縣廳舍の化石

 世間は連休モードである。我が家族も長男は今夕か明朝には海外へ飛び立つようだし、次男は半月余に亘る入院生活を終えて昨日から親元で静養モードに入った。街角も何となく初夏の気怠い気配である。


 そこでノンビリついでに、打ち合わせに赴いた帰りに庁舎を撮影してきた。岐阜市司町地内岐阜縣総合庁舎である。この庁舎は1924年10月に岐阜縣廳舍として建設された建物で、県庁移転後の1960年代以降は出先機関総合庁舎として利用されている。だから83歳の縣廳舍なのである。
 全体に重厚な意匠であり天井も高い、正面玄関を降りてくる時は舞台の大階段を歩んでいる気分にさせられる。岐阜県における近代建築を象徴するものとして、岐阜県近代化遺産に指定されている。また正面玄関などに使用されている大理石は、重厚な表現にとどまらずシカマイアという学術的にも価値の高い化石を含み、「世界に誇る貴重な地球史遺産」とされている。
岐阜縣総合庁舎正面

岐阜縣総合庁舎正面玄関の舞台階段

シカマイア化石の案内表示

 司町は茫猿事務所の所在する美江寺町の北隣に位置し、名前が示すとおりかつては多くの「司」が立地していた。岐阜県庁、岐阜市役所、岐阜大学医学部及び附属病院、中日新聞岐阜支局etc それらが一つ一つ郊外に移転してゆき、今や界隈のゴースト化は著しく、飲食店や喫茶店も廃業店舗が多く昼食場所にも事欠く有り様である。

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