表は出すよ。』

【辞表の一枚や二枚でで済めば、
誰もこんなにクドクドと云やぁしません。
そこんところが、やはりわかんないだろうね。
だから、不治屋なんだろうね。】

・・・・・・いつもの蛇足である。・・・・・
 鑑定業界の内部事情をinetで公開されるブログ上にここまで記事にすることが良いのかどうかいささか疑問です。(書いてる本人が云うのであるから間違いない)   内部告発と見なされる可能性も高いと考える。それでも書かねばならないと思うし、書いて構わないと思う理由がある。
 一つは鑑定協会や都道府県士協会が社団法人という公益法人であり、公開を原則とする社会性を保持しなければならないと考えることにある。
 一つは鑑定協会や都道府県士協会が地価公示(国より)、地価調査(都道府県より)、固評(市町村より)、相評(国より)等々の、我々内部で公的評価と呼称している国及び地方自治体からの評価業務受託主体(一部媒体)であるということである。社会性や公益性の高い業務を受託している客体として、当然に保持しなければならない法令遵守性、情報公開性、透明度等が求められるし、社会の批判や期待に応えてゆかねばならないと考えるからである。そこには一般営利企業とは自ずと異なる位置や姿勢があって然るべきであろう。
 何の脈略もないが、しいて云うならインフルエンザ対策のお呪い&鑑定協会の御守りです。俵屋宗達の作と伝えられ尾形光琳が模写したという「風神雷神屏風」です。

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